2021年12月31日金曜日

霰の大晦日

朝、寝室から外を見ると白く見えました。
まだ明けきっていなかったので、目の錯覚か、あるいは霜かと思っていました。


しばらくして外に出てみると、
「あら、白い!雪?」


雪ではなくて、霰のようです。


寝室の窓から見えた場所、白く見えたのは目の錯覚ではありませんでした。


今日は、ブログはもう書いた後だったのに、もう1本書いてしまいました。
皆さま、ご一緒によい2022年をお迎えしましょう。




帯(バンド)

織物にはいろいろな織り方があります。

経糸緯糸が均等な平織り

一番シンプルなのは、経糸を1本おきに代わりばんこに上下させ、緯糸(たていとよこいと)を経糸と同じくらいの密度でさして織る「平織り」です。
平織りは、例えば糸より硬い竹など織った場合を想像するとよくわかりますが、隙間がたくさん開いて、涼しい布ができます。浴衣地や夏服には平織りがぴったりというわけです。
そして、冬に着るオーバーコートなどは、風を通しにくくするために、もっと目が詰んで隙間の少ない綾織りなどにします。

Kさん作のショール

平織りでも、経糸、あるいは緯糸のどちらかを密にして織ると、目が詰んで布も厚くなります。
私が参加させていただいているKさんの織物教室では、扱う糸が羊毛ですから、ただの平織りより、経糸を密にして、布を厚くして保温性を高くすると同時に、経糸で模様もつくるという織り方が主になっているようです。


さて、帯(バンド)は、いろいろな地域で織られていますが、ほとんどは経糸で模様をつくる、経糸が密なものです。


また、キリムなど敷物や、かつては壁にかけて寒さを軽減したタペストリーなどは、緯糸で模様をつくる綴れ織り(つづれおり)で織られているものが多くあります。こちらは緯糸が密です。

織物には、さらに、経糸緯糸は均等に織りながらも、その上に緯糸で模様を出す紋織り、経糸に緯糸を結びつけて切りそろえる緞通などなど、さまざまな織り方があります。
そんな中、経糸で模様をつくる帯を見てみます。


左はネパールの帯、真ん中と右はメキシコの帯で、左右の帯が経糸で模様をつくったもの、真ん中は緯糸で模様をつくった帯です。


ネパールの帯の同じところの、表と裏です。経糸を1本おきに色を変えているので、経糸が緯糸の上になったとき目立つ、つまり裏表で色がまったく反対に見えます。
緯糸は見えません。また、経糸が「ノの字」あるいは「逆さノの字」に見えるところと、「ハの字」に見えるところがあるのがわかります。そして、真ん中部分に比べて両端の目が詰んでいます。経糸を1本おきにして単純に織り進めただけでなく、結構複雑な織り方をしているのでしょう。


メキシコの帯の、同じところの表と裏です。表では狐のような動物が見えますが、裏では動物とは見えません。
ネパールの帯が7色使っているのに比べて、メキシコの帯はたった2色ですが、なかなか鮮やかに見えます。それは、赤糸より白糸を太くする、端の線模様は白糸を1本どりで使っているのに、中心部の模様は2本どりにしてさらに太くするなどの工夫をしているからです。

メキシコのバンド織り

メキシコでは、模様はその都度、刀杼(とうじょ。杼と筬の両方の働きをする)で経糸をすくってつくります。


こちらは、女性が頭に何か乗せている(または生命の木のような?)模様の表と裏です。
ネパールでも、見たわけではないので確かではありませんがメキシコ同様、自分の身体の重さを使って経糸を張る、バックストラップという方法で織られていると思われます。


北欧の各地には、板の穴と隙間に1本ずつ経糸を通して、この板を上下させながら帯を織るバンド織り機があります。
手芸用品、おもにはボビンレース用品を扱っているミラベルカというネットショップでは、北欧スタイルの、模様織りもできるバンド織り機を、今でも扱っています。
また、バンド織りの写真ばかりを集めた、興味深いサイトもあります。


真ん中のメキシコの帯は、帯としては珍しく、緯糸だけが見える、キリムなどと同じ綴れ織りという技法で織ってあります。


綴れ織りは、裏表まったく同じ模様になるし、時間はかかりますが技術はさして要りません。しかし、経糸がとても少ないのが見て取れます。
帯というものは、結ぶときに常に縦方向に引っ張るものですから、これでは帯としては弱いのです。実際、私はこれと同じ(色や模様は違ったけれど)帯を愛用していましたが、経糸が切れてしまい、これはその後手に入れたもので、扱いに気をつけていました。
もっとも、綴れ織りのキリムやタペストリーの経糸には、強くて伸縮性の少ない、しっかりした麻糸を使っているので長持ちします。






