2013年5月22日水曜日
2013年5月21日火曜日
宴な週末(2)
日曜日、お泊り組が帰ってから、近くのこんこんギャラリーの「一日限定石窯ピッツァ店」に行きました。年二回開かれていますが、いつも用事があったり、激しい雨が降ったり、台風が来たりと、これまで一度も参加したことがありませんでした。
ピッツァは、Yさんの地粉を挽いたものに、Nさんの有機野菜のトッピング、それをOさんがギャラリーの裏庭に常設した石窯で焼いたもので、とびきりおいしいものでした。
これまで考えたことがなかったけれど、ピッツァは、粉と野菜が命なのですね。
続いて、造園家Sさんの家で、焼き鳥の宴です。
建築家のOさんと陶芸家のKさんが、ゴールデンウイークに笠間の陶炎祭で、チキンサテーを売ったのが余ったそうで、その余りを、みんなで消化しようというのです。炭火焼きのサテーはスパイシー、インドネシアの味でした。
石を積んでつくった、S家の野外バーの前には、ゼロ歳児から七十代爺までが集って、大賑わいです。
Sさんがご自分で建てた母屋です。屋根には草が生え、壁にはツタが登っています。
こちらから見ると家に見えますが、反対側から見たら、石を積んだ(壁)上にただの草が生えた丘に見えます。
玄関前には、裏の谷川から引いた小川が流れています。
いつもせせらぎの音が聞こえる家ですが、Sさんの声が響き渡っていると、さすがのせせらぎの音も負けてしまいます。
室内には、天窓から外のツタが入り込んできていますが、植物と一緒に雨は入ってこないのでしょうか?
まっ、気にするようなSさんではありません。
ちょっと背をかがめないと出て行けない低い掃き出し窓の向こうは谷川で、谷川の向こうの杉林が見えています。テラスの右手には谷川の音を聞きながら入れる露天風呂もあります。
さて、そのSさんが近頃つくった、お連れ合いあつこさんの仕事場の増築部分です。入口は、洞窟に探検に入る雰囲気につくられています。
入口に積んだ大谷石は、地震の時に壊れた蔵の大谷石をもらってきたものだとか、御影石の梁も蔵の礎石だったものだそうです。
入ってすぐの部屋。
石だけでなく、床材も壁の塗料も貰いものというのが、Sさんのご自慢です。
そして、自慢中の自慢は天井のコンクリートを打った時にはみ出したバリ。金粉を混ぜた塗料で塗って、目立たせてあります。
つきあたりに見えている石は、暖炉です。
暖炉奥の壁の中に煙突が埋め込んであって、階段の踊り場の下、深くまで薪を突っ込む暖炉ですが、踊り場ばかり熱くなって、部屋が暖まらないと、あつこさんには、ちょっと不評でした。
ストーブ前の床も、階段の踏み板も、断熱材の上に新聞紙を何枚も厚く貼り、その上に和紙が貼ってあるのだとか、歩くとふわふわ弾力があります。
暖炉に乗っている石は落ちそうで落ちないかっこよさで、子どもならずとも、触ってみたくなります。金色で二本の線が描いてありました。
その増築部分から廊下を通って、
屋上へと出られます。
屋上には、他の棟同様土が入れてありますが、完成したばかりなので裸です。
同じ位置から後ろを振り返って既存の部分を見ると、屋根は草で覆われています。増築部分も、早晩このようになるそうです。
何も蒔いたりせず、自然に任せているので、今頃が一番美しいでしょうか。秋口にはススキなどの丈の高い草が生い茂り、冬には屋根は枯野となります。
密閉性の比較的高い我が家にも、どこからかムカデなどが入り込むことがありますが、Sさんの家は、さぞかし虫たちも棲みやすいでしょう。
あつこさんには、みんなで集まってわいわい話していたら、肩にムカデが落ちてきたのだけれど、黙ってつまんで投げ捨てて、話を続けたという武勇伝があります。
八郷を満喫した、宴な週末でした。
大場さんの写真をお借りしました |
ピッツァは、Yさんの地粉を挽いたものに、Nさんの有機野菜のトッピング、それをOさんがギャラリーの裏庭に常設した石窯で焼いたもので、とびきりおいしいものでした。
これまで考えたことがなかったけれど、ピッツァは、粉と野菜が命なのですね。
続いて、造園家Sさんの家で、焼き鳥の宴です。
建築家のOさんと陶芸家のKさんが、ゴールデンウイークに笠間の陶炎祭で、チキンサテーを売ったのが余ったそうで、その余りを、みんなで消化しようというのです。炭火焼きのサテーはスパイシー、インドネシアの味でした。
