2018年9月28日金曜日

持て余している時代箪笥


織り機の部品を探していて、
「もしかしてあそこかな?」
と思ったのは、1970年代初頭に買った時代箪笥でした。
当時は、骨董市もなく、古い箪笥などあまり見かけませんでした。そんなおり、できて間もない渋谷駅前の西武デパートの骨董売り場で見つけて、勇んで買ったものの、買った当初から使い勝手の悪い箪笥でした。
重いものに耐えるほど、厚い木ではできていないのに、引き出しが深すぎて重くなり、開け閉めしにくいのです。その上、場所は取ります。
普段使わないものを入れたりしていましたが、ついつい、存在をおろそかにして、ここに来てからは、地下室に入れっぱなしでした。


開けてみると、一段目には織りもの関連のものが仕舞ってありました。
でも、主には糸、そして織り機が送られてきたときのノルウェーの包み紙。日本のハトロン紙より腰のある紙でけば立たず、杼に入れて使う緯糸(よこいと)の糸巻きをつくるために、取って置いたのです。
  

二段目の引き出しは空っぽ、最上段の小さな引き出しもからっぽでした。
扉の中の小さい引き出しは、一つは出てきましたが、もう一つは鍵がかかるようにできていて、鍵はかちゃっと回るのですが、どこで閉まってどこで開いているのか、どう回しても、引き出しはびくとも動きません。


下から二段目の大きい引き出しは、最初はダメでしたが、やっと少し引き出すことができて、中のものを取り出せました。
中には、古い毛糸や布、ジグソーパズルなどがあっただけでした。


一番上の引き出しは密閉できていたので、中のものはまったく湿気ていませんでしたが、この引き出しは閉まりきっていなかったので、中の布が濡れているかと思うくらい、湿気ていました。
ジグソーパズルの箱はかびだらけです。


それにしても、地下室の湿気がどんなに箪笥に塗ってある漆を傷めたかわかります。
上は、扉の中にあった引き出し、下はむき出しの引き出しです。


箪笥は、作業棟の軒下まで持ってきて、しばらく風に当てて乾燥させ、引き出しを取り出すことができたら、かんなをかけて開閉しやすいようにしようと思っていますが、夫は冷めた目で見ています。
「捨てちゃえば?」
確かに、昔から厄介者です。
でも、長く放っておいて言える筋合いでもありませんが、できたら活かしてやりたいものです。といっても、もう数日乾かしていますが、まだ引き出しが出てきません。上下より横がきついのです。


上の写真と比べると、1センチくらいは前進がありましたが。
そして、最下段の引き出しは、引っ張ったとき前板が外れて、壊れそうになったままです。背面の板を外して押し出したいところですが、金具があって端の板は外せないし、いったいこれからどうなるのでしょう?







2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

「春さん、確か西武デパートの骨董屋で椅子も買ってなかったけ?」といろいろ過去の記事を探していたら、西武で買ったのは袖なしの民族衣装で、スペインの椅子を買ったのは鈴屋という洋服屋さんでした。そしてスペインの椅子を買って配達してもらった話に大爆笑でした!面白すぎる~。鈴屋は有名なお店だったんですね。箪笥に関係なくてすみません。

さんのコメント...

hiyocoさん
記憶力すごい!
1970年代は、西武の骨董屋さんに行くのが楽しみ、そうそう中東あたりの袖なしの上着、「一生着るから」と買ったのに最近は全然来ていません(笑)。その昔はセットインスリーブと言って、袖周りがぴったりして腕もろくに動かせない服が当たり前だったけれど、今は窮屈で着られません。
服で言えば、80年代から、冬でも木綿とかが当たり前になって、すっかりぶかぶかの服ばかり、1990年代後半からウーマンリブで、「ブラジャーまだやってんの?」というのに飛びついてブラジャーもやめて、その後はずっとゆるゆる人生です(笑)。
渋谷も、のちにできた数寄屋橋の西武も、数年で骨董売り場はなくなりました。

鈴屋は60年代からで、既製服の走りかしら?椅子も買ったけれど、パンタロンとブラウスのセットの、短いブラウスでおへそを見せたりしていたなぁ(爆)
それまでシーチングは紳士服の芯地に使われていたくらい、鈴屋で初めて染めたシーチングの服を見ました。