2024年11月22日金曜日

犬張り子


骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんの店に並んでいた犬張り子です。
見た途端、何か違和感を感じました。


変なのは尻尾でした。犬張り子のピーンと立った尻尾を見たのは初めてです。


犬張り子の尻尾は、尻尾の端が背中についている形が定番です。


笊被りなど、笊の中がよく見えなくて目立たないものの中には、尻尾を背中に一体化したものが多く見られます。
尻尾をつくると、背中との間にできた小さい穴の部分も、ナイフを使って切り開かなくては型が外せない。一手間多くかかるからです。


尻尾が一体化していても、背中が盛り上がったと思わず、尻尾を感じることが出来ます。


高さ15.5センチと大きな豊川張り子は、こんなに大きいくせに、尻尾が背中と一体化しています。
愛知県の豊川稲荷に行ったのはまだ倉敷に祖母が存命のころ、1970年代でした。
豊川張り子は武骨で愛らしいとは言われているものの、実物を見たらあまりにも稚拙で、しかし、わざわざ途中下車した手前、手ぶらで帰ることは難しく、心ならず手に入れたけど、嬉しさはほどほどだったという記憶があります。
そんな、ちょっと残念な状況でしたが、長く一緒に暮らした今では、すっかり愛着がわいています。


同じくらいの大きさの犬張り子は、ちゃんと独立した尻尾をつけています。


根付のような指先ほどの小さい犬張り子犬の尻尾は、たいてい針金で表現されています。もっとも、小さいものは張り子ではなく、土だったり練りものだったりします。


そんな中、この練り物の犬張り子犬は、尻尾の先端が背中についていません。
これは、布を貼りつけるので、貼りつけ易いように先端をくっつけないでつくったものでしょう。


というわけで、この犬張り子の「変さ」が目立ちます。
変わったところはもう一、首輪です。通常首輪は、筆で描くか紐や布をあとから巻きます。ところがこの犬張り子は、紙紐を結んでその上に彩色しています。


いったいどこでつくられたものでしょう?








 

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