夜、お布団に入ってから本を読むのを日課としていました。
ところが最近、3ページも読まないうちに眠気が襲ってきます。本を落としそうになって慌てて読み直してもすぐ朦朧としてしまいます。眠るのを忘れて読んでいたころが懐かしい。
というわけで、お布団の中での読書は難しいものになっています。
『西太后』(加藤徹著、中公新書、2005年)は面白く読んでいるのに眠ってしまって、しおりを挟んであるのに既読のところがうろ覚え。仕方なく前夜眠りながら読んだところをもう一度読み返して、新たにちょっとだけ読んだら、また眠さに負けてしまうことの繰り返しで、遅々として進みません。
「中国理解なら、この本が一番」
と中国人の友人に勧められて、加藤徹さんの『貝と羊の中国人』を読んだのは半年ほど前のことでした。
次に『漢文力』を読んで、近代の中国の政治を知るなら『京劇』でと書いてあったので、
『京劇』(ちくま学芸文庫、2025年、元は中公業書2002年)を読んだのはしばらく前のことでした。
様々な史実に基づいたエピソードをつなぎ合わせて、京劇とそれを取り巻く近代から現代の中国社会が立体的に浮かび上がる面白さ、たくさんの京劇俳優の名前が出てくるので、覚えたり整理するのに苦労しましたが、文盲率が高かった時代、為政者が京劇を通して人々に影響を与えるさまは、革命軍にまで引き継がれた面白さ。また、文革の時は京劇俳優はどんな目にあったかなど、初めて知ることばかりで、あっという間に読んでしまいました。
『漢文力』が漢文を知るだけの本ではなかったと同様、『京劇』もまた京劇を知るだけの本ではありませんでした。
エピソードの一つに、観劇に明け暮れ、死の2日前にも長時間観劇した咸豊帝(えきちょてい)にも負けず劣らず京劇が好きだったという、咸豊帝の妻の西太后のエピソードも紹介されていました。
男尊女卑の中国社会の中で48年間という長期間政治権力をふるった西太后とは一体どのような人だったのか? それが、『西太后』を読むことになったきっかけでした。
アヘン戦争や日清戦争という激動の時代を生きた西太后は、特A級の悪玉として、現代中国からはまったく評価されていませんが、西太后の時代につくられた政治システムが、今の中国の政治システムとなっているそうです。
それにしても、著者加藤徹さんの頭の中はどうなっているのでしょう?
主要参考文献一覧を見ると、漢文であれ、京劇であれ、政治であれ、先行著書・研究は膨大な数のところ、言及、依拠、参照したものだけ最小限載せたと書いてあるのに、たくさんたくさん載っています。
文献からの考察もすごいし、日本文化との比較も面白い。
そろそろ、寝る前と病院の待ち時間だけでなく、日中も読書をする習慣をつけたいと思います。



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