石を積んでつくった、S家の野外バーの前には、ゼロ歳児から七十代爺までが集って、大賑わいです。
Sさんがご自分で建てた母屋です。屋根には草が生え、壁にはツタが登っています。
こちらから見ると家に見えますが、反対側から見たら、石を積んだ(壁)上にただの草が生えた丘に見えます。
玄関前には、裏の谷川から引いた小川が流れています。
いつもせせらぎの音が聞こえる家ですが、Sさんの声が響き渡っていると、さすがのせせらぎの音も負けてしまいます。
室内には、天窓から外のツタが入り込んできていますが、植物と一緒に雨は入ってこないのでしょうか?
まっ、気にするようなSさんではありません。
ちょっと背をかがめないと出て行けない低い掃き出し窓の向こうは谷川で、谷川の向こうの杉林が見えています。テラスの右手には谷川の音を聞きながら入れる露天風呂もあります。
さて、そのSさんが近頃つくった、お連れ合いあつこさんの仕事場の増築部分です。入口は、洞窟に探検に入る雰囲気につくられています。
入口に積んだ大谷石は、地震の時に壊れた蔵の大谷石をもらってきたものだとか、御影石の梁も蔵の礎石だったものだそうです。
入ってすぐの部屋。
石だけでなく、床材も壁の塗料も貰いものというのが、Sさんのご自慢です。
そして、自慢中の自慢は天井のコンクリートを打った時にはみ出したバリ。金粉を混ぜた塗料で塗って、目立たせてあります。
つきあたりに見えている石は、暖炉です。
暖炉奥の壁の中に煙突が埋め込んであって、階段の踊り場の下、深くまで薪を突っ込む暖炉ですが、踊り場ばかり熱くなって、部屋が暖まらないと、あつこさんには、ちょっと不評でした。
ストーブ前の床も、階段の踏み板も、断熱材の上に新聞紙を何枚も厚く貼り、その上に和紙が貼ってあるのだとか、歩くとふわふわ弾力があります。
暖炉に乗っている石は落ちそうで落ちないかっこよさで、子どもならずとも、触ってみたくなります。金色で二本の線が描いてありました。
その増築部分から廊下を通って、
屋上へと出られます。
屋上には、他の棟同様土が入れてありますが、完成したばかりなので裸です。
同じ位置から後ろを振り返って既存の部分を見ると、屋根は草で覆われています。増築部分も、早晩このようになるそうです。
何も蒔いたりせず、自然に任せているので、今頃が一番美しいでしょうか。秋口にはススキなどの丈の高い草が生い茂り、冬には屋根は枯野となります。
密閉性の比較的高い我が家にも、どこからかムカデなどが入り込むことがありますが、Sさんの家は、さぞかし虫たちも棲みやすいでしょう。
あつこさんには、みんなで集まってわいわい話していたら、肩にムカデが落ちてきたのだけれど、黙ってつまんで投げ捨てて、話を続けたという武勇伝があります。
八郷を満喫した、宴な週末でした。
2013年5月20日月曜日
2013年5月19日日曜日
牛の世界
近くの牛の放牧場の横の道を散歩していると、間近で人間を見物しようと、ひょこひょこ駈けつけてくる、好奇心の強い牛が、いつも四、五頭います。残りは、遠くからちらちらと見るだけだったり、知らんぷりだったりします。
柵の中の草は短くなっていますが、すぐ外にはちょっと伸びた草が生えています。
先日散歩していた時、夫が戯れに、柵の外に伸びている草を摘んでやりました。
草をやったとたん、いつもは集まってこない牛たちも、急いで駈けつけてきます。
ところが、草を食べていた先着組が、急にすっ飛んで場を離れました。
なんと、ボスがやってきたのです。
後から来たこれがボス。他の連中はボスを遠巻きにして、決して近づきませんきません。
そうなると、夫はおもしろくありません。
余計なお世話にも、草を摘んでは、ボスを避けて、周りを取り巻く下っ端どもにだけやろうとします。
でもうまくいきません。下っ端の牛どもは口の前に草を出されても尻込みするのもいれば、一口だけは食べる勇気のある牛も、すぐすっ飛んで下がり、ボスに場を譲ります。
あれ、もう一匹尻込みしないのが、やって来ました。
ボスにすり寄って、一緒に食べているのは、ナンバー2でしょうか。それともボスが二匹いるのでしょうか。乳牛たちですからどれも雌でしょう?
