2021年11月11日木曜日

弁当箱とお酒入れ


骨董市でまことさんの店に、曲げわっぱのお弁当箱がありました。


開けてみると、おかず入れがついています。 メンパはいくつか持っていますが、おかず入れのついたのは持っていません。
蓋が深いメンパにご飯をぎゅうぎゅうに詰めて、おかず入れにはつけものと味噌と入れ、ほかに小石を持って、山仕事に行くとします。お弁当を食べるときは焚火をして小石を熱し、あらかじめ蓋の中で味噌と水を混ぜて置いたものに小石を放り込めば、水はたちまち熱くなってお味噌汁が出来上がります。
わくわくするような、嬉しいお弁当箱です。


その隣には、行楽や芝居見物に持って行った遊山弁当箱道具の一部だったに違いない朱塗りのお弁当箱があり、


これも開けてみるとおかず入れがついていました。
どちらも嬉しい、野口英世さん1枚の値段でした。しばらく前に同じようなメンパ(もしかしたらもっと傷んでいた)を持っていた骨董屋さんに訊いた値段の、4分の1以下でした。
お弁当箱はどちらもいただきましたが、可愛いだるまの型も欲しくて値段をたずねると、そちらはお弁当箱を2つ合わせたより高かったので、まことさんが気の毒がって(?)、遊山弁当箱につきものの水筒(酒入れ)を、おまけで2つもつけてくれました。
くれすぎです。


見てすぐ水筒とわかりますが、どうやって箱の中に液体を流し入れたのか、信じられない小さな口がついているだけです。口金を回したり引っ張ったりしてみましたが、口金が取れるわけではなさそうです。
上面は受け皿のようになっているので、ここにお酒をだぼだぼと注いで、小さな穴に落ちるのを待ったとしたら、まどろっこしいことこの上なしです。


曲げわっぱの説明がやけに詳しい『日本の民具』によると、この曲げわっぱは木曽福島のメンパと思われます。といっても形は長野県の木曾福島の形ですが、木曽福島のメンパは、外が黒で中が赤だったとか。
私がもっている曲げわっぱたいていこんな、透漆(すきうるし)のものです。

それにしても水筒は、瓢箪や竹筒でつくればいいものを、江戸時代には趣向を凝らしたものがつくられたものです。
明治30年ころには、アルミの水筒が登場します。






4 件のコメント:

  1. おはようございます。
    そう言われてみると、たしかに昔の水筒は瓢箪でも竹筒でも注ぎ口の小さい物が多いですね。漏斗を使ってのんびり水をいれていたんでしょうね。注ぎ口が小さいのは水がこぼれにくいようにする為か、酒を飲み過ぎないようにする為でしょうか。

    返信削除
  2. なるほど、弁当箱の蓋が深いとそんなこともできるのですね!
    口が小さな水筒は上が外れないのですか。虫が入ったらずーっと虫入りのお酒ですね(笑)。
    金属の口が2つ付いているように見えるので、1つは注ぎ口で1つは空気穴でしょうか?上に注いで中に落ちるのを待っても完全に落ち切らず、少し上に残りそうです。

    返信削除
  3. かねぽんさん
    竹筒はそう苦労しませんが、瓢箪も口は小さいですね。水だったら、汲んでおいたものに沈めればブクブクと入っていきますが、お酒だとそうはいきません。一滴でさえもったいないでしょうからね。
    カンボジアの村で水入れの瓢箪を貰ったとき、「絶対に水を入れ続けなきゃだめだからな」と念を押されました。一度水を入れないで置くと中がかびて、それにまた水を入れて飲むとお腹をこわすだけでなく、子どもが死んだこともあったようでした。
    お酒だと中がかびないとも思いますが、それにしても手間がかかって、確かにちびちびとしか飲めないかもしれません。

    返信削除
  4. hiyocoさん
    どっこも外れませんよ。つくるときは、中をきれいにしてから閉めるのでしょうね。しかし、金属を取りつけたりしていると、木くずが落ちてしまいそうですが。
    おっしゃる通り、小さいのは空気孔だと思います。虫も、蚊ぐらいだと入れるかもしれませんね。
    お酒を入れるときは、上に残ったのは舐めたのでしょうね。お酒飲みっていやしんぼですから(笑)。

    返信削除