2016年11月30日水曜日

スウェーデンの籠編みの本


北欧、おもにスウェーデンの刺繍、織りもの、編みものなどの本を売っているお店で見つけた、籠編みの本です。
籠の本はなんでも興味津々、手芸同様、素人向けに解説した本なら面白そうと買ってみて気づいたのは、白樺の樹皮を使ったものと、柳の籠、しかも柳の籠は巻き編みの籠だけしか載っていないということでした。
もちろん、スウェーデンには、他の編み方の籠も、いろいろあります。

昨年の夏、デンマークの博物館で面白かったのは、農家で自分が使うためにつくった籠は、ほとんどが麦わらなどを使った巻き編みの籠だったということでした。
そのことに照らし合わせると、スウェーデンでも、巻き編みの籠がもっとも一般的なので、その延長として、趣味の籠編みとしては、巻き編みだけが頭に浮かんだのかもしれません。あるいは、この著者が巻き編みが、得意なのかもしれません。スウェーデン語が全くわからないので、推察するだけですが。
 

読めないとはいえ、写真がいっぱいで、とても楽しめます。
白樺の皮の表面をやすりでこすったり、薄く剥いだりしているところ。


均等に切る道具を使ったり、はさみでも切ったりしてリボンをつくり、薄く剝いで使います。


編む工程も詳しく説明されています。


籠の本ですが、白樺の箱のつくり方も載っています。


あの、互い違いに組んだような接合部分は、端を複雑な形に切ってはめ込み、引っ張っても抜けないようにできていたのです。
木が材料では、いくら薄くしてもこうはいきませんが、しなる白樺ならではの始末のつけ方です。


柳の、巻き編みの籠は、ひごのつくり方から、丁寧に解説してあります。



柳の枝は、ひこばえだと言っても、芽もあれば曲がってもいるだろうと想像していましたが、芽を取ったり、割ったり、


そしてつぶしたりと、とても丁寧な下準備をしているのがわかります。
 

巻き編みの道具ですが、材料つくりに力を入れているのが、道具を見てもわかります。


編み方の説明も丁寧です。


きっちり目を詰めて編む編み方や、


透かし編み、装飾的な編み方など、様々な編み方が載っています。


こんな写真を見ると、確かに柳は可塑性に富んだ材料の一つであることを、 実感してしまいます。


その土地にある材料を活かす生活が、かつては地球上のどこでも見られたに違いありません。


我が家にある、スウェーデンの白樺の籠や箱、巻き編みの籠です。
奥の箱は、もしかしたらフィンランドのものだったかもしれません。






2016年11月29日火曜日

ワガハイ


なんと、稚拙な招き猫でしょう!
二十年くらい前に、私が描いた招き猫です。
1996年から『朝日新聞』に連載されていた、砂川しげひさの『Mr.ボォ』に出場する、ワガハイとのらノ助です。


白無地の招き猫を買ったのはその数年前ですが、当時は忙しくて描く暇がありませんでした。と言っても、その気になればいつでも描けたはずです。
白いままでは、いかにも邪魔になります。というわけで、やっつけ仕事をしたのが、この二つです。

3.11のときは、震度6弱で、招き猫はたくさん割れました。それなのに割れなかったのは、みっともないのであまり目立たない奥の方に置いていたからでした。







2016年11月28日月曜日

炭入れの籠


落ち葉を掻き集めて、燃やすために焚火場に持って行ったら、何か見覚えのあるような、まったくないような籠が、焚火場に転がっていました。
「何だったかなぁ」
古い記憶をたどると、そうそう、祖父母の家にあった、炭入れの籠でした。
しかし、どうして焚火場に、こつ然と現れたのでしょう?

どこから出てくるかといっても、我が家がブラックホールに満ち満ちているというわけでもありません。ビニールハウスの仮設木工室あたりで、最後の片づけをしていた夫に訊いてみました。
「この籠どうしたの?」
「いやぁ、わかんねぇなぁ。ああ、そうだ、箱の中にあったんだよ」

そうか、フライパンも出てきたあの、ビニールハウスとビニールハウスの隙間に置いていて、長い間開けることのできなかった箱の中にあったのです。
それにしても、この炭入れとは、我が家で逢った記憶がありません。子どものとき以来、数十年ぶりに出逢った感じがします。
たぶん、母が身辺整理をしたとき、何かと一緒にたくさん持ってきて、私の目に留まることなく、そのまま箱に入っていたのでしょう。


炭入れは、昔はどこの家にもありました。
炭俵は納屋に置いてあり、当座使う炭だけを入れて、火鉢の横などに置いておく籠です。今ではすっかり無用のものとなりました。
それにしても、縁が丁寧につくられています。


中に入れた木の箱の縁に籠の縁がかぶさっていますから、仕上げは木の箱を入れてから編んだものでしょうか?


