私はプレゼント下手、いったい何が喜ばれるのかと、途方に暮れてしまうことが多いのですが、自分へのプレゼントなら迷いません。当たり前ですが欲しいものがはっきりしています。
そして、ずうずうしくも毎年のように、自分の誕生日に、自分にプレゼントして喜んでいます。
今年の誕生日プレゼントは、トルコのスカーフでした。
トルコ西部にあるイズミール県北部の、ベルガマのコザック平野で、1950~60年代につくられたスカーフです。
スカーフ本体は、トルコ国内で手織りされた、約80センチ角の木綿のガーゼでできています。
それに木版で草花を捺染し、四周には「オヤ」と呼ばれるシルクの縁飾りをほどこしてあります。
ガーゼなので、手で押された木版は、裏にも表同様くっきりと模様を出しています。
コザック地方には、1970年ころまで電気が通っていませんでした。
そのため、伝統的な生活は長く続いていて、娘たちは誰でもオヤを編みました。
漫画、『乙嫁語り』では中央アジアの少女が、『アンの幸福』ではカナダの少女が、
「結婚が決まらないと、編みものや刺繍に力が入らないわ」
などと言いながら、手仕事に集中するきっかけを待っていますが、トルコでも、かつては結婚するときの持参品として、あるいは結婚後も自分や娘たちのために、オヤ飾りのあるスカーフをつくりました。
オヤは、手で撚った絹糸を使って縫い針で編みました。これをイイネオヤと呼びます。
縫い針でなく、地域によってはかぎ針で編むオヤもあるようです。
女性たちは、どれだけ細かく編めるかと、美しいオヤづくりを目指したことでしょう。花の直径は25ミリです。
絹糸もトルコで生産されたものを使っています。
もう1枚、オヤのスカーフを持っています。
この一枚がとっても好きだから、もう一枚欲しくなったのですが、色も、花を丸く表しているところも、色遣いも、正直、こちらのスカーフの方が気に入っています。
花の直径は20ミリです。
一人で刺したというより、みんなで集まってわいわい刺したのでしょうか?
コザック平野では、ごく最近まで一般家庭で、伝統的なトルコ絨毯(キリム)も織られていました。
イラン人の友人のモジュガンさんは、イラン国内では1960年代以降、ペルシャ絨毯を除いて、イランの伝統的な織りや染めはほぼ消えてしまったと言っていましたが、トルコでは、どうでしょう?
急速なグローバル化で、生活が変わっているとは思われます。
16 件のコメント:
春さんのスカーフのような縁の花レース、立体的で蕊までついているのってなかなか見かけないです。いいなあ〜。素敵素敵!どこで売っているんでしょう。ガーゼなら季節問わず使えますよね。私も来月誕生月なので買ってしまおうかなあ。笑
最初の段落に大爆笑!私はなんでもテキトー路線なので、好き嫌いがはっきりしている春さんが羨ましいです。そういえば、コメントするようになる前「白黒はっきりしてる人だな~」と思いながら春さんのブログを読んでいたのを思い出しました(笑)。
レース細かいですね!以前自分でショールに縁飾りでもしてみようかと思った時に(実行せず)オヤを知りました。
別件ですが、春さんが撮った茅葺屋根の写真(屋根部分のみ)を私のブログで使わせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?
hattoさん
トルコ在住の方のお店です(http://c-bow.ocnk.net/product-list/36)。
ときおり帰国して、あちこちで講習会も開いていらっしゃるようです。とても細かい手仕事、自分でつくり始めたら、絶対に一辺すら完成しない、わかっているので、とても手を出す気にはなれませんが(笑)。
hiyocoさん
確かに、白黒はっきりしすぎですね(笑)。反省します。
オヤはずっと昔から気になっていて、でも高いので見るだけでしたが、今回、何と20%引きで、しかも私の誕生日。これは天の声と、勝手に解釈して手に入れてしまいました(笑)。
写真はどれでも、全部勝手にお使いください。使わないでと言っている人の気が知れません。ネットに載ったら、もう写真も情報もみんなのものです(^^♪
なんて、素敵なオヤ!!!
自分も作ってみたいです!
憧れる〜!
akemifujimaさん
ええぇっ、つくってみたいですか!
私は、20代くらいまでだったらチャレンジしたかもしれませんが、今では自分のことがよくわかっている、絶対最後まで行かないので、手を出しません(笑)。
でも、素敵ですよね。縫い針で編むそうですから、今ではオヤ専用の糸もあるようですが、撚りの掛け方など、どうやったら美しくできるか、手に経験を蓄積しながらつくったんだと思います。
オヤというものの存在を知ったとき、とても綺麗だと思い、それの手芸本を買ったり(確かかぎ針で編む方)しましたが、到底無理だと判明。教える教室もありましたが、機会があれば本物を買おうと(笑)思っていました。レース編みより細かい。縫い針で編むなんて!
しかし、それが嫁入りの為の制作となると、もっとしんどいですね。確か日本の刺し子にもそんな感じのことが書いてあって、自分はその時代のその地方に女で生まれてなくてよかったと思ったことがありました。
karatさん
そうですね。私もしんどいと思います。
でも、彼女たちを突き動かしていたのは、誰にもできないようなきれいなものをつくるという気持ち、いいとされているものを上回る自信作ができたときは、控え目か大胆かは性格によると思いますが、きっと、ちらちら見せて、みんなに自慢したと思います。
そうこうしているうちに腕が上がり、今度は自分自身との戦いになったかもしれません。そう考えると、制約のある社会も面白いです(^^♪
今は私たち自由に生きていると自分では思っているのですが、毛が濃いのはという風潮があって男性でも体毛を抜いたり、女性はまつげを長くしようとしたり、老いに逆らって若く見せようとしたり、けっこう努力を強いられている人もいるんじゃないですか。
あっ、関係ないか(笑)。
つい、オヤの本を買ってしまいました・・・。
オヤは小さいモチーフでイヤリングとかもできるみたいです。
とはいえ、眺めたら、即、積ん読コーナー行きとなります。
『いつかやる』コーナーが高くなってきました。(笑)
akemifujimaさん
わぁ、こうなると、講習を受けた方が手っといばやそうですね(笑)。
できたら、見せてくださいね(^^♪
私は、新しい手仕事は諦めます。以前、フィンランドの飾り、ヒンメリをつくろうと、本と麦わらを別々に買ったのに、本が見つかったら麦わらが出てこなくて、麦わらがあるときは本が見つからず、結局どちらも行方不明になってしまいました。
オヤに比べればずっと簡単そうなもので、このざまです(笑)。
講習、時間がとれるようになったら是非やってみたいです。オヤも色んなオヤがあるんですね。目が辛いですが、こないだ90歳でパッチークされてて、針糸がスイスイ入る方を見ました。
ヒンメリですか。本と麦わら、捨ててはいないでしょうから、何処かで発掘されるのをそれぞれに首を長〜くして待ってるでしょうねー。
akemifujimaさん
そうそう、最近も鎌倉でお会いした87歳のアメリーさん、針を持つと、疲れもとれて身体がほぐれていくとおっしゃっていました。全然苦になさらない方がいらっしゃるのですね。
パッチワークも刺繍もすごかったし、ミシンの技もすごかったです。
オヤの本が届きました。歴史も紹介されてました。まぁなんとなんと!凄いオヤの数々!
オヤのモチーフは花が多いのですが、唐辛子なんてのもあって、そのようなスカーフをした時は怒っている意思表示だとも。トルコの女性の言葉の役割もあったそうです。
宮殿ではみんなでワイワイお喋りしながらとか、バザールで店番をしながらとか、ありました。基本的には編み物に通じる愉しさがある感じでした。でも、春さんが手を出してないということは、そんな甘いもんじゃないんだろうなぁと想像してます。
オヤは縁の意味があるそうですけど、縁に拘るような手間隙かけた仕事に魅力を感じます。
やっぱり、一度はチャレンジしてみたいと思いました。笑
akemifujimaさん
今度、いつでもいいので本を見せてくださいね。
人はどうして飾るのか?永遠の問いですね(笑)。
本、了解です♪
花の図鑑のように可愛いんですよ!
なぜ飾るのか?飾るといっても自身の見た目を飾るのだったり、空間を飾るのだっり、いろいろで、楽しいです。楽しければいいと思います!
akemifujimaさん
楽しみにしています(^^♪
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