2020年9月30日水曜日

おもちゃ尽くしの布



お手玉をつくるために布を探していたら、市松人形が着ていた着物が出てきました。
おもちゃ尽くしで、とってもかわいい柄と思ったのですが、下前のおくみがないし、市松人形の月子に似合っていなかったので、新しく着物をつくって着せ、余っていた着物でした。


お手玉にしようかと思いながら、袖を解いて、布端を燃やしてみました。
絹なら、動物性繊維なので独特の匂いがしますが、これは、紙を燃やす臭いがしました。レーヨンだったのです。


私はレーヨンが嫌いではありません。レーヨンのバルーンパンツやスカートも愛用していました。でも、絹のちりめんに似せたレーヨンはまがいもの、好きではありません。
たとえ、お手玉でもやっぱり使いたくないので、思い切って捨ててしまいました。


人形用に染められた布、かわいい布をつくるやさしさと、レーヨンでつくり、おくみを省くこざかしさが同居しています。そうそう、思い出しましたが、洗いやすいからと「シルック」という着物地が、いっとき流行っていたことがありました。
あの頃より、もっと着物人口が減りました。






2020年9月29日火曜日

京都の黒い招き猫

招き猫の棚に、蜘蛛が巣をかけていました。
いったいどこから入り込むのか、蜘蛛は勤勉に、あちこちに巣をかけてくれます。



京都の猫のところに巣をかけていたので、取るついでに、以前京都の招き猫をUPしたことがあったかしらと見返してみました。
UPしていましたが、白猫だけでした。



2年前は黒猫がいなかった?
そんなはずはないとも思いつつも、最近ではいつから我が家にいるのか、わからない猫たちもいないわけではないのです。
京都のお土産ものの招き猫はたいてい、安っぽい人絹(死語!)のリボンの首輪をつけています。

ブログ、「郷土玩具/招き猫十八番」からお借りしました

安っぽい赤い前垂れをつけているのもいます。
私も、学生時代に買った、この写真に近い黒猫を持っていましたが、残念ながら地震で壊れてしまいました。



底を見ると、「京都市・市観光協会・推奨 501」と、同じラベルがついています。同じ型でつくられた猫です。



小さい猫のラベルは剥がれていて、底には穴があいていますが、きっと同じようなラベルが貼られていたに違いありません。






2020年9月27日日曜日

中国のやかん



銅のやかんを使ってみて、ステンレスのやかんよりずっと手入れに気を使わないで済むことを知りました。
いつもガス台の上に置きっぱなしで、汚れたなと思うと石鹸をつけて洗いますが、固いステンレスたわしでこすったりはしません。でも、いざとなると銅ですから、ぴっかぴかに磨き上げることもできるはずです。夫が一度、空炊きもしてしまいました。手入れがテキトーでも、ステンレスのように黒ずんで、いかにも汚らしくはなりません(もしかして、なっている?)。
容量がちょっと小さめだと夫がいうので、気になっていた中国の銅のやかんを、手に入れました。


新しもの好きの夫が、早速お湯を沸かします。2リットルくらい入るということでしたが、想像していたよりは小さめでした。
「今まで使っているのと、同じくらいしか入らないじゃないか。でも、吹きこぼれないかな?」
期待していたにもかかわらず、沸騰したとき、お湯は盛大に吹きこぼれました。
「なんだ、これじゃ前のよりひどいじゃないか!」
と、夫は文句を言いながら、ガス台にこぼれたお湯を拭いています。



見ると、蓋に穴があいていません。これでは、注ぎ口から勢いよくお湯が飛び出してもしかたありません。
というわけで、ドリルで穴を開けました。


それにしても、どのやかんを見ても、注ぎ口はだいたい本体の高さと同じで、注ぎ口の方がずっと高いやかんはないようです。水を少なめに入れて沸かせば問題ないのですが。

中国の銅のやかんは、手で打ち出したものではなく、機械で絞ってつくってありますが、それでも手作り感がいっぱい。注ぎ口と持ち手がずれてついているところなど、気に入っています。







 

2020年9月26日土曜日

ケツメイシの使い道

 



デスクの下を掃除するたびに目につくケツメイシ(エビスグサ)の種、ビニール袋にはすっかり埃がたまっています。



ケツメイシは、10年も前にオクラの苗についてきた種がこぼれて毎年再生し、種をつけていましたが、庭の整備が進むにつれて、草むしりや草刈りが行き届くようになって、今では元気のないのが数本、庭の隅に生えているだけ、この数年は種も採っていません。
それでも、お手玉をつくるつもりで採りためておいた種が、600グラムもあります。

いつも掃除のときだけグサッと思い出す種ですが、捨てるのは忍びない、しかたなくお手玉にしてしまうことにしました。



これまた無駄に場所をふさいでいる着物の端切れの中から、小さくてあまり使い道のなさそうなのを引っ張り出してきて、アイロンをかけました。


そして、そこいらにあった紙で、9×5センチの型紙をつくり、一つのお手玉につき2種類4枚づつの布を切りました。
5個セットですから、4個同じ布の組み合わせにして、1個だけ布がちょっと違うのをつくるのがベストですが、根がケチな私、小さい布から選んで切っているので、全部違うお手玉になりそうです。



