2012年3月30日金曜日
2012年3月29日木曜日
服部京子猫
先日、母のところに顔を出した帰り道、久しぶりに千駄木のギャラリー「猫町」に寄りました。
服部京子さんの猫展があったからです。
五年くらい前に、しばらく続いていた猫熱が冷めてきて、「猫、猫」とは言わなくなりました。それでもかわいい猫たちに逢うと、放ってはおけない時があります。
なんといっても、服部さんの猫たちはかわいいのです。
それに、お会いしたかったし。
天使猫です。
空を飛ぶ天使猫。
これほどではありませんが、猫は飛びます。
祈り猫。
服部さんも小石がお好きです。
そんな、石をイメージした猫たち。
我が家の石と混ぜてみました。
温く温く、温く温く。
お会いできて、お話できて、よかったです。
2012年3月28日水曜日
田ネズミ捕り
田ネズミ捕りの仕掛け(罠)です。
タイの友人ウィチットの甥のムーがつくりました。
タイやラオスでは、お米の収穫時期に限って、落ち穂で太った田ネズミを食べます。
田ネズミを開いて、ニンニクの叩いたものとナムプラーを塗って、半日ほど天日に干したものを焼いて食べます。
想像しただけで、唾が出るような、おいしいものです。
田ネズミを捕まえるのは男の子たちの楽しみであり、仕事でした。
当時、ムーは弱冠八歳くらいでしたが、自作の罠をあちこちに、一晩に二十くらい仕掛け、田ネズミがかかったかどうか、毎朝見て回っていました。
大した道具があるとは思えないのに、細工の見事なこと。
このひっかけるところのある竹片を、
紐でつくった輪と、竹筒の中につけた切り込みにはめて、紐をピーンと張ります。
以前はどうやるかよく知っていたのですが、久しぶりにやろうとしてみたら、忘れてしまっていて、できませんでした。
あまり強く引っ張って、紐が切れたり、竹筒が割れたりしては困るので、仕掛けてみるのはあきらめました。
タイの、民具の本にも、田ネズミ捕りの仕掛けが載っています。
しかし、「所変われば道具変わる」、ピシット県の男の子が持っている写真の道具と、チャイヤプーム県のムーの仕掛けは、違うものでした。
1990年ごろ、八歳だったムーは、数えてみれば、今年は三十歳になっています。十五年くらい前に会ったきりですが、今ではきっと家族も持って、働きがしらになっていることでしょう。
自分にとっては、過ぎた月日は、ただの過ぎた月日にすきませんが、 子どもがりっぱな大人になるような、長い月日であったことには、びっくりしてしまいます。
2012年3月27日火曜日
2012年3月26日月曜日
野菜ジュース
ジュースマシンです。
中には重い歯車があって、野菜を絞ります。
毎食つくれればいいのですが、かなり力が要ります。
というわけで、昨年から動力式のものを導入しました。
ニンジン、大根など二種類の根菜と、キャベツ、ホウレンソウ、小松菜など三種類の葉菜を絞って食べるのは、西式という健康法です。
かつて、結核など不治の病が多かった戦前、多くの人々が西式で病気を克服しました。
画家の田中一村もその一人で、二十歳まで持たないと医者から見放されましたが、西式健康法で健康を取り戻しました。
六九歳の田中一村が、庭で亡くなっていたのを発見されたとき、野菜をすろうと、すり鉢を持っていたまま倒れていました。
西式は、おおざっぱにいえば、腸をきれいに保ち、血液の循環をよくして、身体の中に老廃物をできるだけためないという健康法です。
そのため、食べることとともに排泄することを重視し、毛細血管を元気にするために(水袋である)身体を揺さぶる体操したり、熱いお湯と水風呂に交互に入る温冷浴で、血液の循環を促したりします。
以前はビニール製の簡易水槽を使っていたこともありますが、今は温冷浴のために、お風呂場に二つの浴槽を置いています。
かつては全国のあちこちに西式健康法の医院や道場がありましたが、西洋医学が進んだ現代では、ずいぶん少なくなっています。
私たちは、運動も、野菜ジュースも、温冷浴も、しばらく続けられたり、途絶えたり、再開したり、また途絶えたりを繰り返していますが、身体の洗濯をしたくなったときは、西式に戻りたくなります。
以前の職場では何人かでやっていましたが、人に勧めるのは、とても難しいのです。
亡父が末期がんと診断されたとき、入院を勧めてみました。
昔の人ですから西式を知っていて、
「断食とかするんだろう。遠慮しておくよ」
とあっさり退けられました。
葉菜に続けて、根菜を絞ったところ、
混ぜると、あら不思議、緑色になります。
最近は吸収しやすいようにと油を一滴たらして食べているようですが、我が家では何も混ぜないで食べています。
2012年3月25日日曜日
手がぶらぶらするよ
セルロイドのキューピーさんたちは、ヤフーオークションで見ると、最初から信じられない値段がついていたりします。なぜ?
