2020年4月15日水曜日

何ともならないねぇ


夫は、無類のうっかりものです。
気持ちはいつも、前へ前へ向かい、今現在取っている行動は頭から抜け落ち、大事なお財布、補聴器、眼鏡などなど、無意識にどこにでも置いてしまうので、毎日のように見えなくなって、
「ない、ない」
と騒ぎたてます。
もっとも、眼鏡はずいぶん前から100円眼鏡だけにして、そこいらじゅうに置いてあるので、ストレスは軽減されました。

もちろん、家の中で失くすだけではありません。外に行っても失くします。眼鏡など、行った先々に置いてきます。
お財布もしょっちゅう無くして、年に3回ほどは真剣に大騒ぎします。
数年前、鳥取から車で帰っている途中、大津のサービスエリアでお財布がないと騒ぎだしたときは、いったいどうなるかと、気が沈みました。あちこち電話してもらったりしましたが、念のためと私がもう一度車の中を見たら、座席とドアの間に落ちているのを見つけ、ほっとしたものでした。


2017年と古いデータになりますが、全国で落とし物として届けられた現金は177億円に上っているそうです。そして、その半分くらいは持ち主の手に戻っているようです。
でも、この中に夫の落としたお金は含まれていません。たいていは、親切な方の手で、直接連絡をいただいて、戻ってきます。


昨日も、農産物直売所から電話がかかってきました。夫の名前を訊かれたので、私は直感しました。
「もしかして、夫がお財布を落としていたのですか?」
ずばり、そうでした。
「ありがとうございます。帰ってきたらすぐに取りに行かせますから」
と、私は感謝しながら電話を切りました。
それにしても、夫はお財布を、何度拾っていただいたことでしょう。お金だけでなく、運転免許証や銀行カードも入っています。
一度など、車のボンネットの上に置いたまま走り、国道に落としていて拾われたこともありました。交通量の多い国道で拾うなんて、拾う方も命がけのような気がしますが、そのときも警察を通さず、拾った方から直接電話があって送っていただき、無事手元に戻ってきました。


大事なものを失くすだけではありません。
お風呂の栓をしないでお湯を張る、夜中に牛乳を飲んで冷蔵庫の扉を閉め忘れる、井戸水を飲んで、蛇口を閉めないで出しっぱなしにして井戸を濁してしまう。
夫の日常生活のうっかりは目に余りますが、はなから、気をつけようとする姿勢がないのです。
でも、それでここまでやってこられたのですから、良しとする以外ないのですが。






2020年4月14日火曜日

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』


プレイディみかこさんの、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社、2019年)は、昨年、ラジオ番組の「久米宏ラジオなんですけど」にゲストで来られた時の放送を聴いて知っていました。
そのときのお話は面白かったのですが、本を読むには至りませんでした。それよりずっと前に、『子どもたちの階級闘争』も知っていましたが、これも何かのラジオでプレイディみかこさんのお話も聴いたのですが、読むには至りませんでした。
最近友だちが読んだと知り、思い出して『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んでみました。

舞台は英国のブライトンの町、一家は、「荒れている地域」と呼ばれる、元公営住宅地に住んでいます。
みかこさんは保育園で働く保育士、23年前に出会ったころには銀行員だったのに、数年後にリストラにあい、「子どものころやりたいと思っていた仕事だから」と大型ダンプの運転手になったアイルランド人の配偶者さんと、11歳の一人息子くんと暮らしていています。
物語は、息子くんがカトリックの小学校を卒業するときになって、進学する学校を選ぶため、地元の元底辺公立中学やカトリック中学の見学会に行くところからはじまります。配偶者さんは、元底辺中学校は「9割が白人だからいじめられる」と大反対だったのですが、息子くんは(一緒に見学に行ったときお母さんが楽しそうにしていたこともあり)、元底辺中学校を選んで入学します。

元底辺中学校の生徒の大半は、貧しい白人がですが、その中にも貧富の差があります。
東洋人を母に持つ息子くん、ハンガリー移民の子ども、途中から入ってきたアフリカ系移民の子どもは少数派です。というのもほとんどの移民は、まだ子どもが小さいころから、学力ランキングの高いカトリック校に入れようと、やっきになって改宗したりしていて、子どもをカトリック校に通わせているからです。

息子くんは、レイシズム(人種差別)や、貧困問題、友だちへのいじめの問題などに直面し、その中でいろいろ考えます。
「人はよってたかっていじめるのが好きだからね」
とお母さんが言うと、息子くんは、ちょっと考えて、
「僕は人間は人をいじめるのが好きじゃないと思う。罰するのが好きなんだ」
と言います。