夕方大相撲観戦しながらチクチク縫います。
私は、相撲がまったく人気がなかったころに相撲を支えた白鵬が好きです。外国人に記録を塗り替えられないようにしようと、あからさまな邪魔のなかで、朝青龍は排除されましたが、白鵬は次々と記録を塗り替え、日本人横綱待望論ばかりが声高に叫ばれる時代に、黙々と相撲を取り続けた白鵬、若いころは怪我がありませんでしたが最近は怪我が多く、今場所は休場しています。
だからあまり真剣には見てなかったのですが、初入幕の翔猿が頑張ったり、結構面白い展開になっています。



長方形の布を風車のような形に置いて縫うと、自然に形ができてきます。ケツメイシを入れる一辺だけ縫い残しておいて裏返します。



そして、ケツメイシを40グラム入れて、開けておいたところを縫い閉じます。母の羽織裏と祖母の昔のしぼの大きい紋付を組み合わせたお手玉ができました。



大相撲の今場所中(今日と明日だけ)に5個できるでしょうか?
ケツメイシが600グラムですから、全部で15個、3セットできるはずだけど、大相撲は終わってしまうし、また中途半端のまま突っ込んでしまわないか、ちょっと心配です。

莢入りのケツメイシ







2020年9月25日金曜日

包装籠(3)

 


鶏を飼っていらっしゃる方から、卵をいただく機会も多いのですが、名前のある鶏さんの卵をいただいたのは初めて、アンジェリーナちゃんの卵です。
卵は、久しぶりにすき焼きをつくって美味しくいただいたのですが、包装籠が気になります。アンジェリーナちゃんの飼い主さんが包装籠として買われたものか、何かが入っていた籠なのかわかりませんが、日常使い用ではなく、包装籠としてつくられたものに見えます。
焼き菓子などを入れる、ヴェトナム製の四角い包装籠が出回っていますが、この丸い籠もヴェトナム製に違いありません。


つくり方は、平らに竹ひごを組んでおいてそれを縁で丸くまとめながら編み上げるもの、浅い籠をつくるときの方法で、日本にはよくある編み方です。
タイ、カンボジア、フィリピンなどでは、綾に織っておいて平たい籠をつくることはありますが、平編み(ひらあみ)でこのように仕上げることはありません。


これはカンボジアの平たい籠、左は篩(ふるい)なのですが篩の部分も綾編み、周りも綾編みになっています。


そして、フィリピンの、綾編みの平たい籠(の蓋)です。


これも蓋しかありませんが、中国の籠、綾編みです。


同じつくり方の籠として比べたのは日本の籠です。
包装籠は長く使う籠ではなく、数をつくってなんぼの籠なので、雑につくってあることは否めませんが、それでも、安い賃金で、手でつくっていることに感心してしまいます。


竹ひごは薄い薄い。表も裏も皮はついていませんが、ヴェトナムの竹は皮がついたままだと固すぎるのか、皮を取り除いて籠を編むのが一般的です。もっとも、縁巻きには皮つきの竹を使っています。


余談ですが、比べるために出してきた、いつも蕎麦を盛っている日本の古い笊を見て、改めて仕事の細かさにびっくりしました。


ひごは水切れがよいように、きれいに三角に面取りしてありました。


さて、いろいろな平たい籠を探していたら、我が家にすでにヴェトナム製の包装籠が存在しているのを見つけました。先輩籠は卵の籠より小さいのに、ひご数は多く、ちょっとだけ丁寧につくってありました。いつから我が家にいたのかしら?
ヴェトナム人の名誉のためにつけ加えておきますが、彼らも丁寧な仕事をする人たちです。一つ10円の手間賃で売るような籠はちゃっちゃとつくりますが、長く使う籠をつくるときは丁寧に、自家用となると、さらに丁寧な仕事をします。


この2つは、ヴェトナムの背負子の蓋(左)と手つき籠の蓋(右)ですが、平編みではなく綾編みにしてあります。左が自家用、右が売るためにつくった籠であることは、一目瞭然です。
もしかしたら、平編みの平たい籠は近年、輸出用につくられるようになったもので、伝統的にはヴェトナムでも、綾編みしかなかったのかもしれません。
ちなみに、平編みより綾編みにする方が、目がきっちり詰まります。







2020年9月24日木曜日

ゆっくり考えよう

数か月前に、益子の小道具と古書の店「内町工場」で、古い小箪笥の引き出しだけ売っているのを見ました。
なんでも、全体では売りにくいこと(そうなのか?)、内町工場のお客さんに、古引き出しを使って「引き出しアート」を制作している人がいることなどから、引き出しだけ置いているのだそうでした。
そのときは、「私なら引き出しだけでなく全体の方がいいわ」と思いましたが、数日後に寝室の片づけをしていたとき、「あの引き出し、使えるかも」と急に思いつき、同じものが3つあった引き出しを、電話して取っておいていただきました。