もちろん、大きさ、時代、状態など、いろいろあると思いますが、私の持っているキューピーさんは、1000円以下のものばかりです。
ところで、みんな手(や脚)のゴムが緩くなっています。
簡単に直せそうですが、細いゴムが見つかりません。
中には、ゴムではなく、紐のキューピーさんもいます。
手元にある丸ゴムは直径が1.5ミリくらいで、それではちょっと太すぎます。
さびれた、駅前商店街の手芸材料店に行くと、
「そういえば、昔そんな細いゴムがあったなぁ」
と店番のおばあちゃんが、遠い目をして懐かしがりました。でも、置いてあるのは、髪どめ用の太いゴムばかりです。
ネットで探すと、ビーズをつなげる透明のゴムは細いものがあるようです。でも、キューピーさんのゴムなら、やっぱり白でしょう。
なんて、思い出したようにゴムを探すのですが見つからず、キューピーさんの手はいつまでもぶらぶらです。
いっそなおさない方がいいかしら。
私が生まれる前からあったロイドメガネのキューピーさんは、首もゴムでつながっていて、物心ついた時から首がぐらぐらですが、それはそれでかわいいものです。
さぁ、どうしよう。
2012年3月24日土曜日
木笛
鳩笛とラッパ、どちらも、木を轆轤で引いてつくった、おもちゃの木笛です。
ラッパには、のぞいてみると金属のリードがはめられています。 中をくりぬいたりしなくてはならないので、土笛より、木笛の方がつくるのが大変なような気がします。
でも、幼児に持たせるなら、絶対に割れる心配のない木笛でしょう。
ラッパは、高い、ラッパらしいよい音がします。
鳩笛は、骨董市で、音が出ないからと、さわださんからおまけとしていただいたものです。
家に帰ってから、吹くところに詰まっていたごみを、楊枝で丁寧に取り除いたら、あれ不思議、ちゃんと音が出るようになりました。
ラッキー!
このおもちゃで遊んでいた子どもたちは、今頃どんな大人になっているのでしょう。
2012年3月22日木曜日
型枠づくり
作業棟建設のためのの水平基礎の部分は、型枠をつくり、設置し、配筋し終えました。
ここは隠れて見えないところなので、おんぼろの、三度も四度も使った合板を再利用し、継ぎ接ぎしながらつくりました。
垂直基礎部分は、鉄筋だけ立ち上がっていますが、型枠はこれからです。
いよいよ立ち上がる壁部分の型枠づくりに取り掛かり、久しぶりに新しい合板を使っています。
合板をつなげるところや角は、どうしても汚くなるので、面を取るために、面木を貼っておきます。
早く作業棟が欲しいなら、ちゃっちゃと進めるべきところですが、急いでいるわけではなく、作業工程も十分楽しみたいし、納得いくまで手をかけたい私たち(とくに夫)に、面倒だから避ける工程はありません。
直角三角形の面木を並べて打ちつけているのは、コンクリートに模様をつけるためです。
面木を打ちつけておくと、
コンクリートを打つと、こうなります。
薪ストーブの横の袖壁は、柵の役目も持っていますが、コンクリートを熱で温め、より温かさを持続させる役割も持っています。
この三角縞模様は我が家の定番で、外にもあります。
作業棟建設のため、これまでいろいろな木や草が移植されたのに、ジンジャーは、「先住の権利」と言われて、倒れないような柵までつくってもらって、なぜか手厚く保護されています。
カンボジアの織物の滑車
カンボジアの折り機の道具のなかで、もっともかわいいものが、綜縞(そうこう)を吊る滑車です。
機(はた)を織るには、平織りの場合、経糸(たていと)を一本おきに二枚の綜縞に通し、その綜縞を上げ下げして、糸のすき間に緯糸(よこいと)を通します。
