Kの家には、私たちの共通の友人、川崎毅さんの焼き物も、そこここに転がっています。
「これは胴にひびが入ってて、庭に転がしていたのをもらってきたんだ」
と、ほぼ実物大の黒い猫。
「それでさぁ。同じようなやつで、ライオンつくってって頼んだんだ」
それは大胆な!
「なんかすごく困っちゃったみたいで。ほら、このライオン、困った顔しているでしょう」
確かに。
「そしたら、猫とライオン見て、お袋がウサギが欲しいって言って」
「へぇぇ、こんなのつくっていたんだ。知らなかった」
これも、ほぼ実物大です。
「この埴輪みたいなのも、彼のだっけ?」
「そうだよ。新築したときにつくってもらったやつ。あのころ小さい窯しかなかったから、たいへんだったろうなぁ」
そう、思い出しました。新築当時はまだ、まわりが畑ばかりで、このオブジェたちが家の屋根に乗っているのが、見えました。40年ほど前です。
「地震や台風で転んだり、落ちて割れちゃったりしたんで、降ろしちゃった」
ここは、中央線の駅まで歩いて五分の場所、今ではすっかり家が建て込んでしまって、道からはKの家が見えません。
子どもたちが生まれたときの足型もあります。
「えっ、これも?」
「そうだよ」
川崎毅さんの
蓋ものでした。
Kの家にある川崎毅さんのつくったものは、我が家にあるものたちとは、ずいぶん違う表情を見せています。
この違いは、どこから来るのでしょう?
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