2025年8月8日金曜日

竹骨のうちわ

歯医者さんで治療をすまして、待合室で会計を待っている間に、金魚模様の紙を貼ったうちわが5、6個、重ねて置いてあるのが目に留まりました。
遠目にも、骨組みは竹でできているように見えました。


今どき、そんなうちわがあるかしらと近寄ってみるとやはり竹製です。
「えぇぇ、骨は外国製なの? 中国かヴェトナムでつくったのかしら??」
それとも、日本でつくった? 日本でつくると、今では値が張ります。
「ご自由にお持ちください」と書いてあったのでいただいてきました。


細かく裂いた竹は、糸で綴ってあるもよう、中国にはこの技法がある(あった)かどうか、ヴェトナムにはそもそも紙を貼ったうちわはないし、熱帯なので竹の種類も違います。


うちわの裏には、シンプルに歯医者さんの名前と電話番号を書いた紙が貼ってありました。
30年前のデッドストックが出てきた? まさかね。


夫はなぜかうちわを貰ってくるのが好きなようで、気がつくと、知らぬ間にうちわが増えています。


今どきのうちわですから、どれも骨はプラスチックで、竹の骨のうちわのように縁に別紙を貼る必要のないもの、ひと手間も二手間も違います。


中には厚紙に親指を入れる穴を開けただけのものや、持ち手をパチンと留めただけのものもあります。


と、現代はプラスチック全盛の時代なのに、歯医者さんのうちわはなぜ竹骨なのか、とっても不思議です。


ちょっと昔、一般家庭にも列車にも冷房がなかった時代、うちわや扇子は夏の必需品でした。








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