一つだけ残っているビニールハウスの倉庫の中から、夫が段ボール箱を持ってきました。
まいったなぁ。母が、
「これもどう?」
と訊くので、
「はい、はい」
ともらってきた、妹たちが遊んだソフトビニールの人形です。とりあえず、突っ込んでおいたのですが、何とかしなくてはなりません。
人形は、いかにも古めき、カビだらけです。
母がつくったに違いないパジャマを着ているのは、お人形さんごっこをするには、お布団をつくって、それに寝かしたり、起こしたりするのが、寝具のほかにはものを揃えなくてもできて、もっとも遊んだ気になれたからでしょう。
パジャマを着ていながら、足元にはハイヒールを履いていて、髪の毛はバリバリに固まっています。
お布団の下から、もう一人出てきました。
この子は片目が壊れているので、処分です。
妹たちに、ときには母も混じって楽しい時を過ごしていたのでしょう、手づくりの、お世辞にもよくできたと言えない衣装がいろいろあります。
そんな楽しい時間を過ごしたにもかかわらず、今では妹たちが要らないと見向きもしないので、母が困って、私によこしたというわけでした。
引き受けたときから汚れていましたが、拭けば、何とかきれいになるようです。
あまり何ともならなかったのが髪の毛、ぬるま湯に浸して、もつれたのを丁寧に梳かしましたが、多過ぎてきれいにはまとまりませんでした。
でも、一応まとめたので、暇を見て普段着を一枚なんとかつくって、あとは気に入って、欲しがってくれる女の子を待つばかりです。
私の時代はキューピーで遊びました。
妹の時代は、この目を開けたり閉じたりするソフビ人形、その次にミルク飲み人形、そして1966年にはリカちゃん人形が誕生しています。
そのあたりから、人形遊びはしだいに、子どもの遊びから大人の遊びに移ったのかもしれません。
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