二つペアの滑車は、織り機の上の方の両側にぶら下げます。その滑車に紐で二枚の綜縞をつるし、綜縞はさらに紐で踏み板につなげます。
その踏み板を変わりばんこに踏むと、変わりばんこに上がったり下がったりする経糸の間を緯糸がくぐって、織物が織りあがっていきます。
滑車は、激しく使われるものですから、骨董市場で見つけても、欠けたり、磨滅していたり、中の滑車がなくなっていたりで、きれいな状態のものは多くはありませんでした。
また、ペアで使われていたものですが、ペアで状態のよいものは、ほとんど見かけませんでした。
タイ北部では、織機の滑車は象の意匠が定番ですが、カンボジアのものは、丸っこくて、花模様のものが大半でした。
一番多い、四枚の花模様の滑車です。
角度を変えると、滑車が見えます。
私の持っている、唯一のペアです。
珍しいひよこの滑車。
ひよこさん、くちばしもなかなかよくできています。
機(はた)を織るには、平織りの場合、経糸(たていと)を一本おきに二枚の綜縞に通し、その綜縞を上げ下げして、糸のすき間に緯糸(よこいと)を通します。
二つペアの滑車は、織り機の上の方の両側にぶら下げます。その滑車に紐で二枚の綜縞をつるし、綜縞はさらに紐で踏み板につなげます。
その踏み板を変わりばんこに踏むと、変わりばんこに上がったり下がったりする経糸の間を緯糸がくぐって、織物が織りあがっていきます。
滑車は、激しく使われるものですから、骨董市場で見つけても、欠けたり、磨滅していたり、中の滑車がなくなっていたりで、きれいな状態のものは多くはありませんでした。
また、ペアで使われていたものですが、ペアで状態のよいものは、ほとんど見かけませんでした。
タイ北部では、織機の滑車は象の意匠が定番ですが、カンボジアのものは、丸っこくて、花模様のものが大半でした。
一番多い、四枚の花模様の滑車です。
角度を変えると、滑車が見えます。
私の持っている、唯一のペアです。
珍しいひよこの滑車。
ひよこさん、くちばしもなかなかよくできています。
2012年3月21日水曜日
織物の道具
カンボジアの織物の道具、糸巻き機です。
はめ込み式になっています。
立ち上がり部分の穴に棒を通し、それに糸枠をさして使います。
もちろん、高貴なお方やお金持ちが使うのではない、ただの職人さんの使った、ただの道具ですが、全体に彫り模様を入れて、彩色もしてあります。
台は重くないとひっくり返るので、重くつくる必要がありますが、浅くきれいにくり抜いて、糸などちょっと入れておけるようにポケットがつくってあります。
全体に模様を刻み、こんなに凝っているのに、差し込んである立ち上がりの部分と、台座の部分がねじれています。そのため、棒をさしてみると、台座と平行になりません。
こんなに精巧な細工のできる人たちですから、うっかり歪んだというものではなさそうです。
下のポケットが使いやすいようにずらしているのか、それともほかの理由があるのか、どうして歪んでいるのでしょう?
糸枠です。
赤だけでなく金色も使って、道具というより、工芸品のようです。
こんな糸枠をプノンペンの骨董市場でたくさんみました。
市場に案内した、日本からの友だちたちに、
「サイドテーブルにしたら素敵よ」
と勧めたことも、何度もありました。
それほど、ありふれたものでした。
糸巻き機に、糸枠をセットしてみます。
かつて、織物の盛んな村の周りに流れていた、充実した時間が目に浮かびます。
うっとりしてしまう優雅さです。