2022年6月19日日曜日

多摩の背負子


骨董市のまことさんの店先です。
骨董市に、MちゃんとMちゃんちの犬のトビと一緒に行ったのですが、日本人は犬連れの人には気軽に声をかけるということを発見しました。
トビはたくさんの人から声をかけられました。アメリカやタイだと、赤ん坊や幼児連れにも犬連れと同じほど声をかけられるだろうけれど、赤ん坊や幼児ではこうはならないのが日本です。
話が逸れました。



さて、珍しく大物購入です。
丁寧に編まれた背負子、茨城のあたりのものではありません。どこのものだろう?
フナコレタロさんがブログ、『うちのガラクタ』で背負子を特集していたはずと見ると、よく似た籠を見つけました。

『うちのガラクタ』より

右下の籠(09)です。
これらの籠は武蔵野美術大学の民俗資料室の収蔵品ですが、09は、ヤマカゴと呼ばれるもので、東京都西多摩郡五日市町でつくられたもの、山仕事や芋の収穫などに使ったものだそうです。
これとは別に、フナコレタロさんが拝島(東京都昭島市)で見たという背負子も同じ系統に見えたので、東京の多摩地域でつくられ、使われていたスタイルと思われます。
この籠を持っていた、玩古さんのおやじさんは、
「埼玉で仕入れたんだけど、どこのものかはわからない」
と言っていました。


この背負子が、『うちのガラクタ』に紹介されていた背負子と違うところは、力竹(太い竹)を縁から内側に回して針金で留めて、縁が抜けないように丈夫につくっているところです。こうしておけば重いものを入れても、肩紐をかけている縁が抜けてしまうことはありません。


そして、その力竹をしっかり固定するために、籠の上の方と下に水平に竹を回して、ラタンできれいに留めています。


縁は、竹を幾重にも巻いて、頑丈にしています。

竹をふんだんに使っていて、高さ56センチ、長径43センチとかなり大きい背負子なので、持つとずっしりと重く、これでは使うには重すぎないかと思いました。
ところが背負ってみると背負いやすい。手に持ったときよりずっと軽く感じる、とてもよくできた背負子でした。


「邪魔になりそうだけど、いただくわ」
と言ったら、玩古さんの親父さんが、
「邪魔になるだろうな」
と笑っていました。


玄関に立って上を見ると、おっ、詰めればもう一つ背負子をぶら下げることができそうです。
ちなみにお値段は、3000円でした。




 

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