昨日、妹と待ち合わせて、病院に母を見舞ってきました。
今年の春まで、母は妹の家族と一緒に自宅で暮らしていましたが、妹が体調を崩したことを契機に、褥瘡がひどくなっていた母は入院、今日に至っています。母は、足がすっかり悪くなっていて、瞬時も自力で立てない、足には痛いという感覚もないのですが、頭はしっかりしています。
母が昼食をとる様子を見ての帰り道、いつもの病院の近くのラーメン屋さんに行かないで、妹お勧めの、妹の家に近い、お洒落な中華料理屋さんに行きました。
そのお店は、今年最後の営業日とはいえ、平日なのに満員で、きれいに磨いたガラス越しに見える厨房の中では六人ものコックさんが忙しそうに料理をつくっていました。
案内された席に座り、日替わりランチを注文して、ふと見あげると、壁にくぼみをつくってこしらえた棚に、中国の人形が飾ってありました。
この手のリアルな人形を、私も持っていたことがありました。屋台を担いだおじさんや、まんじゅう売りのおじさんの人形で、三人とも夏の薄手の衣装をまとっていて、笑っている歯まで見えるリアルなものでした。
夫が中国に行ったとき買ってきてくれたものでしたが、リアルすぎて、ほかの人形たちとなかなか馴染まず、いつだったか、長野に自分の集めた人形を飾った「世界の人形博物館」を持っている、友人の母上に進呈してしまいました。
しかし、私が持っていた人形は、10センチに満たない小さなものでしたが、この店に飾ってある人形は高さが20センチを超える大きなものです。
説明書きがついていましたが、「中国・天津 名作泥人形」とあるだけ、郷土玩具というよりは、作家さんがつくったものかもしれません。
立って、上からのぞいてみたら、釜にはたくさんの栗が入っていました。
この袋に入っているものは、何でしょうか?
穀物のように見えるけれど、天津栗と関係あるものだとしたら、何でしょう。見当もつきません。
そして、栗を売っている女性です。手に持っている秤は、常に揺れています。
みんな、とってもいいお顔をしていました。
それぞれの席でお客さんたちが食事中なので、見るわけにはいきませんが、ほかの席にも人形が飾ってあり、通路にも飾ってありました。
帰りがけに通路脇の人形だけはちらっと見ましたが、作者が違うと思われる人形や、中国のよくある人形に雰囲気が似た人形もありました。
それにしても全部大きくて、なかなかの迫力でした。こんな貴重な人形を、ガラスケースにも入れないで無造作に飾ってあるなんて、太っ腹な店主です。
日替わり定食は850円、牛肉、ピーマン、青梗菜など炒めた甜麵醬の効いたメインディッシュとスープ、ご飯、ザーサイ、春巻きがついていて大満足でした。