2019年7月12日金曜日

何でも育つ


しばらく前から、寝室と風呂場から見える山桜に葛が登っているのが気になっていました。
これは、Hさんの土地に生えている山桜で、私たちがここに来た18年前には、山桜だけでなく、周りの木という木は、葛やフジに覆われつくされていました。
我が家の北と西にある3反ほどのHさんの土地は、一部を除いてはかなりの傾斜地ですが、戦中戦後は豊かな八郷も食糧難に直面していたのか、Hさんは大地主のMさんに土地を借りてサツマイモなどをつくっていました。
そして、戦後の農地解放でここはHさんの土地となり、しばらくは畑として使っていたものの、食糧事情がよくなり、機械も入らない土地は畑として利用価値がなくなりました。
その後、一部に松を植えて松林にしていましたが、松くい虫によって松は次々に枯れ、私たちが越してきたときにはまだ数本は残っていましたが、それもすべて枯れて、倒れてしまいました。今は一部が雑木の林、残りは篠竹に覆われていますが、その一部は私が篠竹を切り、開けた土地になっています。
せっせと切ったおかげで、我が家の周りの木にはほとんど、葛、フジなどの蔓が絡まっていません。ただ、西側にある木だけは、成長を妨げて視界を遮らないようにしようと、あえて蔓をそのままにしています。
蔓が登らないと、木は驚くほど大きく育つのです。

さて、毎朝目覚めたとき目にして、今日こそ何とかしようと思う山桜の葛ですが、台所に行ってコーヒーを飲むころにはすっかり忘れてしまいます。
一昨日、やっと思い立ち(思い出し)、草をかき分けて山桜の根元に行ってみました。
しばらく山桜の根元あたりの草刈りをしていなかったので、根元から葛が登ってしまったかと思っていたのですが、根元の周りは案外すっきりしていました。
となると、右手前に見えるベニカナメの垣根から登ったのです。

数年前に、八郷一帯でベニカナメの根腐れ病が流行りました。丹精した生け垣が、全部枯れてしまうのです。
いつかは我が家の東側に植えた、えいこさんの畑との境のベニカナメの生け垣も根腐れ病は免れないに違いありません。というわけで、何年にもわたって弱ったベニカナメを掘り返し、ドウダンに植え替えてきました。ただ、手が回り切らず、一番奥の方はその手前に物置きがあったこともあり、剪定もせず何年も放置してしまいました。
そのベニカナメはいまだに病気にもかからず、大きく育っていますが、葛、山ぶどう、カラスウリ、ヤマノイモなどがよじ登り、その周辺は長く手が入らない場所となっていました。


見ると、ベニカナメの足元に葛の幹がありました。
まったく見逃していました。ベニカナメを植えてから10年以上たったでしょうか、葛がぞっとするほど大きく育っていたのです。


手前に物置きがあったし、隣地の松が台風でここに倒れていたこともあったり、昨年まではなかなか手を入れられなかったのですが、それにしても葛の茎の太さに驚きます。これで草かと思える太さです。


切り離してから足元を見ると、葛の茎はとぐろを巻いていました。自分の重みでずり落ちたのでしょう。


葛の茎を切ってから一日経った昨日、山桜を見上げると、葛の葉がしなびて、白い葉裏を見せ始めていました。
やれやれです。


こちらは、やはりHさんの耕作放棄地に自生しているケヤキです。
このケヤキも含めて、イノシシ除けに、木から木へと、200メートルくらいか、ハウス紐をぐるっと巡らせたのは数年前のこと、ほんの一時期はイノシシの来襲が鈍ったのですが、その後は何度紐を張ってもずたずたに切られるので、張るのをあきらめています。
ハウス紐は草刈りの邪魔になるのでほとんど撤収しましたが、枝に引っかけて置けるところなどにはまだ残っていました。草を刈っているときに見つけ、今日こそ刈り終わったら片づけに来ようと思いながら、終わるとすぐ別の作業に移って、何年も放りっぱなしになっていたのです。
やっと回収しようとしたら、わぁ、太くなった幹と幹にはさまれて、ハウス紐は引っ張っても取れなくなっていました。このケヤキも覆っていた葛を取り除いていたらやたら大きく育っている木です。
なんでも、あっという間に育ちます。





8 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

姐さんある時期になると樹木は急に成長しますね、
我が家のキンモクセイも小さい挿し木を貰ったのですが4・50年で急速に大きくなり
隣に迷惑がかかるので切倒しました。
今義兄の庭にあるキンカンが急速に大きくなり実を採るには梯子が、、
 私が定点観測観測にしている大木も代が変われば落ち葉が大量に落下しても
知らん顔とかいろいろトラブルがでますね。

hiyoco さんのコメント...

クズの太さにびっくり!もうこれは木ですね(笑)。
クズで覆われると樹木の成長が抑制されるとは~。目の敵にするばかりじゃないんですね。

さんのコメント...

昭ちゃん
蔓が登ればその木は大きくなれません。蔓を切ってやると急に大きくなります。
このあたりの人は、我が家の周りの雑木を見て、「こんなに大きく育ったクヌギやコナラを見たことがなかった」と言います。彼らは、大木になる前に伐って、きのこ栽培の榾木にしたり、薪にしたり、ひこばえを伸ばしてまた切っての繰り返しだったようです。
また、里から山を見て、今では春には山桜が咲いているのが点々と見えますが、山桜が生えるということは手入れが行き届いていないこと、みんなから笑われ、バカにされることだったと言います。
愛情を持って山を管理していた人たち、管理ができなくても気に掛けていた人たちが高齢化してまったく手入れができなくなり、おかげで山桜も、フジも楽しめますが、昔の山を一目見てみたい気もします。
もっとも松の木や萱場ばかりでちっとも面白くないかもしれませんが(笑)。松林が枯れた後、雑木が勝手に生えたそうです。

さんのコメント...

hiyocoさん
そうそう、木が高くならないために葛やフジをちょっと利用させてもらっています。葛の花は遠くからは見えないけれど、フジはきれいで花も楽しめます。
それにしてもすごい太さでしょう!競争相手もいなくてぬくぬくと大きくなったのでしょうね。
家を建てるとき、基礎をつくるために掘り返したら、山のように葛の根が採れました。もちろんでんぷんを採ったりしないで燃やしてしまいましたが、この下にも山芋のような太い根がたくさんあるはずです。
この茎は、見た中でも特大の方でした。

昭ちゃん さんのコメント...

防風林のおちた葉の下には「松露」があるので友人と松葉箒で、
落ちた下枝や葉が燃料にする時代は終わりました。

さんのコメント...

昭ちゃん
昔は山の中が裸足で歩けたそうですよ。それほど地面がきれいだったって!落ち葉も枯れ枝も何もかも利用されたのですね。
今は安全靴をはいても、枝とか落ちていて転びそうになったりします。

昭ちゃん さんのコメント...

 また年寄りの昔話で、、、、
家内の両親が炭焼きだったのでその通りの山道で炭俵5俵を引いて下る山道は
石までつるつるです。スラがこするので、、、、燃料は全て拾います
 竈で弾ける音と煙が一日の始まりで私の嫁は娘なので寝てます。大笑い

さんのコメント...

昭ちゃん
炭俵はそう重くはないけれどかさばったでしょうね。
つるつる、わかります。古いお寺の石段なんて、何人歩けばこうなるのかと思うほど、石がすり減っていますものね。
昨日はある人から、ちまきは炭で蒸かした方がおいしくできると聞き、別の人から、ダッチオーブン料理は炭でないとできないと聞きました。
炭の方が美味しいという人、炭を使う人が増えているようです。