バルト三国、エストニア、ラトビア、リトアニアでは、盛んに籠がつくられています。
エストニアでは、幅広に薄くはいだ松やモミの木を素材にした籠が多くつくられており、ラトビアとリトアニアでは、柳の枝やシラカバの皮、そして松の根の籠などがつくられています。
エストニアでは、幅広に薄くはいだ松やモミの木を素材にした籠が多くつくられており、ラトビアとリトアニアでは、柳の枝やシラカバの皮、そして松の根の籠などがつくられています。
このリトアニアの籠は松の根でつくられたもので、寸胴ではなく、下部がちょっと広がっています。
底は、太い経材(たてざい)を緯材(よこざい)で平編みにして割っていない丸材を丸く回し、そこからそれまでの緯材を経材としながら胴を編んで仕上げています。
底の太い経材は、丸材を回した後に短くするのだと思われますが、緯材がほどけないようにまとめるのが難しそう、見ていると落ち着かない気分になってしまいます。
持ち手の丸材は端を削り、底と胴の間に回した丸材に絡めて、すっぽ抜けないようにしてあります。
底の直径は21センチ、口の直径は17.5センチです。ミカンを入れたりするにもよさそうですが、籠バッグとしてもよさそうです。
日本では、竹をはじめ籠を編む材料が豊富だったためか、木の根の籠はつくられてきませんでした。それゆえか、植物の根を籠の素材として使うことに、なんだか信じられないような不思議感を覚えてしまいます。
セイリッシュ(カナダ西海岸の先住民)のトウヒの根の籠。『世界のかご文化図鑑』より |
松の根のほか、トウヒやスゲの根(どちらもおもにアメリカ先住民が使っていた)などが籠編みの素材として使われてきました。
そして、手前はスウェーデンの白樺の根の籠です。
白樺の根は、曲木の箱を綴るのによく使われますが、籠材としてはしなやかすぎるためか、芯に針金を入れて巻き上げています。
追記:
勘違いしていたことについて。
〔カゴアミドリ〕より。白樺の根の籠 |
これはノルウェーで一般的な白樺の根の籠です。スウェーデンにもあります。白樺の根が別にしなやかすぎるということはないようでした。
籠材としての根について、私はまだよく理解していないようです。
2 件のコメント:
木の根っこで籠が編めるなんて!籠の写真を見ても信じられません。
hiyocoさん
信じられませんよね。
ヘクソカズラとか、カラスウリとかヤブカラシなどまっすぐ伸びる根を思わず見ちゃいますが、籠が編めるとは思えない。
人ってすごいですね(^^♪
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