我が家の近くの田んぼは、山からの水だけで稲を育てています。
稲作時期になると、谷川の水をせき止め、ポンプを回して、各田んぼに水が供給されるのですが、自然水の行きわたる田んぼの面積は限られていて、山すそを離れたあたりでは、米は水道水で育てています。
そして、冷たい谷川の水で育てたお米は、同じ品種でも、生暖かい水道水で育てたお米よりずっと美味しいのです。
その谷川の水で育てたお米を「鳴滝清流米」と名づけて売っているので、夫が仲介して、Facebookで呼びかけて何人かにお米を送りました。数に限りがあるので、30キロ(半俵)の袋で5つだけでしたが、玄米を自動精米所に運び、精米して袋に詰め直して送りました。
「精米したら、すぐ袋詰めしちゃだめよ。米が熱くなっているから冷まさないと、蒸れて美味しくなくなるから」
「えっ、そうなの?」
夫は、生活の細かいことは気にしていないので、何度聞いても、何度やってもすぐ忘れてしまいます。
お米を居間で広げると、猫どもがいたずらしそうなので、仮設ゲストハウス(20年経っても仮設)にシーツを敷いて、その上に精米した暖かいお米を広げて冷ましました。
翌日、
「居間にあったブリキの塵取りはどうした?」
と夫。
「あらっ、見えないの?何に使うの?」
「お米を集めるとき、スコップがわりに使う」
「お米を集めるなら、ちゃんといいものがあるわよ」
箕は、どれを使おうか選り取り見取り状態でしたが、小ぶりの大平箕(オエダラミ)にしました。
そして、集めたお米を袋に入れるときに使うじょうごは、熊本県日之影の小川鉄平さんにつくっていただいたじょうごを使いました。
このじょうごは、お願いしてから6、7年後にできて、届いたときには10年間続けていたお米づくりをすでにやめてしまっていたので、今回使うのが初めてとなりました。
それにしても美しいこと。
籠づくりの名手廣島一夫さんの籠に近づけるため、何度も試作を重ねたので遅くなったと聞きましたが、鉄平さんの美の感覚には並々ならぬものを感じます。
おかげで、白米の袋詰め作業は面白いようにはかどりました。
北の箕と南のじょうご、どちらも作業が楽しくなる籠たちでした。
落日荘の籠はまさに選り取り見取り(漢字混じりの文字は初めてお目に掛かった様な)。しかもどれも美しくて堂々とした姿のものばかり。
返信削除先日、やはり漢字混じり文字で初めて知ったのは「お香こう」。漬物を意味する事は知っていましたが、「香」が使われる事と関西の方言である事を初めて知りました。確かに「香の物」とも言います。
漢字繋がりでもう一つ。「籠」は龍が竹(かご?)を被っているのは何ででしょうか?
reiさん
返信削除コンピュータの変換が、昔より上手になって、漢字で書いた言い回し、楽しめますね(^^♪
方言にも漢字がつくところは、京都らしいです。岡山の祖母は、タクアンのことは「こうこ」と言っていましたが、他の漬物は「こうこ」とは言いませんでした。
何故に竹冠に龍で籠か調べてみました(笑)。
「龍」は「ロウ」という発音を示したもので、「りゅう」という意味はないそうです。例えば、「洋」には「羊」が入りますが、「ひつじ」という意味はない。漢字の八割ぐらいはこのような成り立ちで、音だけを利用しているそうです。
他の例題がわかりやすかった。「狐」は「うり」に関係なく、「猫」は「なえ」に関係なく、「狼」は「よい」に関係ないそうです(笑)。
籠の疑問を調べて頂きありがとうございました(春さんが調べて下さるだろうと言う下心が見え見えでしたが)。
返信削除ざるかぶり犬は犬に竹(ざる)をかぶせて「笑」になるからとの事を思い浮かべ、龍がざるをかぶっている?と思ってしまいましたが、音から来ているのですね。へんとつくり、かんむりとあし それぞれに意味はあっても組み合わせに意味は無い。なるほどです。
reiさん
返信削除籠だけでなく、篭もありますよね。
馬、牛に「けものへん」がついてないのは、古くから人間と暮らしてきたからでしょうか?「けものへん」は別名「犬の部首」、いろんな動物にくっついている犬がどういう存在だったのか気になります(笑)。