とうとう、
「守り人シリーズ」十一冊を読み終えました。
夜、布団に入ってから読むので、光が漏れないように同じ姿勢で読んでいて、目や肩が疲れるとやめることの繰り返しでしたが、ときには一冊丸々読んでしまうこともありました。
『虚空の旅人』を読んだあと、『天と地の守り人』(三巻)を読みはじめてしまっていたのですが、途中で『蒼路の旅人』が届いたので、合間にそれも読み、話の流れとしては、ほぼ順番に読むことができました。
『炎路を行く者』は、後回しになってしまい、他の物語をすべてを読み終ってからしばらくしてやっと手に入れたのですが、流れとしては正解でした。『蒼路の旅人』で、新ヨゴ国の皇太子チャグムをさらったヒュウゴの少年時代の話ですから、『蒼路の旅人』を読む前に読まないでよかったのでした。
この物語は、文化人類学者上橋菜穂子の書いた、女用心棒のバルサと、幼い時にバルサに命を助けられた新ヨゴ国の皇子チャグムを二本柱にした物語です。
二人が魅力的なことはもちろん、さまざまな呪術師たち、市井の人々、貴族や武人などの為政者たち、異界のものたちなどなど、魅力的な登場人物が満載です。
また、大陸の国、海洋の国、半島の国、山岳の国で違う暮らしぶりや気質を、丁寧に描いているのは、人類学者ならではの視点でしょう。
最後の巻で、大国タルシュの皇帝となったラウルが、圧倒的な力を、他国侵略に向けることを止めて、人々が暮らしやすい国をつくろうとするという決断も、興味深いものでした。
2 件のコメント:
私もずっと前に読みました。
上橋菜穂子さんの講演会にも行きました。
本の活字は小さければ小さいほど嬉しいという読書家で、壮大なスケールの物語が大好きだそうです。お祖父さんが剣術の先生だったので、その影響でバルサが誕生したとも話されたと記憶しています。
上橋さんの本は、どれも好きです。
mmerianさん
日本に目を向けていなかった数十年、外国から帰ったあとは隠遁、上橋菜穂子さんの存在すら知りませんでした。
サトクリフでもこんなに登場人物を傷つけませんが、バルサもタンダも傷だらけですね。読むと、身体が痛いですが、そこが、テキトーに書いていない気がして好きです。
もう、『獣の奏者』に突入しています(笑)。
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