2024年9月26日木曜日

臼搗き


愛知県名古屋の臼搗きです。 


ちょんまげを結った人が、台の下にある棒を左右させると、交互に臼を搗きます。


愛知の動くおもちゃには、よく糸(タコ糸)が使われています。
牛若弁慶、回りねずみ、餅搗きうさぎなど、どれも糸が使われて、とてもよくできています。我が家にもかつて牛若弁慶がいましたが、紙でできているもので、引っ越しを重ねているうちに失われてしまいました。


臼を搗いている2人は、穏やかな顔をして、色紙の着物を着ています。


似たからくりに、ロシアの餌をついばむ鶏のおもちゃがあります。


こちらは、両方に棒が出ているわけではなく、片方だけに出た棒を押したり引っ張ったりすると、鶏が交互に餌をついばみます。


メキシコのボクシング人形も、似ています(似ていないかな?)。


真ん中の突起を押すとお互いに近づくので、押したり離したりすると、腕を振りあって戦います。

『日本郷土玩具辞典』(西沢笛畝著、岩崎美術社、1964年)より

臼搗きは本では見知っていましたが、本物に出逢ったのは初めてでした。


東欧では、鎚を交互に振り下ろすおもちゃは、餅つきではなく、ほぼ鍛冶屋の鉄打ちだったようです。
上の写真はチェコスロバキアで出版されたFolk-toys Les jouets populaires』(Emanuel Hercik著、ARTIA、1951年)からのもの、Brno工業美術博物館ほかに収蔵されているおもちゃです。そして、熊と人が鉄を打っているのは、物語からのモチーフです。


この本によれば、鶏が餌をついばむというのは、鍛冶屋から発生したモチーフだったようです。









0 件のコメント: