その昔、学生時代に東北を訪問したときは、こけしやいづめ子以外の轆轤で引いた木地玩具には、ほとんど出逢いませんでした。
その後、『季刊銀花』だったか、複雑な、素晴らしい木地玩具の数々が掲載されているのを見て、欲しいと思いましたが、時折見かけても、手が出る値段ではなかったように記憶しています。
そんなことがあって、最近、古道具屋さんで木地玩具を見つけて、しかも200円、300円で買えるようなら、ついつい場所ふさぎを考えず、手を伸ばしてしまいます。
そんな木地玩具の雉車、しばらくデスクの上に置いてあったのですが、勝手にパカッと割れていました。
古道具屋で見つけたときは、しっかりくっついていて、はずれる気配もありませんでした。あれから数ヶ月、冬の室内で乾燥が進み、お尻の方だけ縮み方が大きかったようです。
もしかして、 同じ木ではなく、乾燥度の違う別の木でつくったのでしょうか、木目は合っていません。
思いがけず、中の仕組みが見えたのはよかったとしても、置いておくだけでも外れるので困ります。
それに比べればロシアのマトリョーシカはお見事。絵つけや轆轤技術だけでなく、木の乾燥の仕方も含めて、よくできているものだと感心してしまいました。
「日本人は手先が器用」なんて、軽々しくは言えないことです。
この雉車を手で押すと、首が引っ込んだり、
出たりします。
まっ、意匠としてはなかなか面白いのですが。
いっそ、ボンドでつけてしまおうかと思いながら、決心のつかない今日この頃です。
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