2019年3月21日木曜日

六倍差

しばらく前に東京に行ったおり、アンティークモール銀座というところに寄りました。
骨董屋さんたちが集まっているビルらしい。全体を見たわけではないので、規模などわかりません。
目当ては、ネットで紹介されていたお店で、その店は期間限定でアンティークモール銀座に店を出していました。
なんとなく想像していたのと違っていたせいで、その店の前を通り過ぎたのに気づかず、その奥の骨董屋さんに所在を訊いているとき、
「そこじゃないのかなぁ」
と言われて振り返ると目当ての店の店主がこちらを見ていて、
「お客さんですよ」
と言われて対面しました。
「どうしてこの店を知ったのか?」と問われれば答えないわけにいかない、そんなことから、「ふりの客」ではなくなってしまいました。

あたり一帯客の姿は見えず、その店も私だけ、骨董屋さんはついて来て、私の目の先にあるものを、親切に説明してくれました。
何か興味を惹かれるものがあったかどうか、ただ値段を見ている感じでしたが、深入りしました。そのままさようならと言えない雰囲気になって、一番安い、樹脂の招き猫をいただいてきました。


一割引きにしてはもらったものの、高かった。東京は高いと実感しました。
さわださんが持っているのとまったく同じセルロイドの招き猫が、なんと6倍の値段で売られていました。


その反動だったでしょうか。次の骨董市に行ったとき、あまりにもたくさん出てきたために、さわださんが売っても売ってもなくならないセルロイドの招き猫をまだ持っていたので、また5匹も連れてきてしまいました。
どうよ、この大人買い!
といっても、しめて1000円。これが東京では、1000円ではたったの1匹も買えないのです。


東京の骨董屋さんが言っていた、ふくらみが足りなくて鼻のところが尖ってない招き猫が、さわださんのところにもいました。失敗作、鼻ぺちゃです。
東京の骨董屋さんはそれを珍重していましたが、
「これ、膨らみ方が足りなかったんだって」
と話してもさわださんは、
「そうなの」
と、全然興味をしましませんでした。
さすがです。


いやはや、セルロイドの猫の棚が、混み合ってきました。
原因は成田山参道の店から出てきた猫たちです。





2019年3月20日水曜日

片づけてしまいました


今年こそ、飾るのが遅かったので、旧暦の3月3日までは飾っておこうという心づもりだったのに、突然お雛さまを片づけたくなりました。
そうなったら、片づけるべしです。「面倒だなぁ」という気持ちが消えて、片づけを楽しむ気持ちになっている証拠だからです。
まず、刷毛でほこりを払います。


この木目込みの豆雛さまは、その昔がんこさんから買ったもの、あちこちに虫の穴がいっぱいあいているものです。
錦織りの布も使っていますが、無地の布に手書きの部分もたくさんあります。
扇、それと着物か袴かよくわかりませんが、ベージュ色の布にも模様が描いてあります。
 

ベージュの布は、やっぱり袴だったのでしょうか、背中には撫子が描いてあります。


三人官女の持ちものは何でできているのでしょう?
木くずを丸めたものと針金を使っているのかもしれません。


三人官女の袖にも、松竹梅が描かれています。
 

五人囃子の扇も手描きです。

ところで、この人形はいつごろのものでしょう?
顔はしもぶくれですが、そこはかとない品があります。


戦後の木目込み人形とは、まったく違うお顔です。


行儀よく並んで、また来年の春を待ちます。





2019年3月19日火曜日

洞峰公園

用事があって、つくばに行きました。
時間があったので、久しぶりに、コンクリートをはつった壁を見に、洞峰公園に寄りました。


目指すのは、わりと小さめの建物、大高正人さん(1923-2010年)が設計された、筑波新都市記念館(1980年)です。


外はレンガのようなタイル張りですが、中の打ちっぱなしのコンクリートの部分は、「はつって」あります。
ダッダッダと前後に振動する機械ノミを使ったかもしれない、「ビシャン叩き」という表面がでこぼこしたハンマーで叩いたかもしれない、そして部分的には、小さな手ノミを当てて、しこしこと叩いたかもしれない、おそらくその全部を組み合わせて、コンクリートをはつったものです。
その、柔らかい印象が素敵です。
我が家もコンクリート壁ははつってありますが、自力建設だからできたこと、膨大な手間と時間がかかるので、「はつり」は、昔はできたかもしれませんが、今ではなかなかできません。
つくばにCOXというレストランがあり、外壁を全部はつっています。これも業者がはつったものではなく、建築家の提案で、オーナーのしんごさん自身と、COXのために新規採用されたスタッフたちで叩いたものです。
開店前、彼らはくる日も来る日も、重いハンマーを打ち下ろしていました。

さて、目指した建物を入ると、右はギャラリー、左はカフェになっていました。


ギャラリーの奥に洞峰沼が見えます。
左に見えるのは集会室か、沼の上にせり出しています。


柱や、腰壁もはつってあります。
つるつるのコンクリートをはつると、中に含まれている小石などが表れて、岩のような表情を見せます。


左手のカフェです。


この、角の席が何とも魅力的でした。


洞峰沼が一望できました。
先ほどの集会室が、キャンティレバーという工法で沼にせり出しているのも素敵です。

空に見える線は、カフェの明かりがガラス窓に写っているもの

気持ちの良い空間で、とっても豊かな時間を過ごすことができました。







2019年3月18日月曜日

五箇山の紙塑人形

 

