マツバ染のビンです。
空きビンだけでは何もわからない詳細ですが、素敵な手掛かりがありました。
「最新家庭用染料」、おそらく販売店に配る染め見本です。
三つ折りになっている染め見本を開いたところです。
マツバ染の染法
〇適量の湯の中へ染料を入れ染料の能く溶けたる時糸又は布の類を水にて能くうるおし固く絞りて入れ徐々に過熱して沸騰に至らしめ三十分計り斑点なき様煮染して引き出し水洗して陰干となし乾かすべし
〇染料は成るべく多くして品物が上へ出ざる位にすべし
と書いてあり、製造發賣元の松葉商店は、「東京市浅草區花川戸町拾七番地」となっていて、振替貯金口座番号と東京府下南千住にある工場の住所が書いてあります。
そして、染め見本はこれ、細い糸を結んで、開いて、貼りつけています。
なかなかきれいな発色です。「此の標本は一色にて染めたるものにして此の色を混合して随意の色を得ることが出来ます」との注意書きがあります。
当時、黄色に浅黄色を混ぜることによって緑に染めたりした人がいたのでしょうか?
糸の材料は何かと、1本抜き取って燃やしてみました。
一般的に絹、羊毛などの動物繊維は色が染まりやすく、麻、木綿などの植物繊維は染まりにくいものですが、販売促進用に絹を使うとは考えられない、人造絹糸だろうと思っていました。
燃やすと、あっさり燃えましたが長年が経過しているせいか、まったく匂いが感じられませんでした。アセテートであれ、レーヨンであれ、パルプなので木綿を燃やすのと同じ匂いがするはずなのですが。
戦前のものですが、色はしっかり残っています。
ところが、赤だけ考えられないほど発色が悪く、説明書きがなかったら赤には見えません。赤だけ退色しているとは考えられないので、もしかしたら、マツバ染ではよい赤を出せない染料会社だったのかもしれません。
〇染料は成るべく多くして品物が上へ出ざる位にすべし
と書いてあり、製造發賣元の松葉商店は、「東京市浅草區花川戸町拾七番地」となっていて、振替貯金口座番号と東京府下南千住にある工場の住所が書いてあります。
そして、染め見本はこれ、細い糸を結んで、開いて、貼りつけています。
なかなかきれいな発色です。「此の標本は一色にて染めたるものにして此の色を混合して随意の色を得ることが出来ます」との注意書きがあります。
当時、黄色に浅黄色を混ぜることによって緑に染めたりした人がいたのでしょうか?
糸の材料は何かと、1本抜き取って燃やしてみました。
一般的に絹、羊毛などの動物繊維は色が染まりやすく、麻、木綿などの植物繊維は染まりにくいものですが、販売促進用に絹を使うとは考えられない、人造絹糸だろうと思っていました。
燃やすと、あっさり燃えましたが長年が経過しているせいか、まったく匂いが感じられませんでした。アセテートであれ、レーヨンであれ、パルプなので木綿を燃やすのと同じ匂いがするはずなのですが。
戦前のものですが、色はしっかり残っています。
ところが、赤だけ考えられないほど発色が悪く、説明書きがなかったら赤には見えません。赤だけ退色しているとは考えられないので、もしかしたら、マツバ染ではよい赤を出せない染料会社だったのかもしれません。
紙の状態もいいし、色見本も色褪せていないことに驚きました。印刷の赤はばっちりなのがなんとも皮肉です(笑)。
返信削除hiyocoさん
返信削除そうか!紙のインクの赤は、超ばっちりですね。気がつかなかった(笑)。
赤はともかくとして、こんな色見本を見たら買って染めたくなりますよね。でも実際は使い古した色毛糸や模様のある着物を染めたのだろうから、思ったような色には染まらなかったんじゃないかと思います。