知らなかった牛の世界を垣間見た日でした。
2013年5月18日土曜日
頭の悪いハクビシン
イノシシにやられて、数年間やめていたジャガイモづくりを、上のたけさんがつくっているのを見て、昨年から再開しました。
昨年は材木置き場とキュウリネットの間につくって、無事収穫しました。
今年は、新しい場所ですが、畝を立てた方が芋が大きくなるので、畝を立ててみました。これがあだになったでしょうか、ハクビシンにやられてしまいました。
イノシシなら、もっとめちゃめちゃにするし、狸ならもっと上手に掘ります。
掘り返しているだけ、種イモは食べていません。
最初、掘り返したのは二、三株で、二列のうち、一列はほぼ無事でした。
ところがそれからも、毎日のように掘り返されます。
以前、収穫寸前に全部盗んだ動物がいましたが、それに比べれば頭の悪いことこの上なしです。今日掘ってだめなら、次の日に掘っても、だめに決まっているのに、止まりません。
何とか、土をかけて救えるのもあるけれど、救えないのもあります。
ポールを三本立てて、西側と北側の二面だけに水糸を張り巡らしてみました。もちろん二面が開いているので入ろうと思えば簡単ですが、こういう見えるような見えないような仕切りが苦手ではないかと思ったのです。とくにやってくる方向に張っておくと。
昨日見たら、西の糸がだらんと垂れていました。
なんと、水糸を噛み切っています。西から来ていたのです。しかも南の端、ちょっと回り込めば入れるところです。
そして、また掘っています。
せっかくできはじめたジャガイモの赤ちゃんは無事で、種イモも無事。では何のために掘るの?と、頭の悪いハクビシンに聞いてみたいものです。
いたちごっこという言葉があるけれど、これはハクビシンごっこ。私、ハクビシンと遊ぶほど暇じゃありません。
と言いつつ、昨日ストーブの灰を撒いてみたら、昨夜何も訪れた形跡がありませんでした。土をかぶせなおしたジャガイモも、元気にしています。
我が家はちょっと高いところにあるので大丈夫でしたが、 盆地の低いところに畑を借りているSくんは、4月と5月の遅霜で、せっかく育ったジャガイモを二度凍らせてしまい、今年は収穫が見込めないと言っていました。
遅霜とハクビシンのどちらがましか、どちらも困ったものです。
2013年5月17日金曜日
食卓のディアーさん
ゴールデンウイークに、夫がkuskusさんの大物を手に入れました。
最初、草花を植えて外に置くつもりでしたが、あれっ、植木鉢のような穴が開いていない!
「穴は、グラインダーかドリルで開けられるよな」
と夫が言ったので、聞いていたkuskusさんは、ひやひやしたのではないかと思います。
一夜明けて、
「中で使うことにした」
やれやれ、一件落着です。食器として使える釉薬が使ってあるそうです。
鹿でも牛でもありませんが、ポンチョさんの娘のMちゃんがディアーさんたちと呼んでいたので、ディアーさんと呼びましょうか。
現在、小さいディアーさんたちは、一匹はMちゃんとともにコルカタ郊外のチャンディナガルに、一匹はMちゃんのお兄ちゃんのSちゃんにもらわれて、東京で暮らしています。
さて、ある日ディアーさんはそうめんを盛っています。
底の方がおいしくなくなるだろうって?
