2023年10月15日日曜日

Housewarming Party


昨日は、Mさんご夫妻の家の完成祝いに行きました。
この家は、もともと大正12年に東京の大森に建てられた家で、長く大森のランドマークになっていましたが、取り壊してそこにマンションが建つことが決まっていました。15年ほど前のことです。
NPOの開催した内覧会でこの家を訪れたM夫妻、自分で解体するならと、この家を持ち主のYさんから譲り受けて、運んできました。


M夫妻はたくさんの友人たちの手を借りたりしながら、買ってあった雑木林を開拓して、仮の住処とするための小屋を建て、ここで家の建て方や土壁づくりなどを経験した後、母屋の建設にかかりました。


そして、大森にこの洋館が完成してからちょうど100年を迎えた昨日と今日の二日間、友人知人を招いて完成祝いとなったのです。
もとの持ち主のYさんご一家もいらしていて、よみがえった家を見て感無量のようでした。


壁はすべて竹小舞を組んだ上に土を塗った土壁です。
以前は、町中の建築であったため、防火上外壁は塗られて大壁になっていましたが、八郷でM夫妻の手によって真壁づくりにつくりなおされました。


100年という区切りもあり、完成祝いをしたものの、じつはまだ完成していないのだそうです。週末だけの建設ですから、15年はそう長くないと思います。我が家は毎日作業して、母屋だけで8年ちょっとかかりました。
自力建設だと、いつをもって完成とするか不明ということは経験済みですが、いちおう住みはじめたときかな、M夫妻はまだ仮設小屋に住んでいらっしゃいます。


古い板ガラスや木彫りを配した欄間などが家に暖かい雰囲気をもたらしているだけでなく、


輪切りの竹と炭を積み上げた間仕切りにしたり、


渋紙の切り絵を配した間仕切りをつくったりと、随所に遊び心が感じられます。


我が家の鬼に似たレリーフがあるなと見ていたら、パーティーに瓦屋のさくらいさんも来ていらして、この鬼は我が家の鬼の兄弟と分かりました。
これって、もしかして鬼を生かすためにつくった屋根でしょうか。軒下には煙突掃除のブラシがしまわれているだけでした。
写真に撮ってはいませんが、あちこちに面白い瓦が使われていました。


人数が多いので二日に分けたというのに、昨日のお客さんはなんと90人。


ピッツァあり、バーベキューあり、カレーあり、マスずしあり、餅つきあり、Mさんご夫妻のエネルギーに圧倒された一日でした。
敷地内には、茶室やら、たった半坪のゲストハウスやら点在しているのですが、


かやぶき屋根のてっぺんに花を生やしたこれは何?
これは、超豪華な犬小屋でした。

余談ですが、こんなにお客さんが来て、駐車場はどうしたのかしらと心配な向きもあるかと思います。
M夫妻の住む丘の下に紙製品をつくる会社があって、そこの広い広い駐車場の一角を借りているので何の問題もないのです。そこから登ること10分くらいでM家の雑木林に着きます。






 

4 件のコメント:

  1. すっごーい!「大森 洋館」で検索すると、15年前のYさんの家が取り壊されるニュースが出てきました。その中で26歳の方が茨城に移築すると報じられていたので、その決断に驚きました。平日は仕事をして週末の作業ですよね。なんてエネルギッシュ!元の家に、更に遊びをプラスされて素敵です。
    https://www.youtube.com/watch?v=u_9bgQaHWT8

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  2. hiyocoさん
    見た!(笑)
    解体も大変だけど、その材料を番号なんかをつけて保管しておいて、ちゃんと再現するってとっても大変そう、ジグソーパズルなど足元にも及びません。
    Mさんはとてもお友達をつくるのが上手な方、初心者の稚拙な仕事を嫌がったりせず、うまくお手伝いを巻き込んで作業なさったようです。
    彼らはちゃんと「筑波山麓」と言ったと思うのですが、動画では「つくば」になっていましたね。

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  3. やはりそうでした!20年以上前から会員として関わっている日本民家再生協会でも当時譲り先を探していて、見学会に参加した若者が建物に惚れ込み、移築再生を決意したと聞いていました。
    その後の経緯は知らずにいましたが、あの時の洋館が15年の時を経て再生されたのですね。見事です。

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  4. reiさん
    わぁ、つながりますね。
    私も元の持ち主のYさんから直接経緯をお聞きしたのですが、家具なんかは「持ってけ」という感じだったという口ぶりだったので「家が欲しい」と言われたらびっくりされたのかと思っていましたが、家も持って行って欲しかったのか、さぞかし嬉しかったでしょうね。
    ご家族5人でいらしていて、みなさんとても嬉しそうでした。
    YさんはMさん達の結婚式にもいらしたし、ことあるごとに交流されているとのことでした。

    八郷では、私たちが来てからも茅葺き屋根の家がずいぶん壊されてしまいました。それも、「急いで自分で解体するから欲しい」というMさんのような申し出さえあれば、持ち主も重機で引きずり倒さなくてよかったのでしょうね。なくなってしまったら、二度と再現はできません。
    もっとも、力不足の私たちではどうにもできませんでしたけれど。

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