2011年6月19日日曜日
天秤棒
整理のつかない写真の中から、こんな写真が出てきました。
タイ東北部で田植えを手伝ったとき、竹の棒で苗を運んでいる、若(くもない)かりし頃の私の勇姿です。タイのタオルのパッカマーで、このあたりの女の子がするように、顔をすっぽり包んでいます。もうシミ・ソバカスだらけになっているので、包む必要もなかったのですが。
苗代で抜いたばかりの苗は水を含んで重いのですが、こうすると一度にたくさん運べます。
天秤棒など、棒を肩に担いで運ぶのは、東アジアから東南アジア大陸部にかけての固有の文化でしょうか?
アフリカだったらどうする?
アメリカだったらどうする?
平らなアフリカでも、高地のアメリカでも、たぶん頭に乗せたり、額や肩に紐を掛けて背中に背負ったりして運びます。肩への振り分け荷物はあったとしても、天秤棒はなかったのではないかと思います。
タイやカンボジアで見た天秤棒は竹製でした。日本のより肉厚の竹を使います。竹の天秤棒は木の天秤棒より軽く、よくしなります。
天秤棒がしなる分、水をいっぱいに汲んだバケツを、天秤棒の前後に下げて運ぶときなど、腰で うまく調子を取ってリズムよく歩かないと、水がこぼれてしまいます。
1980年代まで、村はずれの池から水を汲んでくるのは、たいてい子どもの仕事でした。彼らはこともなげに何往復もしますが、慣れない者が真似すると、たったの二往復くらいで、肩は赤く腫れ上がってしまい、次の日から使いものにならなくなってしまいます。
カンボジアの天秤棒は、端で厚みを変えていますが、タイのものはイカのような形に切り込みを入れていたでしょうか?記憶違いかもしれません。
『THAI FORMS』に載っている、タイの優美な天秤棒です。端は節を利用していますが、お寺の屋根のように、先端を反り返らせています。
我が家では、骨董市で買った、日本の天秤棒を、柿や大根を干すのに使っています。
天秤棒は、ひと昔前の農家には、肥料を運んだり、土を運んだりするのに、なくてはならないものでしたが、消えてしまいました。
タイでも、1990年代の後半には、多くのところでリヤカーにポリタンクを積んで水を運ぶようになっていました。
ウィキペディアで見ると、天秤棒は運搬に使うほかに、喧嘩のときには叩いたり、振り回すのに使われたと書いてありました。
知らなかったぁ!
写真は、見つけた蜂の巣を運ぶ、タイのおじさんです。
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