2023年2月10日金曜日

戦争体験


暮れに『虹の谷のアン』(モンゴメリ著、松本侑子訳、文春文庫、2022年)を買ったら、こんな広告の栞が入っていました。
村上春樹の小説は、好きではありませんが、エッセイは好きです。


というか、『猫を棄てる』(村上春樹著、文春文庫、2022年)は、半分は表紙絵に惹かれて購入しました。
まったく知りませんでしたが、『猫を棄てる』の表紙絵やイラストを描いたのは高妍(ガオ・イェン)さんという台湾人の若い女性イラストレーターで、前出の『同潤会代官山アパートメント』の表紙も同じ方によるものでした。


『猫を棄てる』はお父上のことを書いた薄い本で、高妍さんのイラストがふんだんに入っていました。


この本を読むと、戦中戦後に生まれたたくさんの人が、戦争という生き難い時代を生き延びた親たちに、その体験を何も訊けないで、また、親も何も話さないで死んで行ったことが、伝わってきました。
「訊いておけばよかった」
とほろ苦く、自分自身もちょっと後悔してしまう本でした。
もっとも、実際には、親には戦争のことなど絶対に訊くことはできませんでしたが。






 

2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

素敵な絵ですね!ノスタルジックな色合いが独特です。若い方でびっくりしました。

さんのコメント...

hiyocoさん
何とも言えない、ちょっと昔を感じる雰囲気のある絵ですね。
高妍さんは若い方ですが、写真を拝見すると、いかにもこの絵を描きそうな人で、そのピッタリ感に大満足でした(笑)。