2012年6月9日土曜日
木の匙
学生時代の同級生に、生理的に金属製のスプーンやフォークを口に入れられない人がいました。カレーライスを食べる時なども木のお箸で食べていました。
あれから数十年、木製のカトラリーはすっかり普及しました。レストランでは、もしかしたら使っていないかもしれませんが家庭では、あの金属を口にできなかった彼も困ることもないでしょう。
我が家にも木のカトラリーがあるある、一ヶ所に集めてみればけっこうあります。
隣人のKさんのつくった木のスプーン。左が古いもので、右が新しいものです。
左端がクリ、次がタモ、そしてケヤキ、新しいのはサクラです。
使っていて、カビの生えやすいもの、生えにくいものがあります。そのためKさんは、拭き漆をかけるなどいろいろ試していますが、サクラ類はなかなかよさそうでした。
私は持っていませんが、Kさんが彫ったものにJさんが朱漆を塗ったスプーンも素敵です。
三谷龍二さんのカトラリーです。
評判の方ですが、やっぱり使いやすい。とくにカレー類にはこのテーブルスプーンです。
もっとも、外国の人は金属のスプーンの方が落ち着くみたいです。木は口の中にくっつくような感じがあるからでしょうか?いろいろ並べておいても、金属のカトラリーを手に取るので、この頃は外国人が来たときは、最初から金属のしか出しておきません。
すると、夫がお皿をかちゃかちゃ言わせ、音が高いのは自分だけなのに、
「この匙だとうるさいよ。どうして木の匙を使わないの?」
と、言ったりします。
モロッコの、オレンジの木のスプーンは、ちょっとくぼみが深くできています。
そのため、食べるとき、一生懸命スプーンを舐める感じで食べなくてはなりません。そのときスプーンの両縁が、唇をこすります。
右の二本は、ハリラというスープを飲むためのスプーンです。ラマダンのとき、日が暮れると必ず飲む具だくさんのスープのハリラ。ハリラをたくさんすくって飲むにはもってこいのスプーンですが、小さなお椀で、ほんのぽっちりのスープだったりしたら、大きすぎて邪魔になります。
というわけで、モロッコのスプーンはあまり活用していないのですが、あるだけでなごみます。
韓国のスッカラとそっくりな木のスプーンは、一本ずつしかないせいもあって、口に運ぶというより、料理に添えて、取り分けるのに使っています。
真鍮のスッカラも、ほとんど取り分ける用途に使います。
ほかにも、紫檀やら、椰子やらの、エスニックなスプーンもあります。
赤い塗りのスプーンは姪のりかちゃんからのプレゼントです。
スプーンは小さすぎると何度も口に運ばなくてはならないし、大きすぎると口に引っかかります。浅過ぎるとすくえないものがあるし、深すぎると、すくった料理を口の中に落としにくくなります。
スプーンの大きさ、厚みや深さの決め方なども存外に奥が深いものだなと思います。
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