2022年2月22日火曜日

羊1頭分の毛


織物教室に行ったら、以前Kさんが注文していた羊1頭分の刈り取った毛が北海道から届いていました。


封筒に押されたスタンプが、可愛いい(?)。


紐を切り、空気を抜いてあった包みを開けると、毛が出てきました。


「わぁぁ、大きい!」
毛は脂を含んでいて、触ると、ワセリンを塗ったように手がすべすべしてきました。
手前がお尻、向こうが頭、足やお尻のあたりの毛が汚れているけれど、洗うと真っ白になります。


さて、私の織物の進捗状況ですが、黒糸とまだら糸の整経した日が違い、そのせいか2つの糸に10センチもの長さの差があったので、先回補助糸に経糸(たていと)を結んだだけで、織り機に張るということはしないで、様子を見ようとそのままにしておきました。
そして、今回見るとあら不思議、2つの糸は同じ長さになっていました。手紡ぎの糸というのは、大きく伸びたり縮んだりしているようです。
というわけで、写真は経糸を後ろの巻き取り棒に巻き取り、手元の経糸は小分けにしてタコ糸で結んだところです。そのあと、補助糸を使って、経糸を手前の巻き取り棒に結びつけました。
かつて、私は経糸を手前の棒に直接結んでいましたが、ここでも糸のロスを出さないために補助糸を使っています(写真はない)。それが自分でつくった糸を使う人の心意気かとも思いますが、マフラーの場合は両端は房になるので、直接結んでも無駄になってしまう糸はほとんど出ません。


というわけで、すでに織りはじめています。
杼(ひ)をダブルで使っているのは、ひとえに私の糸紡ぎがへたくそだった結果です。かせによって重さが違っていたので、したがって糸の太さが違っているだろうと、そんな糸を順番に使っては布が均等にならないだろうと、重い糸と軽い糸で1段ずつ交互に織るということをするために2本使っているのです。


これこれ。この糸を見ても、いかに細くなったり太くなったりしているかわかります。
こんな糸しかつくれないのは初心者の特権で、これはこれで面白い織物ができると言われていますが、うまく紡げるようになるまでに、どのくらい時間がかかるのかわかりません。先輩たちはうまく紡げる日が必ず来ると励ましてくれますが、今はまだその日が来るとは、とうてい思えません。


杼も管(くだ)も教室のをお借りしています。私の杼は幅の狭いものにはちょっと大きすぎます。
これは京都のなんとかという織りもの屋さんの杼だそうで、使いやすいです。管も両端が玉になっているので糸がほどけず使い勝手はいいです。

私はこれまで、北欧式の紙の管を使っていました。


ノルウェーから織り機を送ってもらったときの包み紙を取って置いて、それで管をつくるのです。これには大きな利点があります。
日本などアジアでは、伝統的には竹の管が使われてきました。東南アジアや南アジアでは今でも竹の管が使われていますが、難点は穴の太さがまちまちなことです。日本では今では穴を開けた木の管が使われていますが、それも穴が同じというわけにはいきません。その点、竹のなかったヨーロッパの知恵だとは思いますが、紙の管だとどんな管巻き機にも自在に巻きつけることができて便利です。







2 件のコメント:

  1. わぁ、すてきなマフラー!
    本格的な機織りもやってみたいと思うのですが、だんだん目も利かなくなっているので、綜絖通しのことを考えるとちょっと尻込みしちゃいます。春さんの奮闘ぶりを拝見しながら、こちらは段ボールの織り機でマフラーを作りました。
    春さんのホームスパンのマフラー、完成を楽しみにしています。

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  2. ZUMZUMさん
    羊毛、とくに手紡ぎ糸の織物は織りあがったときはまだ硬い感じですが、これから仕上げをすると素敵になるようです。だからダンボールで織ったものも、仕上げで全然変わると思いますよ。
    ただ、仕上げは大変なようで、先日大物を織りあげたOさんも、裸足で冷たい水の中で踏まなくてはならないから暖かくなってから仕上げるとそれを放っておいて、別のものに取り掛かっていらっしゃいます。
    目が悪いのは私も同様ですが、刺繍より楽なんじゃないかな?
    先生のKさんも目が悪いです。はじめてご覧になったら?

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