昨日は将棋の国民的ヒーロー藤井聡太六冠が名人戦を戦い、渡辺明名人を破って通算四対一で勝利、史上最年少の名人となりました。
かたや渡辺くんは、19年ぶりにすべてのタイトルを失って無冠となりました。
将棋を指さないどころか、ルールも知らない「観る将(観もしない将)」の私は、渡辺くんには「将棋も知らないで観るなんてバカみたい」とバカにされる存在ですが、どちらかといえば渡辺くんを応援していました。といっても藤井くんもどんどん活躍して欲しい、複雑(ってほどでもない)な気分でした。
漫画『将棋の渡辺くん』(伊奈めぐみ作、講談社)には、渡辺くんの面白い話満載ですが、もちろん、藤井くんも登場します。
第6巻の第2話に、藤井くんが初のタイトルを獲った時のお話が描かれています。
作者の伊奈めぐみさんは、『将棋の渡辺くん』の原稿が出来上がるたびに、夫である渡辺くんに直すところはないかと見てもらっていますが、内容について「こんなことを描くな」と言われたことは一度もないとか、踏み込んだ話も多いので、渡辺くんの度量の広さがうかがえます。
渡辺くんが藤井くんに負けてしまうお話は、何度も描かれています。
これまで、中学生でプロ棋士になったのは、加藤一二三さん、谷川浩二さん、羽生善治さん、渡辺明さん、藤井聡太さんの5人だけ、みなさん大棋士になられています。
漫画の中で、伊奈さんはいつも背中に数字を書いたTシャツを着ていますが、これは年齢を表しているのがおもしろい。伊奈さんは渡辺くんより2歳年上(間違えていた、4歳年上)です。
8つあるタイトルの中で、「名人」はもっとも古く、名誉のあるタイトルです。渡辺くんも名人になったとき大喜びしていましたが、藤井くんは6歳のとき、「めいじんになりたい」と書き残しています。
『将棋の渡辺くん』の渡辺くんの部屋が描かれるとき、渡辺くんはいつも将棋盤の前に座っているのはさすがです。ちなみに、後ろの本棚の本のほとんどは、将棋の本ではなくて漫画です。
さて、『将棋の渡辺くん』は、もともと1巻だけの予定が、評判がよくて第6巻(2022年4月)まで発売されました。
第6巻のあとがきに、第7巻発売予定は2023年冬ごろと記されていて、その最後に、渡辺名人が、「それまでタイトル持っていられるかなあ」と書いています。
2023年の冬とは含みを持たせた時期ですが、もし今年末に第7巻が発売されるとしたら、渡辺くんは無冠。どんな渡辺くんが見られるか、楽しみです。
2 件のコメント:
ただ事実を描いているだけなのに、こんなに面白いなんて(笑)!それにしても、伊奈さんが描くマンガに全くダメだししないなんて、渡辺くんは心が広い!ちなみに4歳違いみたいですよ。
hiyocoさん
あっそうだった!4歳違いだ。
一度だけ、読者に「恋人時代の話を読みたい」と言われて、なれそめが描かれていました。詰将棋チャットの管理人が渡辺くんの友人であり、伊奈さんとはご近所で勉強を教えてくれたそうです。その方いわく、人間は二種類に分けられるが、渡辺くんは明るく、思い立ったら速攻で行動するドン・キホーテ型、片や伊奈さんは暗く、うじうじ悩むハムレット型で、二人が結婚したときはその管理人さん(今は精神科医)はすごく違和感があったそうです(笑)。
伊奈さんのTシャツに23と書いてあるから、渡辺くんはまだ19歳だったんですね。
コメントを投稿