2019年2月8日金曜日

びっくりした!

一昨日、夫とM+MのMちゃんと一緒に、東京郊外の、ソーラーシステム「そよ風」をつくっている環境創機という会社にお話を聞きに行きました。

我が家はOMソーラーという屋根で温めた空気を床下に送って、床下のコンクリート蓄熱版に蓄えて冬場に暖房するシステムを使っています。
送風機のほかにはエネルギーを使わない、ローテクのOMソーラーには、部屋によって温度差がない、晴れてさえいれば冬でも暖房しなくても暖かい、夏場は太陽熱は給湯器に送って貯湯できる、手間がいらないなどなど、とても満足していますが、そのOMソーラーは、特許が切れた数年前から、OMソーラーと環境創機という二つの会社に別れて、それぞれが独自の方向を目指してきました。
簡単に言えば、OMソーラーの方はよりハイテクを目指して、環境創機のつくる「そよ風」の方は初心を忘れずよりシンプルにという方向に行っています。そのため、二つの差は、年々開いているところです。


OMソーラーとそよ風の違いを、じつはほとんど理解していなかったので、この日お話を聞いて、とてもよく理解できました。
夫は、今設計しているM+M夫妻の家に、そよ風を使うことを決めました。

そよ風システムの模型

ところで、環境創機訪問の前に、OMソーラーとそよ風の違いを、できるだけたくさんの方からお訊きしたいと、連絡を取った方たちの中に、OMソーラーの初期の段階からかかわってきた、A.Tさんがいました。
そのA.Tさんはそよ風を薦めてくれ、お話が終わるころ、環境創機に駆けつけてもきてくれて、その日は一緒に飲もうという話がまとまっていました。
A.Tさんは、私の大学の同学年生で、毎週一緒に体育の授業を受けていた仲です。
つまり、お互いにうら若きころからの知り合いでしたが、卒業後は長くお会いすることもありませんでした。しかしSNS時代のこと、Facebookでは消息を知り合い、6年ほど前には、彼が主催する建築塾の人たちとともに我が家に来てくださったことがあり、半世紀近くぶりに一度お会いしていました。
ところがこの日、入ってくるなり、
「いやぁ、二人とも年取ったねぇ」
とA.Tさんが言いました。
数年前にあったとき、お互いに様変わりしていたのは確認済みのはずなのに、それはないでしょう。私だってその時は、口には出しませんでしたが、はにかみ屋の少年が、恰幅のいい、がははのおじさんになってしまって、昔の面影は全くないなぁと思ったものでした。
ちなみに、夫とA.Tさんは学部が同じの先輩後輩、夫の卒業制作は、彼に手伝ってもらったという仲です。


で、私たちは6人でその日、食べ物屋横丁の洋食屋さんで、気勢を上げました。
たくさん飲み、食い、楽しい時間を過ごしたのですがなんてこと、途中で彼はセーターをまくり上げ、シャツの上からお腹にぶすっと注射針を打ちました。
彼のFacebookかブログで、インシュリンはお腹に打つというのを読んだことがあったのですが、さすがに目の前で見て、びっくりしました。




16 件のコメント:

karat さんのコメント...

基本的な質問ですが、このシステムは、建ってしまった家には使えませんよね?
うちも三階は晴れていれば冬でも暖かいですが、1階はひんやり冷え込んでいます。3階の太陽熱がもったいない…です。

af さんのコメント...

興味深く読みました。私ももう一度家を建てる機会があれば…。現在は太陽熱を羽毛布団に集熱しているのみです笑
ハイテクを否定する気は無いのですが、設備はシンプルな系で閉じていた方がいいのかなぁと思ってます。
M&M邸、楽しみです!

さんのコメント...

karatさん
そうなんです。このシステムを実用化した奥村昭雄さんは、家を新築せず元から住んでいた家に住み続けられましたが、家の床下に断熱シートを置いて、その上に石ころなどを置いて蓄熱するようにされていたと聞きましたが、効果が限定的だと思います。床下がどうなっているかわからないということもありますね。
でもそんなに3階が暖かい(夏は暑いのかな?)なら、空気を循環させる方法を環境創機に訊いてみるとよいかもしれませんね。小さなファンですが、一方向にしか行かないようによくできていました。利用する方法があるかもしれません。
ただ、家の最上階の温度が高いのは屋根の下に十分な断熱材が入っていないということでしょうか?我が家は壁と屋根の下に同じ厚みの断熱材を入れていますが、最近では屋根の下の断熱材は壁の断熱材の2倍の厚さの方が効果的と言われているそうです。
ちなみにこの太陽光で暖房するシステムは、吉村順三さんが「太陽熱を利用できるといいね」と言っていたのを、奥村さんがOMソーラーとして実用化し、そのとき機械は環境創機の現社長のお父上が作られたそうです。

