2024年9月3日火曜日

穀物用じょうご


竹のじょうごです。お米を俵に詰めるのに使います(使っていました)。
直径58センチ、高さ38.5センチ、細い部分の直径22.5センチあります。
この形のじょうごは、細いところから広い方へと編み進みます。


経材は29本で編み始め、途中からそれぞれのひごに1本ずつ足して、しかし偶数になっては編み進められないので1カ所だけ2本足して、59本にして編み終わっています。


古いもので、どこでつくられたかわかりませんが、縁の巻き方から関東のものではないかと思われます。福島より北へ行けば、真竹は生育していません。


編み始め部分は、編み終わりと同じような縁巻きをしています。


それに比べて、宮崎のじょうごは、竹の節を厚く残し、それを葛で固定してから編み始めています。

写真をお借りしました

上の写真はネットで見つけた、「オークファン」で取引されたじょうろですが、編み始めの縁の処理や細さ、口の縁巻きの姿などから、宮崎(九州)あたりのものと思われます。

写真をお借りしました

もとの写真がピンボケで解像度も低いのですが、長野県安曇野市七日市場のじょうごは、「竹製」と書かれていますが、写真で見る限り、真竹ではなくて根曲がり竹で編まれたものに見えます。縁の巻き方が関東のものと違います。

写真をお借りしました

これも「オークファン」から。オークションに出されたものは、産地についてはほとんど記載がないのですが、これはイタヤカエデなど、剥いだ木でつくられたもののようです。とすると、産地は東北地方です。

写真をお借りしました

まさかまさかの、稲わらでつくられたじょうごもありました。福岡県水巻町のもの、籾つきのお米は引っかかってしまうでしょうから、玄米や豆類に使われたのかもしれません。


竹の箕もじょうごも、昨今は出番がなくなってしまいましたが、なんと興味深いものでしょう。

ところで、9月3日箕の日です。8月末に1週間ほどタイに行き、田舎にも足を延ばしたのですが、竹細工屋さんを町ではあまり見かけませんでした。


そんな中で、写真は車を停めて見た、チャイヤプーン県の道路わきの荒物屋さん、電信柱の向こうにぶらさげてある丸い籠が箕です。
この荒物屋さんには、キンマー道具など入れて手元に置く籠(手前)、もち米を蒸す籠(左のテーブルの上や右奥)、筌や魚籠などの漁具など、農村生活に必要な籠を各種売っていたのですが、ビニール紐や針金を使わずに作った籠はほとんどありませんでした。
箕も例外でなく、ビニールテープを使っていて、その巻き方は装飾的できれいではあったのですが、「持っていてどうする?」と自問自答した結果、買っては来ませんでした。

上と同じ荒物屋さん

この辺り、もとは森だったところに入植者が定住しているのですが、中部からの移住者だけでなく東北部からの移住者も多いのか、もち米を蒸す籠、蒸したもち米を入れる籠(右のビニール袋の中)が目立っていました。
自然素材だけでできた竹細工は、入手困難になっている感じがしました。






 

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