息子くんの小学校のときの同級生たちは、ほとんどみんなカトリック中学に進学しましたが、ランキングの高いカトリック校にも、陰があるようです。
学力を維持するため、できない子は切り捨てられていて、一つの教室の前と後ろに深い分断ができています。
元底辺中学校のシティズンシップ教育(社会人教育)の話、日本で息子くんが差別される話、息子くんが自分のアイデンティティについて考える話などなど、一気に読める面白さでした。

日本は、これ程には多様な社会にはなっていないと感じるかもしれませんが、見えていないだけで世界と密につながっていることがわかった、今度の新型コロナウイルス騒動でした。
多様な世界と愉快に共存するには、どうしたらよいのか。他人事ながら、息子くんの成長がとても楽しみになる本でした。







2020年4月13日月曜日

素敵なはがき


いつ頃からあったものか、通信こけしというものがあります。
こけしの胴の中が刳り抜いてあり、その中に細く巻いた文を入れ、ネジ式の蓋を閉めて荷札をつけて投函する、東北各地にあったもので、今でもつくられています。
私の持っている通信こけしは、スキー場とケーブルカーが描かれていて、蔵王の銘があります。


また、フォルムカードという、各都道府県の郵便局で売られている不定形の特殊はがきがあります。


例えば茨城県なら、名所霞ケ浦の帆船とか、特産の納豆、レンコンなどのフォルムカードが売られています。
郵便局で売られているフォルムカードでなくても、定形外としていろいろな形のものをはがき代わりに使うことができます。


これは、いつだったか、孫のはなちゃんから届いた、段ボール紙を切ってつくった猫のはがきでした。


左は弟の連れ合いのKさんが彩色して送ってくれた、マトリョーシカのはがき、右は彩色しようと買ったのに何もしていない猫のはがき、どちらも薄いシナベニヤを切り抜いてつくってあります。

これら、不定形の郵便物を送ることができるようになったのは、比較的郵便制度に余裕と遊び心が出てきた、昨今の現象、少なくとも戦後のことと思っていましたが、じつは戦前からあったようです。


牛の形をしたはがきは、薄い板を切って手彩色したもの、白いところにスタンプが押してあり、そのスタンプには「長野、12.3.27」と数字が入っています。昭和12年(1937年)のものと思われます。
壹銭五厘の切手が貼ってありますが、これを求めた人は、自分の記念にしたもので、投函はしなかったようで、裏には何も書いていません。



牛のはがきは、善光寺布引牛という、善光寺の門前で売られていた(今でも形を変えて売られているらしい)、練りものの牛を模したものです。
「牛にひかれて善光寺詣り」という言葉は聞いたことがあった人がいても、そのいわれを知っている人は少ないと思われますが、そのいわれはこうです。
強欲で、不信心なお婆さんが川辺で洗濯をしていると、一頭の黒牛が現れ、白布を角に引っかけて走り去りました。
その布欲しさに、お婆さんは牛を追いかけ、とうとうに善光寺まで来たとき、黒牛は姿を消してしまいました。そこで、お婆さんは霊感に打たれて善光寺に詣で、不信心を悔い改めました。
というわけで、黒牛は、白い布を頭に引っかけています。



こちらはこけし郵便ですが、立体的なこけしではなくて、板でつくったこけしを2体、台板に貼ったものです。


裏(表?)に、「此ノ所ヘ参銭切手ヲ貼付シテ下サイ」とスタンプが押してあります。
特殊はがきは封書と同じ値段(定形外でもっと高かったかもしれない)として、封書の値段が3銭だったのは、明治32年4月(1899年)から、昭和12年4月(1937年)まで、その長い期間のいつだったかにつくられたものでしょう。


このこけしのはがきには、宛名と通信文を書く境目に、「湯本靑年分團副業部」とスタンプを押してあります。
湯本とはお湯の出る温泉地のこと、地名として箱根と那須、鉄道駅名としていわきなどにありますが、こけしの形や絵つけから、山形県の肘折温泉でつくられたものではないかと思います。地元の青年たちが、力を合わせてつくったものだと思うと、郷土愛がひしひしと伝わってきます。


戦前にも、観光地ではいろいろなご当地はがきがつくられ、売られていたのです。
このようなはがきを受け取った人が、どんなにわくわくしたことか、想像に余りある、素敵な特殊はがきたちです。





2020年4月12日日曜日

日本の木のおもちゃ

1976年に吉祥寺に開店した「アトリエ ニキティキ」は、輸入おもちゃのセレクトショップの草分けでした。
それまでも、銀座松屋の「デザインコレクション」などには、ときおり置いてあったかもしれないけれど、初めて、ヨーロッパの木の手づくりおもちゃが、いつでも買えるお店ができたのです。