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Akemi Fujimaさん
しかし、どう考えてもいいネーミングではないですね。
OMソーラーでさえ、発電用ソーラーパネルとの違いが伝わってこなかったし、ましてや「そよ風」とか言われても、何にも想像できません(笑)。
だいたい、太陽熱を取り入れるパネルからして、「どう呼べばいいんだ」と迷ってしまいます。
いっそ、ネームバリューを利用して、「吉村順三の太陽」と名づけパネルは「あったかくん」とか、どうでしょう?(笑)。すると我が夫のように「吉村順三は嫌いだ」と反発する輩が出るかもしれませんね(爆笑)。

karat さんのコメント...

そうです、三階は夏はめちゃくちゃ暑いです!暑くて息ができないくらい(笑)。
うちはへーベルハウスで、言われるがままでしたが、あちら外壁の断熱の自慢をしてましたが、屋根はどうなんでしょうか?今度住宅展示場でまず聞いてこようかな?と思います。まあ「屋根の断熱もばっちりですよ!」とか言うでしょうね(笑)。
私が小学生の頃、家の屋根に、黒く塗ったボンベを並べたような装置があり、そこに水を入れて、夏にはそこから熱湯のような水が出てきたのを覚えています。あのような単純な装置でもいいのですが、今見掛けませんね。

さんのコメント...

karatさん
できるなら、一番屋根に近いところに小さくていいから窓をつくることができれば、熱を逃がせます。
熱い空気は上に上がるので、それを逃がせば、下から涼しい空気が自然に入ってきて、対流を促します。我が家も、一番高いあたりに小窓をいくつかとってあって夏の間は開けっ放し、そこから熱い空気が逃げていくので、夏場も二階が熱くなりません。
お風呂用の温水器を今でもつけている方がいらっしゃいますが、少なくなりましたね。

karat さんのコメント...

なるほど…ありがとうございます。よく考えたら、2階はエアコンかけっぱなしで、三階に通じるドアも一階からくるドアも閉じてあるので対流はおきませんね…(なんしろ狭いので)。でもこの夏対流が起きるようにやってみます(^^)。

さんのコメント...

karatさん
この原理だと、空気が熱ければ熱いほど上へと逃げるので、涼しい空気が下(掃き出し窓など)から入ってくるということになります。
もっとも、東京はヒートアイランド現象になるので、なかなか難しいとは思いますが、夜など有効かもしれませんね。

af さんのコメント...

ネーミング…確かに!
OMって、面白いもったいないの略してと聞いてとき、冗談かなって思いました。
そよ風の環境創機の床屋さんって聞きました?これもビックリでした。
吉村順三を嫌いって公式に発言されるのは駿介先生ぐらいでは?それに性能に納得できれば駿介先生も文句言いながらも採用すると思われます。
今日、潜熱蓄熱材を住宅建材として広めようとする会に行ってきました。で、経産省役人も来てたんですが、高度なサッシ、複層ガラス、断熱パネルや潜熱蓄熱材を使うと二分の一、最大200万の補助金が貰える制度がでにるとのことで、お得そうでした。
機械より建物そのもので工夫できる家づくりが進むといいなと思いました。

hiyoco さんのコメント...

そよ風の図を見て、上手く軒下から空気が取り込まれるのかな?屋根の一番高いところに暖かい空気が溜まってしまうのでは?と思いましたが、ダクトのファンが決め手なのですね。昔、夫の上司の新築の家に遊びに行った時、床にこの図のような暖かい空気の吹き出し口があったことを思い出しました。もしかしたらそよ風だったのかしら?建築家と相談しながら建てたこだわりの家でした。
屋根の近くに窓を作るのは蟻塚と同じシステムですね!この記事や奥村さんのインタビューを読んでいると(1個だけ読みました)「空気の流れ」がキーワードで、それは海と陸の間に起こる対流に通じるように思えました。海の近くに住んでみると、見事に昼と夜で風向きが変わるを実感します。

さんのコメント...