いえいえ、ちゃんとすのこを敷いています。
すのこは、ホームセンターで買ってきた巻き簾を、夫がニッパーで切ってつくりました。
使い終わって、干しているところ。
一緒に干していると、まるで瞽女のようです。
そしてある日、ディアーさんはサラダを盛っています。
ディアーさんが食卓でうろうろしているので、二人の食卓は、なんとなくおもしろいものになっています。
洗われた時は、ちょっと哀れな感じです。
「食器としては、ちょっと背が高すぎるな」
「んだね」
と言われつつ、ある日はホウレンソウと卵炒め、ある日はたまねぎいっぱいのサラダと、ディアーさんは、フジツボ目で、今日も食卓に陣取っています。
2013年5月16日木曜日
ビルマの籠
大好きなビルマの籠です。
ヤシの葉をテープ状にしたものを自然の色と、色をつけたものと、二枚重ねて編んであります。
大きさ、固さ、閉まり具合、開け具合、手へのなじみ方などなど、ものすごく使い勝手のいい箱籠です。
長い間、裁縫箱にしていました。
ところが、前住んでいたところを引き払い、しまう場所が建設中の母屋の居間の地下しかなかった時、壁際に置いたものたちが湿気てしまい、その中にこの箱籠も含まれていたのです。
一部だけ激しく痛んでいて、さわるとぼろぼろ崩れてしまいます。
仕方なく、歯ブラシや歯磨き粉のストックを入れる箱にして、裁縫箱より使う頻度を減らしたのですが、手に取るたびに、いつまでもぼろぼろと崩れてしまいます。
一回り小さい箱籠の方は、別の場所に仕舞っていて無事でした。
どちらも、ラングーンだったかマンダレーだったか忘れましたが、1981年にビルマに行った時、市場で買ったものです。
市場はタイなどと同じよう、真ん中で食料品を売っていて、端っこの方に荒物屋さんや籠屋さんがありました。
上の箱籠二つは市場でしたが、この籠は何屋さんで買ったのだったのか、ラタンでできている中古品です。
小さいので子どものおもちゃだと思いますが、この口の開かなさから見て、あてずっぽうですが、鶏入れを模しているのではないかと思います。
赤が残っていますから、真っ赤に塗ってあったのでしょう。
当時、ビルマは半鎖国状態でした。
どの町にも、過去30年間に建てられた新しい建物は見当たらず、古さに沈んだような静けさがありました。ラングーンで泊ったのは、かつて(植民地時代)は役所か事務所だったような広い部屋に、針金を張ってシーツのようなカーテンを垂らし、小さな簡易ベッドを置いた、緊急避難所のようなスペースでした。
人々はぶつぶつ言ってはいましたが、勤勉で本好きでした。道端にすわってお菓子を売りながら本を読んでいる人、プロペラ機に給油しながら本を読んでいた整備士さん、長距離列車の中では貸本屋がまわってきてみんな借りて読んでいたことなど、他の東南アジア諸国では絶対見かけない光景に、強烈な印象を受けました。
男性が、ほぼ全員ロンジン(腰巻)姿であったこと、女性の髪に挿した大きな生花が、朝は特に鮮やかだったことなど、スーチーさんの髪の花を見るたびに思い出していました。スーチーさん個人の好みではなく、老いも若きも大きな生花を長い髪に飾るのです。
さて、歯ブラシのストックを入れるのに適した容器が見つからないので、やはりしばらくはビルマの籠を使い続けるつもりです。
四角い箱籠といえば、日本の鈴竹で編んだものや、
フィリピンのヤシの葉で編んだものがあります。
どれも好きですが、ビルマの箱籠は色遣いが華やかなので、使っていて楽しくなります。