 

2021年12月30日木曜日

干して、干して


冷たいけど陽ざしのある日々が続いています。
農産物直売所でキャベツを買ってきたところ、2週間前に注文しておいたキャベツが生協でも配達され、「しまった」と思っていた数日後、暮れのイレギュラー注文とイレギュラー配達で、生協からもう1つ、ダメ押しのキャベツが配達されてしまいました。
「えぇぇっ、私が頼んだの?」
信じられません。久しぶりにキャベツを食べたいという頭の片隅の想いが、3つのキャベツを集めてしまったに違いありません。
漬物にしたり、キャベツとベーコンの牛乳鍋をつくったりしてみましたが、まだまだ減らないので、干してみました。
いただいた大きな白菜も干しました。干すと甘みが出るうえ、嵩も減り、保存もきくでしょうか。


ついでに、冷蔵庫にあったエノキダケも干しました。エノキのシャキシャキ感は嫌いじゃないけれど、ちょっと乾すとうまみが増します。


客用の掛け布団も干しました。


客用布団を置いたところに被せている布も干しました。


息子のペルー土産、ウールの手織りの布に、毛糸で刺繍してあります。


まったく布がつれたりしていない、見事な刺繍に感心します。

大掃除は相変わらずちまちまと、狭い範囲を重箱の隅をつつくようにやっています。
本当は、10年もそのままで破れている障子を張り替えたりしなくてはならないのに....。



 

2021年12月29日水曜日

高い壁


 さて、この高いところの壁ですが、先週張り終わりました。


高さのないところは端材で間に合いました。
斜めの角度が決まっているからと、あらかじめ全部切っておいてからはめようとしたら、だんだんにずれてきて痛い目に遭った経験があったので、一度に2枚ずつくらい、高さを合わせながら張っていきました。
結局、高い足場に何度も登ったり降りたり、登ったり降りたりして、大した運動になりました。


壁を張りながら中をのぞくと、ソーラー暖房の集熱機器が乗っているのが見えます。


壁を半分張ってから、透湿防水シートを貼り忘れていたことに気づきました。
透湿防水シートは内側からでも貼れますが、今のところ内側には足場がないので難しい。残りの半分は、透湿防水シートを貼ってから壁を張りました。


高い壁は床との取り合いがないので、すぐにでも内側からの工作もできる原理ですが、床を張って足場がよくなってから、内壁を張るつもりです。


次は床、大引の上に根太を設置します。芯々で一尺五寸(45.5センチ)おき。外から木の葉などのゴミも飛び込むので、サッシをつけてから根太を取りつけたいところですが、サッシの調達が遅れているので、軒の浅い一部の開口部をシートで覆ったりしながら、作業するつもりです。


写真の右手は主寝室、左手は手前が物置き、その奥にお風呂など水回りがあります。
2021年はこれで仕事納めになってしまうでしょうか。大晦日から1月の月半ばまで立て続けに訪問者があるので、掃除など、家のことをしなくてはなりません。







2021年12月27日月曜日

織物教室


織物教室のお仲間のOさんが、長さ5メートル越えの布を織り終わりました。半分に切ってつなぎ合わせて毛布にするのだそうです。
白く見えている糸は、もともと織り機につけておいた糸、こうやっておくと次に織るとき、いちいち綜絖(そうこう)と筬(おさ)に経糸(たていと)を通さなくても、この白い糸につなぐだけでよいとか。
私が昔織物を習ったときは、織り糸に、羊毛だけでなく木綿、絹なども使い、つくるものによって経糸の本数も太さも違ったので、このように「足す糸」を使わず、直接織り機に経糸を結んで、そのつど綜絖通し、筬通しをしていました。綜絖は、写真の織り機のような金属のものではなく糸綜絖だったので自由に動かすことができ、筬はその都度、目の細かいものや荒いものを選んでつけ替えていました。
でも、Kさんの教室では織るのは自分の紡いだ羊毛なので、ほぼ糸の太さは決まっているし、経糸の密度もそう違わないので、こうしておくと手間と糸の節約ができるというわけです。


