以下、映画.comのニュース記事です。
アカデミー賞受賞作「ノー・アザー・ランド」パレスチナ人監督が襲撃される
アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞の栄誉に輝いた「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」で共同監督を務めたパレスチナ人のハムダン・バラル氏が、西岸地区の自宅でイスラエル人入植者から暴行を受け、イスラエル軍に連行される事態が発生した。CNNの報道によれば、映画で描かれた紛争の現実が、受賞からわずか数週間後に監督自身の身に降りかかる形となった。
同作品の共同監督であるバセル・アドラ氏は、バラル氏から西岸地区スーサ村の自宅から緊急の電話を受け、現場に駆けつけたという。到着した際、バラル氏が少なくとも1人の住民とともにイスラエル軍に連行される場面に遭遇したという。
イスラエル人の共同監督ユバル・アブラハム氏は、バラル氏が頭部と腹部に怪我を負ったと述べ、その後連絡が取れなくなったと話している。アブラハム氏自身は事件現場に居合わせていなかった。
現場に居合わせた「ユダヤ非暴力センター(CJNV)」に所属するアメリカ人活動家5人も、イスラエル人入植者から暴行を受けたと話している。彼らの証言によれば、十数人の入植者が棍棒やナイフ、少なくとも1丁の突撃銃を携えて村を襲撃したという。この衝突は、パレスチナ人の家の近くで羊を放牧していたイスラエル人入植者をめぐる争いが発端となったとされる。
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」は、バラル氏、アドラ氏、アブラハム氏、そしてイスラエル人のレイチェル・ゾア氏の4人が監督を務めた作品で、西岸地区ヘブロン山地のマサフェル・ヤッタと呼ばれるパレスチナ人集落群に対するイスラエル当局の活動を記録している。
映画は子どもたちの遊び場が取り壊される様子や、アドラ氏の兄弟がイスラエル兵によって命を奪われる悲劇、コミュニティが生存のために奮闘する中でのユダヤ人入植者による攻撃などの厳しい現実を映し出している。
同時に、パレスチナ人のアドラ氏とイスラエル人のアブラハム氏の間に育まれた人間的な絆も描かれ、全く異なる環境で生きるふたりが哲学的・政治的に連帯する姿も捉えている点で大きな意義を持つ作品となっている。
今年3月、バラル氏、アドラ氏、アブラハム氏は共に壇上に立ち、長編ドキュメンタリー部門のアカデミー賞を受賞した。パレスチナ人とイスラエル人の共同制作チームによるこの映画は、国際的な注目を集めた。
平和団体「ピース・ナウ」と「ケレム・ナヴォット」の合同報告書によれば、イスラエル人入植者が設立した牧畜拠点の数は紛争勃発以降、約50%も増加しているという。映画が描く問題が、今なお深刻化している現状が浮き彫りとなっている。
本作は第74回ベルリン国際映画祭でドキュメンタリー賞と観客賞をダブル受賞するなど、国際的な映画祭で高く評価されてきた。日本では2月21日にトランスフォーマー配給で劇場公開されている。 CNNはイスラエル軍と警察にコメントを求めたが、現時点で返答は得られていないという。今後の展開から目が離せない。
2 件のコメント:
こんにちは。
イスラエルは国連の決議にも従わないし、イスラエル人が国内法を無視して不法占拠したパレスチナの土地を合法的な植民地とする法案がイスラエル国会で可決した時も日本政府は一応まわりくどい言い回しで抗議しているようですが、全く効果はなかったですね。
ただ、国会議員の中には法案に反対した人もいるので、政権がかわってもう少しましになってくれたらと思うのですが。
かねぽんさん
地位にしがみつく気持ちとはどんなものなのでしょうね。ネタニヤフも首相の座を降りればジェノサイドの首謀者として逮捕されるので首相の座にしがみつかなくてはならないし、リクード1党では過半数にならないので予算案が通せない、それで極右の支持を得るためにガザを無駄に攻撃したとか、悲しいというかやりきれない気持ちです。ガザだけではなく、ヨルダン川西岸でもひどいことが行われています。
ハムダン・バラルさんも覚悟の上だったとは思いますが、あまりにも露骨です。今、私の周りが爆撃や襲撃にさらされていたらどんな気持ちか、今日まで生き延びたのに死に追いやられたらどんな気持ちか、ガザや西岸で出会った礼儀正しい、優しい、何の落ち度もないあの人この人に思いを馳せずにはいられません。
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