夫が私に、
「そりゃぁ杓子定規と言うもんだ」
と、揶揄することが、わりとよくあります。
杓子定規とは、融通が利かないという意味に使われますが、私は前から、「杓子を定規にするなんて、超融通の利く人にしかできないことでしょう?」と、語源になんとなく違和感を持っていました。
ネット(グーグル日本語辞書(Oxford Languages))で杓子定規の語源を調べると、
「杓子定規の「杓子」はご飯や汁物を盛るおたまやしゃもじのことを指し、昔は柄が曲がったものを使用していました。 その曲がった柄を、無理やり定規として使おうとしたことにこの言葉は由来しています。何でも一つの規則・標準で律しようとする、融通のきかないやり方・態度」
とあります。
さて、わかったようで、よくわかりません。
そういえば、これまで杓子定規を一度も辞書で調べたことがないなと、手の届くところにある唯一の辞書『新明解国語辞典』を開いてみました。
杓子の項に杓子定規はありませんでしたが、定規の項にありました。
「(曲がっている昔の杓子の柄を定規にするように)ほかには通用しない、ただ一つの標準ですべてを決めようとする、融通の利かない態度(やり方)」
とありました。
あぁ、すっきりした。杓子に重きが置かれているのではなく、ただ一つの基準に重きが置かれていることが、これで理解できたからです。
今、NHKで『舟を編む』のドラマを放送しています。
ドラマは原作の主人公の男性、馬締光也ではなく、途中から加わった若い女性、岸辺みどりを主人公にするとのことで、全然期待していませんでした。というのは、ドラマやアニメは人の目を引きつけるために、若い男女を登用しがちだからです。
たとえば『ねことじいちゃん』は、映画にするために途中から唐突に若い女性が登場して、話が全く面白くなくなり、私は漫画をまとめて古本屋さんに持って行ってしまいました。
ところが、ドラマ「舟を編む」は期待しないという期待を裏切ってくれました。しかもどのキャラクターもよくて、もうすぐ終わってしまいますが、楽しんでいます。
高いところにしまってしまった『広辞苑』も、手元に置こうかしらなどと考えているところです。
2 件のコメント:
木で鼻をくくる というのも、どうやって?という疑問が先にありましたが、今調べたら鼻をこくる(こする)の転用だと分かりました。今まで考えたことはなかったですが、杓子定規というのも言われてみれば分からない言葉でした。
karatさん
そうか、木で鼻をくくるの意味は知っていたけれど、牛が木の鼻輪をされている姿のような絵を想像していました(笑)。
私はあまり格言みたいなのを連発する方ではないのですが、夫は私よりよく使い、しかも間違えていることが往々にしてあります。
先日よその人に、「お尻隠して頭隠さず」と言っていました。私は「それが何が問題?」と陰で笑っていました。
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