2025年11月9日日曜日

ピダンーカンボジアの絵絣


長い間寝室のサイドテーブルに置いてあった『とっておき インド花綴り』(西岡直樹著、木犀社、2020年)を本棚にしまおうと、丸椅子に乗って、デスク脇の本棚の最上段を眺めました。


西岡さんの本をまとめておくためには、どれかを動かさなくてはなりません。
と、この棚の左端に、背表紙が真っ白は本があるのに気づきました。
「何これ? えっ、もしや?」
と引っ張り出してみると、案の定、『ピダン・プレア その信仰と慣習』(シヨン・ソピアルット著、ピダン・プロジェクトチームおよびReyum発行、2008年)でした。


この本を、これまで十数年何度探したことか。絶対あるはずの本なのに、探しても、探しても見つからず、だんだん厚さも形もおぼろげになっていたのです。
ピダンとは天蓋の意味、カンボジアでお寺に飾られてきた絵絣のことです。
この本は、私の後任だったY.Yさんがピダン・プロジェクトチームの一員となっていて、本ができたときに送ってくれたものです。
添えられた手紙には、

お待たせしました。ピダン調査報告書です。国立博物館にピダン常設展実現を働きかけています。いつでもカンボジアの人も外国人も見られるよう、プノンペンに展示室があればと思う次第です。

と、いつものきれいな字で書かれていました。
『ピダン・プレア その信仰と慣習』は限定本で、販売されたものではなく、内容全部の無断使用禁止と保護がなされています。
したがって、本当は表紙の写真も紹介するのは違反ではないかと思うものの、カンボジアの絣が、世界的・歴史的に見て、いかに高度なものであり、生活に根づいていたかということを知ってもらいたいと思い、あえて紹介させてもらいました。
また、REYUMは、少なくとも2000年当時はカンボジア唯一の民営の小さなギャラリーで、2008年11月にはピダンの展示会も開催されました。







 

0 件のコメント: