アフガニスタンには、パシュトゥン人のほか、タジク人、ハザラ人、ウズベク人などが住んでいます。
これは、アフガニスタンに住むウズベク人のクルタです。クルタとは南アジアの多くの地域で着用されている襟なしの、丈が長めのシャツのことです。
絹の絣織り(アトラス、経絣(たてがすり))で、日本の着物地とほぼ同じ細幅の布を織り、つないで仕立てます。
何世紀も、同じ模様で同じ形でつくられ続けてきました。
脇の下の、着物のみやつくちにあたるところには、バイヤスに切った絹のプリント布を当ててあり、腕を動かしやすく、かつクルタに無理な力がかからないようにしてあります。
細幅の布をつなぎ合わせるところなど、手で細かく丁寧に縫ってあります。
それなのに、襟ぐりと裾という目立つところは、アトラスのチャパン同様、ミシンで縫ってあります。
まだ、ミシンという新しい機械で縫っていることを誇ることができた時代、20世紀の初めごろのものだと思われます。
ロシア製の木綿プリント布を裏に当てた襟ぐりは、ミシンの糸調節ができてなくて、下糸がつれているので醜く縮んでいます。しかし、クルタを仕立てる女性としては面倒な手刺繍から解放され、しかも最新流行を取り入れていることを誇示することもできるのだから、何の文句もなかったことでしょう。
ちなみに、ウズベキスタンではアトラスのクルタは着られていないし、アフガニスタンに住むウズベク人の間でももう着られていません。
0 件のコメント:
コメントを投稿