2012年6月7日木曜日

切り出し多面体


なんだか風邪が抜けない私たち、先日整体師Kさんを訪ねた後、暖かいものでも食べてお昼にしようと、通り道にあるお蕎麦屋さんに寄りました。
八郷盆地の「へそ」の町にある、古いお蕎麦屋さんの屋根は素敵です。


中庭との間仕切りに乗っている、藁の細工物もとっても素敵です。が、


あぁ、この中途半端な建具が、雰囲気を台無しにしています。

木サッシより手軽だからと、こんな古い家にもアルミサッシを簡単に使ってしまう風潮は、ここだけでなく日本国中どこにでもあります。
なんとかなりませんか?お蕎麦屋さん!
このサッシで三割方お客をなくしているかもしれません。

八郷には、おいしいお蕎麦屋さんがたくさんあります。
どこの店も、知らないとたどり着けないような辺鄙なところにあり、東京などから来た人を不思議がらせますが、その中にあって、このお蕎麦屋さんは商店街に面した、商いにはもってこいの立地にあります。
でも、ここへ来るのは数年ぶり、二回目です。 あまり来ないのはアルミサッシのせいでしょうか?


お蕎麦屋さんには、今は使っていない古い茶釜もあります。


あれっ、この茶釜の蓋のつまみは、多面体につくってあります。


そういえば、古い酒器などの蓋のつまみにも、こんなのがついていたでしょうか?


我が家のテラスの手すりの、私のつくった飾りと同じです。
でもこれは、日本の木の蓋のつまみが頭にあったわけではないのです。

その昔、タイのバンコクのスラムで、保育園を新築したことがありました。
スラム住民の大工さん、ちゃっちゃと建てる姿が頼もしい限りでした。シンプルな保育園でしたが大工さん、最後に四角い材木を面とりして、高床の建物の正面階段の手すりの飾りをつくりました。
「かっこいい!」

我が家のテラスの手すりに、
擬宝珠(ぎぼし)じゃないんだけど、なんか飾りつけたいんだけど」
と夫が言ったとき、すぐそれを思い出して、
「こんなのどう?」
とつくって見せました。
採用されました。


というわけで、「バンコクのスラムの大工さんの思い出」の飾りだったのですが、私のつくったのは下の台と一体であることもあり、日本のつまみと、結びついていませんでした。

地域を超えて、時代を超えて同じものがつくられているのは、なんだか愉快です。



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