寝室の棚の一番下の段は、もともと犬の寝床(左)としてつくったものでした。
冬にはヒーターを2つ置いたので、犬だけでなく猫も同居、みんなで仲良く寝ていました。ところが犬たちが死んでしまって猫だけになり、箱が大きすぎるので、つくり直して半分の大きさにしました(右)。しかも、ヒーターを使う季節以外は、高いところが好きな猫はここでは寝ません。
なんとなく、この辺りはうまく使いきっていない、もう1段棚をつくるとか何かして、効率的に使いたいと、ずっと思っていました。


先日、久しぶりに益子に行ったので、取っておいていただいた引き出しをいただいてきました。もともと買うつもりで見ていなかったので、再会して見ると思っていたよりサイズは小さかったけれど、素敵な引き出しです。


昔の人はいい仕事をしていて、金具も何とも言えない美しさです。外側は傷んでいたから引き出しだけ抜いたのだろうけれど、元の姿も見てみたかった出来栄えです。


引き出しは、頭の中では横に使うことを考えていたのですが、真ん中に置けば使い勝手が悪くなり、どちらかに寄せるとシンメトリーになりません。シンメトリーにならないとすると、ほかに置きたいものの大きさなども考えて、枠の中をうまく割り振りしなければなりませんが、今はほかのことに忙しいので、考える時間はたっぷりあります。


横に置かないで、縦に置くという選択肢もあります。
また、棚だけでなく、ほかの引き出しをいろいろつくって、組み合わせるという方法もあります。
まっ、しばらくあれこれ考えて楽しみたいと思っています。






2020年9月23日水曜日

象さん

先日の骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんが、顔を見るなり、毛むくじゃらの猫の置きものを出して見せてくれました。茶と白が混じっていて、本当の猫の毛でつくったんではないだろうけれど生々しい、小さいけれどシュールな猫でした。
「いま、生きているみたいなのが、流行っているんだ」
「・・・・・」
どこで流行っているのか知らないけれど、家に置きたくありません。
「じゃぁ、これどう?」
と、次は大きな猫のぬいぐるみを見せます。
「わぁ、埃が積もりそう!」
私は、ぬいぐるみは埃が怖くて、ほとんど持っていないので、お断りしましたが、さわださんはめげません。
「もう一つ、小さい猫があるんだけど」
と箱を取りあげ、中をゴソゴソ探して見せてくれたのは、小指の先ほどの小さな招き猫でした。招き猫は悪くありません。でも、座布団も猫も木の台に接着されているだけでなく、横に小さな行灯も接着されていて、その行灯が傾いでいるので、それが気になってしまいました。
「100円でいいよ!」
といわれてもなぁ。
その行灯猫が入っていた箱をのぞくと、たくさんの竹細工の人形が入っていました。どれも今では絶対につくれないような、凝った細工で、絵つけもきれいなものでした。



中に、何とも素敵な竹の象がいました。
鼻の先から尻尾の先まで3.5センチしかない、小さな象です。



逆さにしてみると、もとの竹がどうなっていたかよくわかります。
象の背中の部分は節を利用して、丸く磨き込んでいます。胴体と頭は元々くっついていたのか、あるいは別のものを接着したのかわかりませんが、節のところから伸びている枝を、象の鼻らしく曲げています。名もない職人さんに脱帽です。

以下、我が家に生息する象たちと、小さな象とのツーショットです。



手すりにしているジャイナ教徒の象と。




そして、水入れの瓢箪と。水入れ(種入れか?)の瓢箪には、2頭の象が彫ってあります。


アフリカ象に乗ったことはないけれど、アジア象は背中から見ると頭が三角で、毛がぺんぺんと生えていて、いかにもユーモラスです。山道を歩くときは、シャキシャキとは歩かず、周りの木の葉などを鼻でもぎ取り、むしゃむしゃ食べながら歩きます。
最近アフリカで、水場に毒が発生してたくさんの象が死ぬという事件がありました。原因は不明ですが、温度が上昇して細菌が蔓延ったのではないかと言われています。
野生動物にとっては生きにくい時代が続いています。








2020年9月22日火曜日

燭台

秋らしく涼しくなったので、夏中開けっ放しにしていた窓を閉めました。
閉めるついでに網戸を拭いたら真っ黒、ついでに網戸の前に置いてあるものなども、久しぶりにきれいにしました。



この燭台は、珍しく夫が買ったもの、我が家でも昔はろうそくを灯していましたが、このごろは生活に余裕がなくなったのか、ろうそくは全然灯さず、埃にまみれていました。
よく見ると、灯心を切るはさみをぶら下げるフックがついています。ろうそくにうっかり触って倒さないよう、倒れ止めもついています。
いつ頃のものでしょう?



埃まみれのろうそくは捨てて、こびりついていた蝋を取り、台座はミシン油をしみ込ませた布で拭いたので、ちょっときれいになりました。


もっともその後は、今まで通り、拾った石置き場にしてしまいました。


燭台はここが定位置、網戸は内側に開くので、そのつど、ちょっと邪魔にしています。