旧友Dさんから、小さな包みが届きました。
手紙が添えられていて、「お約束の「亥」を遅くなりましたが送ります」と書かれていました。
えっ、まったく覚えがありません。富山県五箇山の和紙細工と書いてありますが、それにも覚えがありません。


でもDさんは私より記憶力のよい方、「遅くなって」とありますから、数年前に送ってくださるお話が出ていたのかもしれません。


五箇山では、もともと紙が漉かれていましたが、30年ほど前から紙塑人形が作られるようになりました。
和紙を粘土状にして形をつくり、乾燥させて和紙を張ってから着色したものです。
和紙と糊のみでつくるので、一つ一つが違い、味が出るのだそうです。
Dさんのお話では、毎年の干支が素敵なので応援しているのだそうです。


ネットで検索してみたら、干支人形たちが出てきました。


そして、こんな招き猫もつくられていました。
森見喜美彦の『有頂天家族』に出てくる双雲の双子の息子たち、金閣と銀閣だそうです。
「......」





2019年3月17日日曜日

アイロン台


昨日は久しぶりにアイロンを使いました。
かつては、アイロンを少なくても一週間に一度は使っていたのに、今では月に一回使うかどうかです。アイロンの必要なものはできるだけ着ないでいるし、アイロンが必要なシャツなども、アイロンをかけずに平気で着ています。
そして、出番が少ないわりには、アイロン台は立派なものを使っています。


真ん中あたりについているレバーを引いて、高さを自由自在に調節できるアイロン台です。


畳むと私の背丈と同じくらい、大きなものですが、薄くなるので場所は取りません。

今までいろいろなアイロン台を使ったり見たりしてきましたが、印象深かったのは、デンマークの最北端のホテルのロビーのわきに、備えつけてあったアイロン台です。


壁にアイロン台がぶら下がっていて、その上にアイロンが収まっています。


台を持ち上げると、真ん中の棒が下がってきてそれがつっかえ棒になり、アイロン台の出来上がりです。


ホテルの人が使うアイロンだと思っていましたが、もしかしたら客が使えるアイロンだったのかもしれません。


小さなホテルで、ロビーも狭く、アイロン台はこの写真では手前の右の方にありました。


そして窓の外はこんな感じです。
このあたりは、海流に削られて砂が動いて海岸線は変わってしまうらしく、砂丘や痩せた土地が、海岸にそって広がっていました。
この原っぱの、ちょっとこんもりと高くなっている先に、海がありました。


あんなアイロン台をつくりたいと思っていましたが、場所がないし、やっぱりつくるのは手間、市販のアイロン台を使っています。





2019年3月16日土曜日

駄おもちゃ


材木屋さんに打ち合わせに行っていた夫、帰るなり、
「お土産だよ」
というので見に行くと、なぁんだ、材木屋さんの大きな机の上の箱に、「ご自由にお持ちください」と書かれて置いてあるおもちゃでした。
「なに?あげましょうと言われたの?」
私はいつもこれらをちらちら見ながら、時には手に取ったりもしますが、幼児連れじゃあるまいしと、欲しがったことはありません。
「なに、勝手に取っていいんだよ」
それはそうだけど、「いただきます」と言うのはちょっと勇気が要ります。
夫はこれの存在に初めて気がついたのでしょうか?


こういうものを手にするのは嬉しいものです。
早速やってみました。
透明のプラスティックの仕切りが見えないので、最初はスタートからゴールまでもたもたしましたが、一度覚えてしまえば、あっという間です。電子の複雑なおもちゃに比べると、子どもでもすぐ飽きてしまうかもしれません。


消しゴムつきの鉛筆もよさげです。
鉛筆についている消しゴムは便利なものだけど、小さくてすぐなくなってしまい、うっかりそれを抑えている金属でがしがしやってしまい、紙を傷つけたりするものですが、これはふんだんに消しゴムが使えそうです。

どれもMADE IN CHANA、100円ショップで売っているものなのでしょう。








2019年3月15日金曜日

『ふしぎの国のバード』


「これ、知ってる?」
と遊びに来た息子が、発刊間もない『ふしぎの国のバード①』(佐々大河著、KADOKAWA、2015年)を置いていったのは、4年も前でした。
「漫画は知らないけど、『日本紀行』は読んだよ」
「そう」
上野駅には今でも本屋さんが健在なので、息子は車内で読むためにその本屋さんで買ったのかもしれません。
その時は、たいして関心もありませんでしたが、置いて行ったので読みました。


こんな本があったことも忘れていた昨年、また息子が来て第3巻を置いていきました。
1巻は漫画らしくどたばたしていて、さして続きが読みたいとも思ってもいなかったのですが、3巻はイザベラ・バードの通訳だった伊藤鶴吉に焦点を当てていて、ちょっと新鮮でした。
また、当時の風俗も視覚的に楽しめる、ということで、欠けている巻を自分で買い足してしまいました。


最新刊の第5巻で、イザベラ・バードと伊藤鶴吉は、山形のあたりまで行っています。
ところが、伊藤鶴吉に以前通訳をしていたチャールズ・マリーズから、自分の通訳をしろと脅しがかかっていて、イザベラ・バードの通訳を降りなくてはならない危機に見舞われているところで第5巻が終わっています。


左がイザベラ・バード(1831-1903)で、右が伊藤鶴吉(1858-1913)です。


そして、イザベラ・バードから伊藤鶴吉を取り戻そうとしているチャールズ・マリーズ(1851-1902)は、ヴィーチ商会のプラントハンターとして、1877年と1879年に日本、中国、台湾で植物収集を行って、500種の新種の植物をイギリスにもたらしています。