壊れやすいスズメバチの巣をどこに置こうかと、展示室の棚を見ていたら、鉄のリベットの頭が一つ、転がっていました。
随分前から、片づけなくちゃ、片づけなくちゃと思っていたものです。
25年ほど前、欲しい形に鉄骨を加工してもらえるかどうかを訊きに町の鉄工所を訪ねたとき、小さな、同じ形の鉄のかたまりが、庭のそこここに落ちていました。
「これは何ですか?」
と鉄工所の方に訊くと、鉄骨で建物をつくるとき切り離したリベットの頭だと教えてくれました。鉄骨を組んだらリベットで留め、それを、水平垂直を見ながらゆるまないように再度固く締めて完成させますが、どのリベットを締め忘れたかは、見た目ではわかりません。締め方がゆるいままだと危険なので、そのうち、締めると頭が切り取られ、一目でわかるように改造されたのです。
その鉄工所の作業場は鉄骨づくりだったので、そこここにリベットの頭が落ちていたというわけでした。
私は、手当たり次第拾いました。
さて、棚に転がっていたリベットの頭を、他のリベットと一緒にしようと、見回したのですが、リベット容器は見えません。
「どこに置いたんだろう?」
ライトを持ってきて、しらみつぶしに探すことにしました。
すると、置き場所に困ったものを集めたような、統一性のまったくない棚に置いてあるのを見つけました。
リベットの頭の容器は、ココヤシを丸のまま使い、ラタンと合板で蓋をつけた容器で、転がらないように底にもラタンの紐を回してあるもの、フィリピンの北ルソンの修道院で買いました。
ずっしり重い容器を取り出して開けてみると、リベットの頭だけでなく、大きなワッシャーも入っていました。
中に一つ、滑り止めの溝が入ってないリベットの頭もありました。改良される前の、古いものかもしれません。
建設仕事が減ったためか、この鉄工所はずっと前に廃業、今跡地はアパートになっています。





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