2025年7月19日土曜日

漢字


九州に住む長男が、
「この本ある?」
と写真つきメールで訊いてきました。
「いい本だったね。でもないよ。絵本と一緒にまりちゃん(私の妹)に送って、まりちゃんがちいちゃん(下の妹)に送って、子どもたちが大きくなってからおばあちゃんのところに送り返されてきたのだけれど、その中にはこの本はなかったよ」
と応えると、
「古書で売っているんだけど、この値段見て! 買えないよ」
と、信じられない値段で売られている『漢字の本、1年生』(下村昇著。まついのりこ絵、偕成社、1977年)の写真を送ってきました。
「改訂版が出ていて、そっちは定価で買えるんだけど、なんだかつまらなさそう」
と息子は大いに残念がっていました。


その日から気をつけて探していると、『漢字の本、1年生』と『漢字の本、2年生』の2冊を、息子が「見本」で送ってきた本の値段と比べものにならない、適正と思われる値段で売られているのを見つけ、無事手に入れることができました。


この本では、漢字の書き順を口に出して唱えながら覚えることができます。また、漢字のなりたちも知ることができるので、子どもたちは漢字を難しいものと思わず、楽しく学ぶことができます。


その後、『漢字の本、3年生』も手に入れましたが、改訂版ではないのですが、初版本とも違うものでした。


さて、漢字の成り立ちといえば、『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(小山鉄郎著、新潮文庫、2009年)という本がシリーズであります。漢字の大家である白川静さんが明らかにした漢字の成り立ちや意味が、たくさんのイラスト入りで書かれている本です。
著者の小山鉄郎さんによると、白川静さんによって、象形文字の一つである漢字が3200年も生き残って今も使われている理由や、漢字があることによって日本語がどんなに豊かになったかなどが解き明かされました。漢字には意味が込められているので、漢字がなかったら私たち日本人はもっと単純な思考しかできなかったであろうというのです。
漢字は象形文字の一つですが、単純に表現したために使いやすく、それから派生してたくさんの字を生み出すことができ、そして生き残ることができました。


例えば、よく比較されるエジプトのヒエログリフでは、「人」という字は5体すべてを輪郭で表していますが、漢字はたった2画で表しています。
人を2つ、同じ向きに並べて「従う」、背中合わせに並べて「北く(そむく)」などなど、人から様々な字が生み出されました。


『漢字は楽しい』には、【手】をめぐる漢字、【足】をめぐる漢字、【人】をめぐる漢字、【目】をめぐる漢字、【犬】をめぐる漢字、【衣】をめぐる漢字、【羊】をめぐる漢字などなどが楽しく解説され、古い文字とイラストで、成り立ちを楽しく知ることができます。

もうすぐ夏休みで、長男とその娘で新1年生になったたけちゃんがやってきます。
漢字の話をするのが、楽しみ、楽しみ。




 

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