1903年の9月生まれですから、11歳です。
トラの左耳はちぎれ、右耳もお辞儀しています。
猫の耳はもともと冷たいのか、あるいはトラの耳だけ血のめぐりが悪いのか、耳をもんでもらうのが大好きです。
もともとは、トラにもちゃんと耳がありました。
2003年10月4日に近所の猫屋敷からもらってきて、この写真は10月5日のものです。
ところが、なんてこと!
10月13日には、もう耳がなくなっています。
最初、小心者の犬のうなぎは、トラにおびえっぱなしでしたが、そのうちに距離を縮めようとつきまとい、叱っても叱ってもトラの耳を甘噛みしてしまいました。
トラはまだ200グラム足らずと小さかったからか、耳の毛細血管が切れて血が通わなくなって硬化し、お医者さんに行くと、耳をおせんべいのようにぺきぺき折られてしまったのです。
それでもトラはうなぎを母と思い、出ないおっぱいを吸い、仲良く暮らしました。
やがて、2004年1月に小春が生まれると、トラの遊び相手はもっぱら妹分の小春に限定されました。
いつも一緒、小春もまったく嫌がらず、相手をしました。
そのうち、大きさが逆転しましたが、相変わらずの仲良しでした。
ただ、小春が不慮の事故で死んでから、トラにかまってくれる犬はいなくなりました。
昨日は小春が死んでから六年目の命日でした。
小春が生きた時間は、五年と四ヶ月だけでした。
死んでから一年ほど沈みきっていた残されたものたちは、六年も経った今では何とか立ち直りましたが、今だに小春の写真を見るだけでも、悲しさが押し寄せます。