2023年8月13日日曜日

織り機と出逢った


建築家のFさんと夫が打ち合わせをしている間、私は部屋に置いてある椅子をちらちらと見ていました。
シンプルで素敵だけれど、我が家では無理無理。かつて夫は布張りのディレクターズチェアというか、キャプテンズチェアが大好きでした。ではそっと座ればいいものをドサッと座るので、座面はすぐに破れてしまいました。何個か壊して、もう布張りの椅子を室内に置くことはなくなりましたが、それでもキャンプ用の安い布製の椅子を買ってきては、相変わらず壊しています。
私が椅子をちらちらと見たり、布が破れていないか下から見たりしていたので、Fさんが、
「ぼくと妻の合作です」
と教えてくれました。
「えっ、お連れ合いは織物をなさるのですか?」
「はい」


ということで、織り機の置いてある部屋を見せていただきました。
「わぁぁ!」
織り機にはいろいろと周辺機器があるのですが、それが八畳間にきっちりと収まっています。


とくにこの整経機は、初めて見るもの、とても使いやすそうです。



この整経機は、私の整経機と原理が同じですが、かせから糸を糸巻に移すときの糸巻の形は違っていて、整経するときは、この形の糸巻を床に並べて、天井近くに設置した金物に糸を通し、それを整経機に巻き取るようでした。


今度、織物教室で整経するときは、私も自分の整経機でやらせてもらってみよう、もし家でも織れる日が来るなら(まだ、織り機をちゃんと整備していない)、自分の周辺機器を使うことに慣れておく方がいいのではないかと思いました。


織り機の途中にライトが仕込んであるのは、建築家の発想と見ました。織り機も整経機も米松でできているので、日本製なのでしょう。


「こちらの椅子は座れますよ」
一作目を踏まえて、布に負担がかからないように工夫された二作目の椅子はなかなか座り心地もいいものでしたが、夫には無理、あっという間に壊してしまいそうです。
横材はくさびで止められていて、もし布が傷んだ場合も、簡単に取り換えることができるようにつくられていました。


お連れ合いの織られているのはすべて麻、


座布団も麻、その日は能登半島の珠洲市で展示会中とか、いらっしゃいませんでした。







2 件のコメント:

af さんのコメント...

機織りといっても、いろいろなんですね~。
私の叔母が晩年、織物が好きで、いろいろ作ってくれました。
彼女の場合は、絹だったと思います。
こんど、訪ねたとき、機織り機、見せてもらおうかな・・・

さんのコメント...

afさん
そう、機織りといってもいろいろ、織り機もいろいろです。
Fさんの場合、麻の織物ですがご存じのように大麻は栽培できないし、カラムシの糸も流通していないので、市販のヨーロッパの亜麻(リネン)の糸を使われています。麻は伸縮が少ないからか、経糸を張った部分が長くなるよう、後ろが突き出た織り機を使っていらっしゃいます。

私が通っている教室では、基本自分で紡いだ羊毛だけで織ります。糸から作るので、なかなか糸が紡げないで、機織りまで到達するのに時間がかかってしまっています。私は技術がへたなうえ、持っている紬車が古いもので癖があるときていて、いつ上達するか、見当もつきません。その昔習っていた教室では、市販の毛糸や麻糸を使っていました。
織り機も平織なら筬(細いのから荒いのまである)を替えれば太い糸から細い糸まで折れますが、複雑な織り方をするとなると、織り機を選びます。
私の持っている織り機は、錦織や二重織りができるし、織機自体は90㎝幅なのにその倍の幅のものも織れるという優れものですが、使い方をすっかり忘れているので、豚に真珠です(笑)。