あまよかしむさんの「箕のページ」を見たとき、フィリピンのルソン島北部の四角い、平べったい籠が箕であったことを知りました。
2002年にフィリピンの北ルソンを訪ねたとき、泊めてくださった農家では、朝米を搗き、
丸い箕で搗いた米を打ち上げ、ゴミを飛ばしていました。その箕の先は、なぜか直線になっていました。
北ルソンの中心都市であるバギオの町の骨董屋さんで、丸い箕を見つけたときは、タイやカンボジアの箕との比較も面白く、嵩張るのをものともせず運んできたものでした。
ずいぶん経ってから、近所の骨董市で北ルソンの四角い籠を見つけました。一時、骨董市に北ルソンの籠があふれていたときのことです。大きくて平べったいので、何かを干す籠だろうと思ったものの、まさか箕だったとは知りませんでした。
北ルソンは起伏の激しい山がちのところで、車の走る道路から、何キロも歩かなければ到達しない形で村々が点在しています。いくつもの村を訪ねましたが、四角い箕は見なかったので、バギオで四角い籠を見たとしても、箕とは気づかなかったことでしょう。
「箕のページ」の四角い箕のところにもタグづけしてありますが、フナコレタロさんのブログには、インドネシアのスマトラ島の四角い箕が紹介されています。
その箕は、2隅を引っ張ってたわませてあり、頭上に掲げて少しずつ落とし、風によってゴミを飛ばし、米(この場合)を足元に落とす使い方をしていますが、北ルソンの四角い箕は、縁のつくりからしても丸い箕同様、煽りながら打ち上げて、米は籠の中に残し、ゴミを飛ばすという方法で使われたのではないかと思います。
また、ウィキペディアには、オランダのアムステルダムにある熱帯博物館所蔵の、スマトラ島北部の村の精米道具として、三角形の箕の写真が載っています。おそらくオランダ統治時代の写真、今でも三角形の箕が使われているかどうか、これも煽る箕ではないかと思いますが、定かではありません。
この持ち方で使うとすれば、先がとがっていることにどんな意味があるのか、知りたいものです。
そして、フィリピンの丸い箕の先が直線になっていることにどんな意味があるのか、ちゃんと訊いてくればよかったことが悔やまれます。
四角や三角で角があると、精米後に別の入れ物に移すのが簡単な気がします。
返信削除hiyocoさん
返信削除先がとがっていると、確かに他の容器に移すには超便利です。
100%そうなのだけど、北ルソンの箕の先が直線になっているので、引っかかってしまいました。
でも、考えてみると丸い箕も、煽るときに直線が必要なのではなくて、容器に移すとき、左利きも右利きもあのちょっとしたとんがりを使って移すのかもしれないですね。