底は、側面へと上っていく、経になる竹ひごを均等に配して、それに太いひごを通して強度を出しています。


ひとしきり懐かしみましたが、壊れているし、取っておくほどのものでもありません。
というわけで、元通りに焚火場に移しました。










2016年11月27日日曜日

生命の木


『CERAMIC TREE OF LIFE』(Lenora Hoag Mulryan著、UCLA FOELER MUSEUM OF CULCTURAL HISTORY発行)という、メキシコの民藝である、トルカ地方のメテペックでつくられる、「生命の木」ばかり掲載した本があります。


十九世紀の中期以降、メテペックの陶工たちは、スペイン式の建物のファサードや手すりのための、装飾用の動物たちを、光沢のある土器でつくっていて、それが都市で人気を博するようになりました。はっきりしませんが、そのころから、生命の木がつくられるようになったのではないかと考えられています。


日本の、中南米の民芸店に、大きな大きな、一メートルもあるような生命の木を、お店のシンボルのように置いてあったのは、1980年代だったでしょうか?
近頃では、職人さんもいなくなって、すっかりつくられなくなってしまったとも聞きます。


この本に載っているのは、博物館の収蔵品なので、当たり前と言えば当たり前ですが、どれも息をのむような美しさです。 


土をひねりながらつくった生命の木、とても繊細で、バランスが取れています。
 

我が家にも、ほんの少しだけ、メキシコの生命の木があります。
アメリカの小さくて古い町の、おしゃれな店に並んでいた、ろうそく立てです。


1ドルが360円の頃に7ドルでしたから、当時、日本円にすれば2500円くらいでした。
今では、ときおりネットショップで、1970年代(これは60年代)の生命の木を見かけることがありますが、たぶん、10倍くらいの値段です。


これは、80年代のものだと思います。
つくり方も雑、色の塗り方も雑、そう気に入っていませんが、アダムとイブは、生命の木の典型的なテーマの一つです。


ちいさい生命の木たちは、世界中の「かわいい」の価値観が同じになってしまった、2000年以降のものでしょう。


とってもよくできていますが、抑えた色、丸っこさ、かわいらしさ、すっかり無国籍になってしまっています。


メキシコの生命の木を真似て、ペルーでつくられたのではないかと疑ってしまうようなできあがりです。
もしかしたら、インドネシアでアフリカの工芸品をつくっているように、ペルーでつくったものかもしれません。

1967年のメテペックの作家さんと生命の木







2016年11月26日土曜日

サンタクロース招き猫


クリスマスの季節になったので、サンタクロース姿の招き猫を引っ張り出してきました。
毎年、クリスマスの飾りつけに参加させるのを、うっかり忘れてしまっていた猫でした。
この招き猫は、20年ほど前に、中野にあった招き猫屋さんで出逢ったものです。


フードの周りや、前垂れ、袖口、そして足元にも、毛皮というよりレース編みのような飾り布が描かれています。
そして足には長靴を履き、手には革手袋をはめています


丁寧に手書きされているのに、生地は型抜きしたものではなく、流し込みでつくってあります。
使われている絵の具からしても、なんとなく、市販の立体塗り絵用の招き猫に、誰かが絵付けしたという感じを、ぷんぷん匂わせています。


3.11の地震にも壊れず、元気にしていますが、これと出逢ったお店は、とっくになくなってしまったと、風の便りに聞きました。







2016年11月25日金曜日

残雪


朝起きてみたら、屋根に積もった昨日の雪が、固まったまま、下へと20センチばかりずり落ちていました。


「ああぁ、早朝に行くなんて約束しなければよかったな」
と、恐る恐る家を出たのになんてこと、車で3分も走ったら、道が乾いていて、田んぼにもどこにも、雪がほとんど残っていません。


屋根に雪がわずかに残っている家もあるけれど、全然雪が残っていない屋根がたくさんあります。


帰り道、気をつけてみたら、田んぼにも屋根にも雪が残っているのは、我が家のあたりだけ、地形と
降り方によって、こんなに差が出るものとは思ってもみませんでした。





2016年11月24日木曜日


雪が降っています。
ここ、八郷に来て、11月に雪が降るのは、初めてです。年内に降ることさえめったになく、冬を通して降らない年もありました。
 

朝起きたときは積もっていませんでしたが、絶えまなく降っているので、ずいぶん積もってきました。
 

我が家はOMソーラーで暖房しています。そのため、お天気さえよければ屋根の上のガラス箱で温めた空気を床下にためてゆっくり放熱するので、外が寒くても部屋の中は温かですが、雨の日や、雪の日は蓄熱できません。
だんだん、室温が下がるだろうと、この冬初めてのストーブを焚いています。









2016年11月23日水曜日

降誕人形の失敗

ヤフーオークションでは、写真だけで判断しますが、届いてみたら想像したものとまるっきり違っていたということは、まずありません。
それでも、ときにサイズで失敗することがあります。


この降誕人形、500円ではじまっていたので、2000円までならと入札しておいて、朝起きてみたら、落札できていたものです。
送料のやり取りで、80サイズの料金と知らされました。
「あれっ、小さいものなのになぜ?」
とちょっと不思議に思いましたが、丁寧に梱包する人だろうくらいに思って、人形は小さいと疑いもしませんでした。
ところが、受け取ってみたら、ずっしり重いのです。


開けてみると、
「あちゃぁ」
聖母マリアは、光輪を含めて15センチ以上ありました。
降誕人形なので、せいぜい、4、5センチのものだと思い込み、サイズは確認しなかったのです。


ちょっと漫画っぽい顔をしているけれど、服などはとてもきれいに描かれています。
スペインの可能性もありますが、たぶん、メキシコのものだと思われます。


しかし、大きすぎます。
というわけで、記念写真を撮ったことだし、次回の骨董市でまことさんにもらってもらうつもりです。
クリスマスには、十分間に合いそうです。