2012年12月1日土曜日
セルロイドの赤ちゃん人形
オークションでIRWIN(アーウィン)の赤ちゃん人形を見つけたとき、何とか手に入れたいと思いました。
オークションで最後に競るのは、「ここまでなら出せる」と決めた値段の範囲内でしたら、あとは気力です。このときは珍しく、やる気満々でした。
二、三度時間延長になりながら、とうとう落札することができました。しかも、嬉しいことに出せると考えていた金額の半分くらいの値段でした。
落札したあと、アメリカから到着するまでの二週間ほどが待ち遠しかったこと。やっと届いて開けてみたら、もう想像したとおりのかわいさでした。
人形もかわいいけれど、手編みの服がすごくよくできているのです。
アーウィンのセルロイドの、手だけ動いて足が動かない赤ちゃん人形はアメリカ製で、第二次大戦後間もない1950年ごろ売られたもののようです。
もともとは裸で売られたらしいのですが、ネット検索してみると、たいていの赤ちゃん人形が、手づくりと思われる鉤針編みの服を着ています。
たぶん、赤ちゃん人形用の、「服の編み方の本」があったのでしょう。手づくりですから、服の完成度はまちまちです。
小さい人形(高さ16センチ)ですから、太い糸で編めば、仕事ははかどります。しかし、この赤ちゃん人形たちの服は木綿の細いレース糸で、細かく細かく編まれています。
服や帽子は結んであったり、ボタン留めになったりしているので、着せ替えもできます。
そういえば、一昔前の日本で、タバコ屋さんの店先などに、ソフトビニールのキューピーさんにアクリルの毛糸で編んだ、裾の広がったワンピースを着せたものが、よく飾ってありました。
いったいどんなところから発想されたものか、考えてもみませんでしたが、案外アーウィンあたりにルーツがあったのかもしれません。
ひらひらのワンピースを着た女の子たち、
ちょっと失礼してスカートの下を見せてもらうと、ワンピースとつながっているパンツをはいています。
1950年ごろのアメリカは、いったいどんな社会だったのでしょう?
まだ、『赤毛のアン』(は、カナダですけれど)の隣人たちのような、人を訪問するときも編み物を持って行って、おしゃべりする時も、片時も編み物の手は休めないような、そんな人たちが暮らしていたのでしょうか?
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