2023年2月18日土曜日

試し織り

糸紡ぎを、月に2度の織物教室だけでなく、家でもやれればいいのですが、片手間にできるというものではありません。
というわけで、家では何もせず、その結果、織物教室ではくる日もくる日も糸を紡いでいました。せっかく習いに来ているのにと、気にしてくれたKさんが、枠を使ってタペストリーを織ってみてはどうかと言ってくれました。
タペストリーの枠なら我が家にあります。
「じゃぁ、枠を持ってきます」
そう言って枠を探しはじめたのは、もう1か月も前のことでした。ところがその枠が、いくら探しても見つかりません。
地下室に長く放置していた織り機を、作業棟に機織りのできる部屋をつくっって移して以来、家のあちこちに散らばっていた織りもの関係の道具を、できるだけ集めて整理して収納したのですが、そのとき枠も動かした覚えがあります。それがないのです。どこかにまぎれてなくなるというほど小さいものではないので、置くところは限られているはずなのに、何度探しても出て来ません。
先日の織物教室の日にその話をすると、Kさんがご自分の枠を貸してくれることになりました。


細い釘を2辺に等間隔に打ち、釘の頭を切り取って釘の高さを揃えた(短くした)、手づくりの枠です。木には木目があるので、釘がずれて不揃いになりがちです。また、間隔が近すぎると、前に打った釘にまで玄能が当たってしまったりします。ところがこの枠の釘は、密に打ってあるのにまっすぐで、等間隔、とてもよくできています。
その日は、タペストリーを織るなど考えもせず、何も用意してなかったのですが、Kさんが、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を用意してくださいました。
経糸は木綿のタコ糸です。細かく打った釘に、1本おきに張りました。


緯糸はすべて草木染、その昔、Kさんがまだ織物を習っていたころ、色のサンプルとして染められた糸で、そのときは生徒さんみんなが機械紡ぎの市販の毛糸を染められたのだそうです。
今ではKさんは、手紡ぎ、手染めの糸しか使っていらっしゃいません。


さて、トワイニングという織り方をやってみることにしました。2本の糸を絡めながら織るので、糸目は右上がりか左上がりの斜めになります。
端や途中で編み方を替えることによって、右上がりになったり左上がりになったりして、模様ができます。


2段織ったところです。
「目が細かすぎてたいへんね。二本どりでやってみたら?」
「はい」


というわけで、いろいろ試してみています。
いつやめてもいいし、手軽に持ち運べてどこででもできる。これなら家で、ちょっとした時間に織ることができます。


色を変えたり、2本どりにして経糸を2本飛ばしにしたり、糸目の向きを替えたり、楽しく編んでいます。
というわりには、進んではないのですが。









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