2010年1月6日水曜日
結婚披露宴の椅子
カンボジアでは、結婚披露宴にたくさんの人を招待します。平均200人くらい、多い人は1,000人もの人を招待します。都会の、普通の家には200人も入れません。だから、祝宴は家の前の道にはみ出します。広い道だと片側の車線が通行止めとなりますが、狭い道なら、前面通行止めです。もちろん、誰も文句など言いません。
料理人たちが来て、庭の一角や道路の一角に、風呂釜ほどの大きさの鍋をいくつもしつらえ、お料理をつくります。だいたい、中華風のフルコースです。
食卓は組み立て式です。フレームを広げて×印にして、その上に丸い板を置き、濃い桃色のテーブルクロスを掛けると、お祝いの席の出来上がりです。一つのテーブルに椅子は10客と決まっています。だから、関係ない結婚式でも、道を通りながらテーブルの数を数えると、その規模がわかります。
客は、到着順に着席し、10人そろったら、そのテーブルにお料理が運ばれてきます。だから、友だちと誘い合わせて出席しないと、知らない人の中で、もくもくと食べなくてはならなくなります。
いまでは、椅子は、タイでも見かける、ヴェトナムでも見かける、プラスティックの型抜きの、背もたれのついたものです。しかし、一昔前は、アイアンでできた、ちょっと座面の高い椅子でした。
テーブルも椅子も、たくさんの数のものを、披露宴会場に運び、そして回収するものですから、折りたためたり、重ねられたりして、運び易くできています。
軽いプラスティック製の椅子が出回ってから、アイアンの椅子は忘れ去られたようです。わずかに、市場や路上で商人たちが、昔のものを使っています。また、農家の庭先で、打ち捨てられたまま、朽ち果てようとしているのもありました。
同僚のNに、村で、いらない椅子を譲ってくれる人をさがしてもらいました。あれこれさがしてくれたのですが、傷んだものが多いとかで、やっとさがしてくれた農家のものも、ほとんど傷んでいました。
よさそうなのを選んだ、それがこの2脚です。左の方は板が傷んで、最近取り替えました。
畳むと、このようにぺったんこになります。椅子の足には水色のペンキが塗ってありましたが、やすりで落としてしまいました。
もう1脚は自分で見つけました。たぶん、路上で使っていたものを譲ってもらったのだと記憶しています。これは、座面もアイアン仕上げです。
我が家では補助椅子としても活躍しますが、座面が高いので、踏み台にもってこい、はしごを出すほどでない高いところのものを取ったり、しまったりするのに、重宝しています。細いけど、乗ってもぐらぐらせず、安心感があります。
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