1970年代にはまた、日本人で木のおもちゃを手づくりする人(こけし、けん玉などは除く)が、ぽつぽつと現れてきました。
昨日、reiさんから、東京のおもちゃ美術館では、日本の作家の木のおもちゃもいろいろあるとコメントをいただいて、突然、我が家にも1970年代の木のアヒルがいたことを思い出しました。
失くしてしまったか、まだあるかと半信半疑で展示室を見ると、ありました。


アヒルの親子です。


底に「てらうちさだお」の焼き印が押してあります。
日本の、木のおもちゃ作家として、これまた草分け的存在の、寺内定夫さんのアヒルです。


3つとも、「17」という刻印があるので、限定品だったのでしょう。購入した経緯はまったく覚えていませんが、『季刊銀花』に紹介されていた情報をもとに、申し込んだのだったかもしれません。


寺内定夫さんは、今は白木のものもつくられているようですが、これはニス仕上げです。子どもが舐めても大丈夫な塗料だったと思いますが、私は質感がそう好きではありませんでした。すでに北欧の「木」のおもちゃを手にしたことがあった私としては、この木(ヒノキか?)の手触りもいま一つでした。
もっとも、親の私より、息子たち(もう上の息子は木のおもちゃを卒業する時代だったか)の反応の方が大切でしたが、残念ながら、これで遊んでいた記憶は、あまりありません。一番大きいアヒルは幼児には重すぎ、重心が下にあるので、持ちにくかったと思います。
また、単純すぎて遊びの工夫しようがなかったのかもしれません。

と、言うのは簡単、幼児に喜ばれるおもちゃづくりは難しいと思いますが、以後、木のレールなどおもちゃは家にいろいろあったし、息子たちが大きくなったこともあり、日本の木のおもちゃとは無縁で過ごしてきました。
はなちゃんが生まれたとき、たけちゃんが生まれたときに送ったおしゃぶりも、ネットショップでいろいろ見た結果、やはり北欧のものを選んでしまいました。


そうやって、日本の木のおもちゃとは無縁で過ごしてきましたが、6年前には、清水将勇さんのキューブの積み木をはなちゃんに贈ったことがありました。
これはスギでできています。
スギは軽いので、幼児のおもちゃにはうってつけの素材のように見えます。ただ「木」というだけでなく、形にあった素材も大切なのかと思います。


余談:

ドラマ仕立ての『精霊の守り人』は、22話すべてを観終わりました。
複雑な話を単純にすることや、ちょっとしたロマンスをつけ加えることはやむを得ないと思って気にせず観ていましたが、終わりの2話くらい(もっとか)、原作とまったく違う展開でがっかりしました。
原作では、一介の用心棒であるバルサと、皇太子であるチャグムの住む世界の違いが、最後に際立つことによって、もう会えないことが、終わった後の余韻を深くしていました。
ところがドラマでは、バルサはラウル王子と戦ったり、お城にチャグムの友だち面して出かけたりしている、それはないだろうと思ってしまいました。
「観ない方がよかったかしら?」
残念な気持ちが残りましたが、CGの映像はそれなりに面白かったので、プラスマイナスゼロとします。
と言っても、最後、やっぱり原作のようであって欲しかった。タンダが傷つき、腕を切り落とすという話も、なぜ足にすり替わっていたのか、理解できませんでした。
やっぱりマイナスかなぁ。








2020年4月11日土曜日

新型コロナウイルスに感染しないために

本日は、新型コロナウイルスについて、Bluemoonさんからいただいた情報を掲載します。



慶應大学の先端研、遺伝子制御の佐谷秀行先生(慶応病院副院長)からの情報です。
慶應病院でも院内感染が起こり、患者さんと知らぬうちに接触した医師や看護師にもPCR陽性者が出たようです。
また、ほとんどの感染患者さんは食事中に感染しているようです。

佐谷先生がご自身でまとめられた感染防御マニュアルがネットで公開されました。
以下、注意事項です。


ウイルスが出てくるのは咳とか唾とか呼気ですが、普通の呼気ではうつりません。
これまでのほとんどの感染は、
①感染者から咳やクシャミで散った飛沫を直接吸い込む
②飛沫が目に入る
③手指についたウイルスを食事と一緒に嚥下してしまう
という3つの経路で起こっています。
感染にはウイルス粒子数として100万個ほど必要です。一回のくしゃみや咳や大声の会話で約200万個が飛び散ると考えられています。つまり感染者がマスクをしているとかなり防ぐことができます。

