気にしない

用事があって役所に行くと、新型コロナの再蔓延を受けて、備えつけのボールペンはすべて消毒するのか、使用済みにボールペンを入れる箱が置いてありました。

待っている間、この箱を見るともなく見ていると、模様は色紙を小さく切って貼ってあるものだとわかりました。恐ろしく手を掛けています。
小さな折り紙を丁寧に外側にも内側にも貼り詰めているのに、なぜかちっともきれいに見えないのは、縁をメンディングテープで貼ってあるからです。
これだけ手を掛けたなら、メンディングテープではなくて色紙で仕上げて欲しかった。せめて角はきれいに始末して欲しかった。

この箱を見ていて、なぜか、手の込んだパッチワークのバッグの裏地に、ありあわせの古いシーツの布を使ったり、素適な縮緬の巾着に、ありあわせのお菓子箱についていた化繊の紐を使ったりして台無しにしてしまっていた、母を思い出してしまいました。
吊るし雛のつくり方の本を買って、たくさんつくるのが面倒なので（ではつくらなくてもいいのに）、それぞれの型紙を２倍の大きさにして、巨大になったために不気味な吊るし雛になり、さすがに自分でも嫌になって途中やめしていたこともありました。
「気にしない、気にしない」

月初めには、１年遅れの母の三回忌を開くつもりでしたが、オミクロン株の急拡大で月末になってしまいました。子どもたちだけ集まり、会食もやめて法要だけにするつもりですが、コロナは少しは収まってくれるでしょうか。