「最近、気がついたんだけど、人間は人口を増やさないという本能があるんじゃないかな。だから弱者をどんどん殺すような状況がいろんなところに現れている。戦争もそうだけど、排外主義もそう。これから参政党が伸びてきたら、きっと外国人は日本に来なくなるだろうね。そうすれば医療の現場とか老人ホームとかで働く人がいなくなってどんどんつぶれて、結果、社会的弱者である老人とか病人が淘汰されていくだろう。『だれ一人取り残さない社会を』なんて、幻想だよ」
と、福岡からきて3、4日泊まっている長男が言います。
「う~ん、きみの分析はあっているかもしれないけれど、あまりそんなことは大っぴらに言わない方がいいと思う。弱者はどんどん死ぬだろうなんて過激すぎる」
| 渋柿が、今年はKさんちには1つも生ってないし、うちは2つだけ、直売者で買いました。 | 
さて、うららかな昨日、居間で日向ぼっこをしていた息子が、
「大きなスズメバチがいるよ。女王バチだ」
と言います。ガラス窓に張りついて、外に出たがっているのは確かにスズメバチ、私がハエ叩きを片手に駆けつけると、
「えっ、殺す気? 待って。おれが逃がすから」
と、息子。
「逃がす? 刺されたらどうするの!」
「大丈夫」
息子は慎重に窓を開け、無事スズメバチを誘導して外に逃がしました。
なんだ、スズメバチでさえ殺したくないのに、人がどんどん死ぬ状況を平気で見過ごすことができるはずがない、ちょっと安心しました。
弱者が大量に死ぬことによって、人口が減るので地球は汚染や資源の略奪を免れて、よい環境を取り戻すという摂理になっているのではないかと思い当たったという息子。頭の中で考えるのは自由だけれど、もしかしたらそうなるかもしれないけれど、生を受けたものはみんな幸せに生を全うして欲しいと、思わずにはいられません。
スズメバチを殺しかけた私ですが。
 
2 件のコメント:
おはようございます。
自分も含めて人間は「かわいそうだけどしかたがない」といいわけをしながら沢山の命を奪って生きているんですよね。人の命を1日でも長くつなぎとめようと日々努力している人がいる一方でそれを嘲笑うかのように毎日戦争で簡単に沢山の命が失われていて、なにもできない自分の無力さをいつも痛感しています。せめて「かわいそうだから殺せない」というあたりまえの感情は忘れないでいたいですね。
かねぽんさん
タイのお坊さまは殺生はしてはいけないので、托鉢の時、アリを踏まないようにと裸足で歩きます。それでも街を歩くときはサンダルを履いていますが、なかには戒律に忠実なお坊さまもいらっしゃいます。いつか、日本にタイの熱帯林伐採反対運動をしているお坊さまをお迎えしたとき、冬だったのに裸足で歩きたがって困りました。
また、閉め切る窓もないタイの田舎のお寺で蚊に喰われながら瞑想している、日本人のお坊さまも見ました。そんなタイのお坊さまでも、人が殺してくれ、調理してくれた動物の肉はありがたくいただきます。
たくさんの命をいただいている私たち、感謝しながらいただく以外ありません。私は、蚊やゴキブリの命は平気で奪っていますが。
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