なるべく鼻で息を吸いましょう。口呼吸で思いきりウイルスを肺の奥に吸い込まないようにしましょう。

外出中は、手で目を触らない、鼻を触らない、唇に触るのもだめ、鼻の穴や口の中に手を入れるのは論外です。
意外と難しいが、気にしていればできます。

人と集まって話をする時は、マスクを着用しましょう。
食事は対面で食べないようにして、食事中は話しをしないようにしましょう。会話は食事後にマスクをしてからしましょう。

家に帰ったら、速攻で手を洗いましょう。アルコールがあるなら、玄関ですぐに吹きかけて、ドアノブを拭きましょう。

咽頭からウイルスがなくなっても、便からはかなり長期間ウイルスが排出されるという報告があります。ノロウイルスの防御法と同じように対処を忘れずにしましょう。

感染防御のルールを再度整理します。
①マスクと眼鏡の着用
②手指の洗浄と消毒
③会食は対面ではせず、食事は一人で短時間で済ませる
④外から帰宅時は先にシャワーを浴びてから食事をする

陽性患者さんの多くは、手指から口に入るか、食事の時に飛沫感染しているようです。
以上を守って元気でいましょう。心を込めて。













2020年4月10日金曜日

木の箱

たけちゃんが来ていたとき息子が、
「積木みたいなおもちゃがある?」
と訊きました。
「箱の中にポトンと落とすのとか」
「あぁ、あれ?」


フィンランドのユシラ社のおもちゃ、50年を経た今でも、寸分違わないものが売られています。


それは、息子がとてもよく遊んだおもちゃでした。とくに複雑な形をした木片は手の持ち方を決めていて、木片の方でなく、箱の方を動かして落としていました。
「あれは、はなちゃんちに持って行ったきりだわ。あんたたちがあまり遊ばなかった箱はあるけど、どうかな?たけちゃんは遊ぶかな?」


と、箱を出してきてみました。
すると、たけちゃんは思いのほかこの箱で、よく遊んでくれました(残念ながら写真はないけれど)。


ちゃんとしまっておくとばらばらにして、
「これに入れてみて?」
というと、一番小さくて持ちやすい四角を、一番小さい箱に入れてくれました。


息子たちはあまり遊ばなかったおもちゃでしたが、時を経て、たけちゃんが遊んでくれて、箱も嬉しかったことでしょう。






2020年4月9日木曜日

『精霊の守り人』をコンピュータで観る

一年以上前だったか、夫がNHKスペシャルを観るため、NHKオンディマンドに登録しました。
しばらくは喜んで観ていたものの、すぐにまったく観なくなり、解約もしないでもったいない、ならば私が見逃した番組でも観るかと名義を変更してもらいました。
ところが、私も『あまちゃん』あたりから数年間観ていた朝の連続テレビ小説を観るのをやめてしまったので、見逃し番組を見る必要もなく、ときおり目についたお勧め番組を観たりしていました。


番組の名前をはっきり知っていれば、それが観られるかどうかすぐわかるのですが、なにしろテレビはお昼のニュースを観るくらい、夜はまったく観ないので、題名もわからず、観たい番組があるかどうかすら、調べる方法もありません。
画面にお勧めとして出た番組の中から選ぶしかありませんでしたが、あるとき、そのお勧め画面に『精霊の守り人』が出ました。
映像化されたのは知っていましたが、まったく興味がなくて観たことはなかったのですが、どんなものかと、第1話を観てみました。
「へぇぇ」
思った以上に見応えがありました。

本は何冊にもなっていて、すべて読むには時間がかかりますが、映像も、第一部が4話、第二部が9話、最終章が9話、それぞれ1時間ずつ、全部で22時間という超大作です。
夜な夜な観て、やっと最終章のはじめまでたどり着きました。
役者さんたちは、親しんでいる本の挿絵のイメージを裏切りません。


とくに、高島礼子さんのトロガイがすごい!


どこから見てもトロガイそのもので、高島礼子さんの片りんもありません。


新ヨゴ王国、ロタ王国、カンバル王国などの市場も楽しめます。どれも異国情緒たっぷりで、行ってみたくなるほどです。市場で売っている食べものも、とてもおいしそうでした。
これから、いよいよ、やぐらを組んだ戦いの部分になります。予告でちらっと出てきたけど、本当にやぐらを組んだのか、CGなのか知りませんが、じつによくできています。

これは、槍遣いのバルサの物語ですから、槍を遣う場面もよく出てきます。ジグロとカグロが舞うように戦う場面はありましたが(どうやって撮ったんだろう?)、バルサの「槍の舞」はこれからです。


まだまだ、8話も残っている、早く観たい気持ちで、夜が来るのが楽しみにしている、今日この頃です。