と、声をかけられました。
あまやさんは、近くを通ったからと家にも遊びに来てくれたりして、親しくはしていますが、わりと「昭和の台所道具」など、荒物のデッドストックが中心なので、あまり買ったことがありません。
立ち止まって指さされた方を見ると、小さな御所人形の恵比寿大黒と、釉薬をかけた豆人形の高砂が無造作に置いてありました。
「高砂はいらないなぁ」
「一緒に買ってきたから、ばらばらにできないよ」
「はい」
御所人形の恵比寿大黒は初めて見ましたが、なかなかかわいいのです。
「高砂も連れてってよ。九谷だよ」
「ごめんね、九谷もそう好きじゃないの」
「恵比寿大黒だけでも千円だから、高砂も持って行けばいいじゃん」
「うぅ~ん」
背を向けて、あまやさんと話し込んで油を売っていた(失礼、交友を深めていた)人が振りかえると、がんこさんでした。
「そんなに高砂が嫌いなの?」
「あはは。好きじゃない」
ごめんなさい、高砂の翁さん、媼さん。
高砂だけでなく、招き猫、張り子犬、恵比寿大黒など大好きな縁起ものがある一方、七福神、だるま(かわいいだるまは別)、干支人形などは苦手です。
やっぱり恵比寿大黒だけいただいて来ました。
さて、恵比寿さまの右手には小さな穴が開いています。きっと釣竿を持っていたのでしょう。そのうち真竹の細いきれいなのをさがすとして、当面何か持っていた方がいいのではないかと思いついたのはヤシの箒です。
さっそく、箒からちょっとしなっているのを一本いただきました。
おお、すっかり「さま」になりました。
小さい恵比寿さまですが、もうちょっと太い竹でも大丈夫そうです。
というわけで、御所人形の恵比寿大黒は、めでたく神棚に収まりました。
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