2023年11月10日金曜日

重箱

八郷に越してきたときは、家具などの生活品は、次男に引き継いだ東京湯島のマンションや、当時長男が住んでいた東京郊外の家などに散らばっていました。もちろん、本、民具、招き猫なども、場所を占領していました。
母屋の居間の下の地下室ができてからは、それらを運んできて、箱詰めにしたまま長く積み上げていました。地下室で湿気てダメになったものもあったし、ビニールハウスにも置いていたものは、もちろん傷んだし、いろいろありましたが、大切にしていたはずなのに行方不明になったままのものも、いくつかありました。
ブリキのアタッシュケースもその一つ、どこかに紛れるとは考えられないほど大きいものですが、未だに見つかっていません。ブリキのアタッシュケースは、そのものだけでなく、中に何を入れていたかと、それも気になります。
三段重も行方不明品の一つでした。とくにお正月が近づくと探したりしていたのですが、これまで見つかっていませんでした。


ところで先日、食品庫の棚から氷入れを出して、その時は気づかなかったのですが、仕舞おうとして、


その奥に、見覚えのある重箱の箱が見えました。
「こんなところにあった!」
その下の段の、土鍋を入れている棚の奥には換気扇のダクトがあります。そのため、土鍋がちょっと出っ張っていて、その上の氷入れも出っ張っている不審に、全然気づかなかったのです。


ネットがない時代、何を買うにも、気に入ったものが見つかるまで足で探さなくてはなりませんでした。
この重箱も、欲しいと思えるものであることは当然、買える値段のものと出逢うまで、何度もデパートを歩き回って手に入れたものでした。まだ、渋谷西武やロフトはなかったころだった気がします。銀座松屋を筆頭に、高島屋、伊勢丹、日本橋丸善のクラフト階など歩き回って手に入れたものですが、最終的にどこで手に入れたか、全然覚えていません。
そして、あまりにも長い間仕舞いっぱなしだったので、どんな重箱だったかもすっかり忘れていました。


開けてみたら、ケヤキの三段重でした。


ネットでもっとたくさんの重箱を見ることができる時代の今なら、これを選んだでしょうか?
昔から、飛騨春慶塗の重箱が好きだったけれど、今見ても高い! 買えなかったのではないかと思います。
若い私の選択、まあまあだったと思いました。





 

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