2023年10月23日月曜日

久しぶりの熊井さん



夫の学生時代の友人の熊井淳一さんの彫刻展を観に、前橋まで行ってきました。
題は「生きていく仲間たち」、4年ぶりの彫刻展だそうです。


ブロンズと、山桜の木を彫った彫刻の二種類の展示でした。
山桜はこつこつと彫るので時間がかかりますが、ブロンズもつくった原型を鋳物工場に出さずに、すべて熊井さんが自分で鋳込んだので、4年ぶりといっても、忙しい毎日だったそうです。


焼型鋳造の作り方は、こちらのサイトが一番参考になるかなと思いました。写真は解像度が悪いのですが、外型と中子型の間に厚さ3ミリくらいの空洞をつくり、そこに溶かしたブロンズを流し込む様子がよくわかります。また、粘土の型は太い鉄筋でしっかりと割れないようにつくっていることもわかります。


ブロンズの彫像は、大きいものだけでなく小さいものも、中を空洞につくってあります(蝋型の作り方は別で、中まで無垢ですが)。
溶けた金属が隅々まで流れるように湯道をつくり、鋳込んだ後で湯道は切り取り、砂でつくった中子は小さな穴を開けてさらさらと取り出し、鋳込み時にできたバリをはつったり穴を埋めたり、色仕上げをしたりと、ブロンズの彫像は準備と仕上げにも手間のかかるものです。
大きいものは、溶けて950度以上になった金属を大量に流し込まなくてはならず大変ですが、小さいものにも工夫が要ります。動物の足のように細いところがあれば、型を熱しておいても途中でブロンズが冷めて固まり、細部まで行き届かなかったりしがちです。
鋳物づくりには、技術だけでなく力が要りますが、身体を鍛えている熊井さんだからできることなのでしょう。


ヤギ、馬、犬、七面鳥など、赤城山のふもとで熊井さんと一緒に過ごした動物たちがかわいい像になっていますが、私はリスのくーちゃんが一番気に入りました。


熊井さんは元気元気、次々と訪れるお客さんと大きな声でじゃべりっぱなしです。
別の一角では、これまた大きな声の夫が、画廊主としゃべりっぱなし。小さい画廊の中はわんわんしていました。
その二人は、長時間いたのにお客さんが途切れなかったので、しゃべる暇もなく、再会を期して別れました。





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