半分に切って模様合わせをするため織りあがった布を床に広げると、早速Kさんちの猫のクリちゃんが乗る気満々で、近づいてきました。


しかし、ざっくり折ってある糸に爪に引っかけるとまずいので、クリちゃんは隙を狙っていたものの、乗らせてはもらえませんでした。


房をつくるため、織らないで空けておいたところを切り離します。


そして、つき合わせて模様のおさまりを見ています。
織った部分は巻き取っていくので、織りながらでは織りあがった部分を見ることができません。このようなアトランダムな模様では、あらかじめ綿密な計画を立てておくか、あるいは気ままにやって出たとこ勝負するかしかないのですが、果たしてOさんの場合、どっちだったのでしょう?
色がとてもきれい。原毛を洗い、天然染料で染め、そして糸に紡ぎ、経糸を整経して織りあげたものです。
織物は、ペルシャ絨毯のようなものでなければ、市販の糸を使ったとしても、織り機に経糸を掛けたところで、ほぼ75%くらい仕上がった気分になります。そして、織る作業に使うエネルギーが20%、仕上げが5%といったところでしょうか。
しかしこの場合、糸紡ぎからやっているので、経糸を織り機に掛けたところですでに85%仕上がったくらいの気分だとおもわれます。そして、織りが10%で仕上げが5%くらいの配分かと思います。
これから房をつくったりお湯で布を整えたりするのですが、仕上げると織りあがったときの硬さが取れ、とてもしなやかな風合いになります。
写真にはよく写っていませんが、少量の朱色の糸が効いています。また、二重織りなので裏表反対の色が出る、つまりサーモン色や黄色の裏はグレー、グレーの裏はサーモン色や黄色になっています。







2021年12月26日日曜日

お餅つき


年末恒例のお餅つきをしました。
陽ざしは温かかったけれど、風がちょっと冷たかった一日でした。


20年前にはじまったお餅つき、みんなそれぞれに20の年を重ね、子どもたちは育ち、大人たちは年を取りましたが、久々にお子さまの参加です。


小学4年生のお餅つきデビュー。


そして小学3年生のお餅つきデビュー。
この子たちに優しくコツを教えているお兄ちゃんが、20年ほど前には幼児でちょろちょろしていたTくんです。
この子たちもやがて貴重な戦力となることでしょう。


私は毎年のように、搗きあがったお餅をちぎって竹の容器に入れたり、ナマコ形にしたり。


今年は、餡入り持ちはつくらなかった。のし餅だけでした。



夫は変わらず火の番でした。








 

2021年12月25日土曜日

メリークリスマス

東エルサレムの教会の飾りつけ

NGOのHPに、パレスチナ人の住む東エルサレムの、今年のクリスマスの写真が掲載されていました。
パレスチナ人の多くはイスラム教徒ですが、キリスト教徒もたくさんいます。そして、ヨルダン川西岸は何と言ってもキリストゆかりの地、生誕や降誕の地、処刑場へと引かれていったゴルゴダの丘をはじめ、古くて由緒ある場所や教会であふれかえっています。

聖誕教会

キリスト聖誕教会のあるベツレヘムは、1990年代初頭には東エルサレムから乗り合いタクシーで、途中にイスラエルの検問はあるものの20分くらいで行けました。
ところが、イスラエルのパレスチナ人の移動を禁じる検問の厳しさは年ごとに増し、1990年代の終わりごろには、パレスチナ人がベツレヘムに行こうとすると、大きく迂回して、検問所の少ない砂漠を通るルートでしか行けなくなり、1時間以上もかかるようになっていました。
それでもまだ、パレスチナ人の居住区を囲う高い壁はありませんでした。


ところがそれから、ベツレヘムの周りには高い壁がつくられ、今ではこんな検問ゲートができて、パスポートがなければ出入りできなくなっているそうです。

東エルサレムの鼓笛隊

ヨルダン川西岸地区は四国くらいの大きさです。イスラエルの武力による占領後はパレスチナ人の自治区でしたが、西岸はイスラエルが占領した地域に比べて地下水が豊富だったため、以後、イスラエルの人口が増えるにつれて、パレスチナ人の土地を奪ってたくさんの入植地がなし崩し的につくられました。特にソ連崩壊後は東欧諸国からの移民が急増し、入植地の建設が急ピッチで進み、その入植地や彼らの行動通路を守るため、武力が使われてきました。


いまでは、パレスチナ人の居住できる場所は、ほんのわずかです。

アサヒニュースより

東エルサレムのすぐ南のベツレヘムでさえこんな状態なので、ヤコブの井戸のある北のナブルスや、南端のヘブロンに行くのは、今ではほとんど不可能なのかもしれません。
もっとも、観光地としてイスラエルがどうしても欲しい東エルサレムやベツレヘムに比べて、規制は少しは緩やかかもしれませんが。

サンタの家

私はキリスト教徒ではありませんが、この地球上に同時代に住む人々に安穏な生活あれと願うばかりです。