Akemi Fujimaさん
太陽光パネルも、環境にやさしいということより、産業の一端として儲かる儲からないに重点が置かれるので、設置場所が環境破壊でも知らんぷりなように、「本当に良いものはなにか?」という発想が、いつも欠如していると思われます。
これではやがては季節を無視した平準化された環境に住むことになる、自然への関心も完成も失われたところで、ヒトは精神的に壊れていかないのですかね?いわゆるライフラインとやらが機能しなくなったら、即パニックです。
ネーミングは、「順ちゃんの太陽」はどうでしょう!なんて、私が考えてどうするんだって話です(笑)。

さんのコメント...

hiyocoさん
そよ風ができたのは10年位前なので、それ以前だと、訪問された家はOMソーラーだったと思われます。
びっくりするほどは普及していませんが、ちょこちょこあります。
送風ファンは改良されて、ずっと小さくなっていました。原理もシンプルで、「なるほど」と、メカには弱い私でも理解できました。

そうそう、高いところで熱い空気を逃がすのは、まったく蟻塚と同じです。我が家は建設中は仮設のビニールハウスに6年も住んだのですが。韓国自然農業の鶏小屋に倣って、最上部と最下部に巻き上げ式の横に長い開口部をつくりました。これがなかったら、6年も暮らせなかったです。趙漢珪さんのお話では、小屋の中が熱くなればなるほど空気が逃げるから対流が起こるというものでした。もっとも、私たちは鶏より背が高いので、夏は顔のあたりが熱かったですが(笑)。
東京があれほど熱くなったのは、海際に衝立のように高いビルを建てたので、海風が内陸までいかないで押し返されるからだと言われています。自然をうまく使ってきた知恵がなくなり、科学技術だけで上塗りするのは、怖い気がします。

af さんのコメント...

本当に良いもの、そこそこ良いものも許せるかなぁと…。
季節を無視して平準化ではなく、体にきついレベルのピークを避けられて、温度変化を愉しめたらいいのかなと。
順ちゃんですか!歴史に名を刻む吉村先生だけに、ちゃん付けは衝撃でした。笑

それにしても、著名な建築物として、軽井沢の家や落水荘の紹介文に触れるにつけ、落日荘がなぜそこに並んででてこないのか不満に思います。

さんのコメント...

Akemi Fujimaさん
完成→感性です。失礼しました。
どう言ったらいいか、人間は生きるについて、いろいろ工夫が要ります。でも、今は工夫しないでも、考えないでも生きていける方向に、どんどん行っています。ということは、誰かの考えたものに頼って生きているということ、その支えがなければ何もできなくなってしまいます。
ローテクで、それで快適な暮らしを後押ししてくれる太陽熱利用、素敵だと思います。

家に関しては、過分なお褒め言葉、ありがとうございます。

af さんのコメント...

ローテク、、賛成です!私のいるソフトウエアの世界では枯れた技術もいいといいます。いいも悪いも見えてる、ということで。
若い人は新しい技術を手にしたがりますが。若い、というより、経験の浅いエンジニアというべきかな。でも、チャレンジ精神は大切に育てないと…とも。いずれにしても、自分で工夫、考えることをしてもらえればOKなのかな!

さんのコメント...

Akemi Fujimaさん
すべてを新しい技術でカバーしようとして、技術が発展してきたところもあれば、鼬ごっこのところもありますね。
その昔、スタディツアーで何度もいろいろな人を東南アジアの農村に連れて行きましたが、例えば電気のないところに行き、「遅れた国」というレッテルを張ってから見ると、かわいそうにしか見えてきません。電気がなくてもこんなに豊かに住めるとは、はなから思えないのです。
朝、子どもたちが捕まえてきたカエルのスープを飲めなくて「こんなものを食べてかわいそうに」と泣いた女の子がいましたが、私は「どこから来たかわからない牛肉を食べているあなたは、かわいそうじゃないの?」という話をしなくてはなりませんでした。また、バイクやテレビがない生活を遅れていると見る人には、「テレビもバイクもあなたが作ったわけじゃないでしょう」と話さなくてはなりませんでした。
ところで、時代変わって、タイ農村にもバイクが普及すると、すぐ隣へ行くにも歩かないでバイクで行く態度が蔓延しました。「少しは歩きなさいよ」と常々言っていたタイ人の友人が、そのせいか早くに死んでしまいました(笑)。笑い事じゃありませんが。